■韓国人はなぜ「負け」ないか*´ヮ`)/ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

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お正月、韓国の人々がみんなで「勝ち」への思いを表現するユンノリ!(^^;)



●「負け」たら「韓流」はあり得なかった


先日、韓国のある番組で、決めたルールに従って競技に負けた側が「負けを認めない」で、さらに、彼を応援する周囲も皆、彼の「負けを認めなかった」がために実際に再競技となってそれが物議をかもした、ということがありました。日本ではそんな物議が起こること事態があり得ないと思ったので、ちょっと今日は、「韓国人は負けを認めない=勝ちをあきらめない」という話をしようと思います。


もう、すでにこの言葉だけで、日本人には韓国人の非常に悪い性質とでも聞こえてしまいそうですが、そうではなくて、それには充分な文化的理由があるんです。


実に、「あっさり」負けを認める「いさぎよさ」を価値視する日本文化とは対照的に、韓国の方は「負け」を認めません。実際、この「あっさり」という日本語、「いさぎよい」という日本語も、韓国語にうまく直すことが難しい言葉です。


ちなみに、このような違いは、私のような日本人男性と韓国人女性のカップルの間で、最も引っかかる問題みたいです。私も韓国文化を日本人に紹介する立場として、特に、日韓カップルの日本男性などから、「どうして韓国人は自分の非を認めないのか」、「うちの妻は絶対に負けを認めない、これはなぜなんだ!」と相談を受けることがあります。^^;


でも、これは互いに対照的な両国の環境ゆえに起こっている文化的な違いであって、背景をみれば充分理解できるんです。


島国の日本では、歴史的に「いくさ」といえば、一部の武士層が互いに一番を競い合う内乱であり、その大前提はどちらが勝っても同じ日本人であるということ。もし力の差がはっきりしていれば、意地を張って無駄な犠牲を出すよりは、「あっさり」と負けを認めて戦いを終わらせるほうが、平和をつくったんだ、大人だったんだ、実は勝ったんだ、などと、ほめられることがあり得たわけです。いわゆる「負けて勝て」ですね。


ところが、海と大陸から強国に囲まれた半島国家の韓国では、歴史的に932回の外侵を受けながら、「いくさ」とは外国による侵略戦争のこと、そこで負けるとは、男は皆殺しに、女は売られ、子供が奴隷になるということを意味していました。そして、侵略を受け続ける歴史の中で、たとえ、戦いに負けたとしても、精神的にはその「負け」を認めないということ、つまり義における「勝ち」をもって自尊心を高め、実際に精神的に「勝ち」続けることが重要だったわけです。


もし韓国人が日本人のように「あっさり」負けを認める民族だったら、世界中の数多くの被植民地国で自国の言葉や文字が失われているように、地政学的にこの国の文化も、言語も、民族も、すでに中国やモンゴルや日本のそれによってすっかり取って代わられ、生き残ること自体が難しかったことでしょう。


つまり韓国人にとっては「負けを認めないこと」=「自尊」の立場こそが、自らのアイデンティティを守るために絶対に必要な文化だったのであって、実際、今の韓流ブームだって、韓国人のこの「自尊」があったからこそ、この大国の狭間にあって独自の「韓流」として立派に成立し得、日本の4分の1の国土から、文化的に世界中を魅了できる独自性と影響力を発信し続け得ているのだ、ということなのです。*´▽`


●日本と韓国がきっと仲良くできる理由


ドラマやマンガの表現として、日本人の闘いのシーンには、両者向かい合って構えただけで、片方が「むっ、スキがない…。参りました!」とひれ伏すという場面があります。日本人が無駄な争いごとをしないのは、実際に勝ち負けがすべてではなかったからであり、あっさり負けを認めれば、その人の家来になってむしろ安全を得ることができたわけです。日本の将棋にだけ、韓国や中国の将棋、あるいは西洋のチェスにない、取ったコマが味方になるルールがありますよね。負けても上が変わるだけだったためです。


さらに、日本で勝ち負けが重要だった武士層というのは、当時の国民のごくごく一部に過ぎず、多くを占める農民たちはどっちが勝とうとも、勝ったほうに年貢を納めるだけ。おにぎりを持ってのんきにいくさ見物などもしていたわけです。


美空ひばりさんの『柔』の「勝つと思うな思えば負けよ~♪」のように、日本人は、勝ちを意識しすぎると、ここぞという本番で緊張して実力を出しにくいのですが、韓国人は勝ちを意識したここ一番のほうが明らかに強いわけなんですね。サッカーの試合でも、どんなに負けていても、最後の1分まであきらめずに同点にして逆転したり、執念で勝ちにこだわることが重要なショートトラック・スピードスケートが強かったり、というのは実に韓国人のメンタリティを表しているわけです。


私も本当に不思議だったのは、韓国では旧正月に親族中が集まって、「ユンノリ」という韓国式すごろくをみんなでしたりしますが、チームを分けてやると、皆、命を懸けたような大声を出して「勝ち」にこだわります。私はというと、「それでユッ(サイコロ)の目が変わるわけなどないのに…」と心で苦笑い。実際、日本では、勝ちにこだわって理性を失っているチームは、冷静に計算する理性的なチームに負けるという事実を思い出すわけですが、ところが、ことこの韓国では、本当に大騒ぎして「勝ち」にこだわったチームが、勝つんですよ。(^^;)


だからといって、私も日本人として実際に韓国人以上に「勝ち」にこだわれるかというと、もう途中で疲れてしまって、「そこまで勝ちたいのでしたら、もういいですよ」と気力が中途放棄してしまうわけです。


でもある意味では、両者がそれで丸く収まるということもできます。つまり日本と韓国のこの違いは、実は両国がこれからもっと仲良くやっていける理由にもなると思うのです。韓国人に「勝ちをあきらめない」というすばらしい文化があり、私たちには「負けて勝つ」という、さらにすばらしい文化があるのですから!そのことのゆえに、両国はきっと共によりよい未来を築いていけるのです。


勝負の世界を別にすれば、日本人の「負けて勝て」は実に豊かな平和思想であり、結果的に本当に日本人が「負けて勝つ」ことができる無敵の武器でもあります。なんといっても、国際結婚などの人間同士の関係、家族や友人関係などでは、実際に負けることで間違いなく平和をつくり出せるからです。私も妻に勝とうなんて、夢にも思ったことありませんよ!ヾ(≧▽≦)ノ"♪




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