■韓国・“花美男子”の起源を検証する! | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

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命を懸けてソンドク女王に忠誠を尽くす、花郎(ファラン)ビダム



少なくとも芸能界に関して、日本の女性陣から「韓国はカッコイイ男が多い」という声をよく聞きます。それを認めることは日本男子としてあってはいけない事態ですが、しかしとりあえず涙を呑んで(?)、あえてそれを肯定した立場で考えてみました。(^^;)


ズバリ!原因検証、「韓国アイドル、なぜカッコイイ男が多いのか!」


…って、一つの面白い考察としてお付き合いください。


まず簡単に考えて、血統意識が高かったことが考えられます。韓国では「本貫」といって、苗字以外に血統の出所をはっきりさせて、ずっとさかのぼっても同じ一族では結婚しない。それをたとえば、ハーフに美男子が多いように常に遠い婚姻を繰り返すために、生物学的に種が優生になる、という考えが一つあり得ます。さらに文化的にも、血統意識が高いために、行動も自尊心が高くなり、礼儀も生まれ、主体的になり、一種の貴族意識のように「気高く」なるということもあるでしょう。


そのように考えていくと、これらを歴史的に検証する先に、一つの象徴的存在が現れます。それが新羅の貴族青少年集団である「花郎徒(ファランド)」です。


そもそも韓国の血統意識は、初めて朝鮮半島を統一した、この新羅と密接な関係があります。この時、それまで多様だった姓を中国式に1文字で表記するようになり、さらに同じ姓の間でも血統を区別するために、新羅末期には「本貫」も整理されます。


ドラマ『ソンドク女王』でも分かるように、当時、新羅は「骨品(コルプム)制度」といって、徹底的な血統意識を持ち、自分たちを神の子孫と信じる貴族たちによって治められていました。ソンドク女王が女性であったのに、なぜ王になることができたのか。それは彼女が血統的に「聖骨(ソンゴル)」であったためです。


さらに、そこに仏教の弥勒信仰が入って、「弥勒の下生(けしょう)」とされる「花郎(ファラン)」が登場します。「花郎」とは「美しい男」という意味の花郎組織の頭です。最初は「源花」といって女性だったんですが、不祥事が起こって、代わりに男性が美しく化粧をして、弥勒の化身として「花郎(花のような男)」となったわけです。


そのもとに命を捧げる青少年たちが集合したのが、「花郎徒」です。彼らは皆15~6歳の貴族の子息たち。まさに今のアイドルの原型ですね。


「花郎徒」は、青少年の教育機関、人材養成機関であると同時に武装集団。「国仙徒」、「風流徒」などとも呼ばれてましたが、仏教、儒教、道教を合わせた教育で高い道徳を身に付け、歌を歌って楽器を奏で、さらに文芸を学んで詩を詠み、しかも高い信仰に裏打ちされた命知らずの軍隊として、体を鍛えて武術を磨きました。


576年、新羅の眞興(チヌン)王は花郎組織を国家制度に組み込んで、その後、領土を一気に拡大。ソンドク女王の時代を経て、花郎制度100年目の676年、この「花郎徒」たちの活躍によって半島が統一されます。すなわち、なぜ新羅が半島を統一できたか。それは、それこそ今の東方神起やBIGBANGたちのような美男子の青少年グループをしっかり育成したから、ということになるわけです。


その中心にあった弥勒信仰とは、この世を「弥勒の世」にしようというユートピア思想。


『ソンドク女王』の劇中でも花郎たちは皆美しい、カラフルに色分けされた花郎服を着ています。第1話では「原花」であるミシルに命を捧げた花郎徒たちが、「郎粧決意(ナンジャンキョリ)」といって、赤いアイシャドーと口紅で鮮やかな化粧をして、「原花」のために次々に自害する強烈な場面が出てきます。


なぜあんなことができるか? 彼らは、弥勒菩薩を信じて死ねば、「兜率天(とそつてん=極楽浄土)」に上生すると信じているので、「弥勒の化身」の前に忠誠を誓って、美しく死に化粧したわけです。その召命感ゆえに勇敢で、天の命と国の未来を真っ直ぐに見つめて闘った彼らによって、新羅が半島を統一するわけです。


「花郎徒」の教育精神は、今も韓国で青少年教育の原型とされており、そのような“花の美男子”たちが、今の韓国アイドルの先祖にいるために、彼らも何らかの使命感や愛国心を持って同じ道を行っているのだ、ということができます。実際、彼らは皆、今も軍役につき、国を守るために体を鍛え、芸能を高めて韓国の文化を世界に広めることで愛国の道を行っているわけですから、彼らの誠実さの背後に同じ精神がある、と説明することは、何ら無理な話ではありません。


ちなみに日本の国宝第1号である、京都広隆寺の、あの美しい弥勒菩薩半跏思惟像も、「日本書紀」の記載では、623年に新羅から送られたものとされていますが、あの美しい顔立ちの中に私たちは当時の「花郎」の美しさを見て取ることができます。少なくとも同じ信仰の対象を具象化したものですよね。


あ、すみません。でも韓国男性、みんながみんなカッコイイというわけじゃないですよ。基本的にはそんなに変わるものじゃないですよね!!ホント!ヾ(≧▽≦)ノ"♪




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