なぜDTMは面白くないのか?


以前にも問題提起したことがあるかもしれないが、おそらくCSの放送手法がよろしくないからだと俺は考えている。


CSでの放送だが、インタビューを含め前置きにかなりの時間を割いている。

そのしわ寄せがレースの放送時間に及んでしまっていて、毎回ダイジェスト的な放送になってしまっている。そこに視聴者として興味をそがれる原因があるのではないか。


予選後のドライバーのコメントなどは、レース中に実況の方がちょこちょこ挿入していけばいいと思う。

レースファンがみたいのはあくまでも、「レース」だから。

もっと知りたい人間はネットや書籍で情報収集できるのだから。


どのような番組でもそうなのだが、本当にその種の放送に精通している人間が番組構成を担当しているのかどうかが疑問だ。というか絶対精通していない。

だから番組構成に対する視聴者の不満が解消されることはない。


DTMが面白くない理由は、コースのランオフエリアを走行しすぎるところにもあるような気がしてならない。

DTMに限ったことではないのだが、近年のコースは安全対策を気にしすぎるあまり、異常なまでにランオフエリアが広く、ミスがミスにならないことが非常に多い。そこがまたつまらない。


一昔前絶大な人気を誇っていたITCは、めちゃくちゃ面白かった。

DTMもドイツ国内をはじめ、絶大な人気を誇っている。

ということは、レース自体は非常に面白いものであるに違いない。

それを面白いと感じないってことは、放送している局の番組構成・編集に問題があるとしか考えられない。


これは、FIAGT1の放送にもあてはまる。

編集点がひどく、レースの展開が意味不明になっていることがほぼ毎回ある。


ただ放送すればいいという問題ではない。

観れないよりはマシだろ?

といわれれば返す言葉はないのだが・・・


第96回インディアナポリス500マイルレースで、最終周にトップを走るダリオ・フランキッティにチャレンジ、スピン~クラッシュを喫した佐藤琢磨に対し、アメリカ国内をはじめ外紙は、

「ドラマチックな幕切れ」「琢磨のアタックは正しかったか」

等、大きな見出しで報じている。


kjgpのブログ

アメリカのオープンホイールレースの中では最大のイベントで、決勝日には40万人が観戦に訪れる世界三大レースのひとつ、インディ500

昨年もJRヒルデブランドがファイナルラップでクラッシュするなどドラマチックな幕切れとなったが、アメリカの主要紙をはじめ、世界中のニュース配信サイトが「タクマ・サトーのチャレンジ実らず。フランキッティ優勝」と伝えている。


インディアナポリスの地元紙で、モータースポーツを多く伝えているインディアナポリス・スター紙はボブ・クラビッツのコラムで、

「タクマ・サトーの素晴らしく、愚かで、勇敢で、無責任なチャレンジ」と題し、「もし彼のアタックが成功しフランキッティを下していたら、インディ500の歴史に残る伝説のヒーローになっていただろう。しかし、フランキッティはサトーの追い抜きを許さず、ここ数年で最もドラマチックな幕切れとなったインディ500を制した」と伝えている。


また、ニューヨーク・タイムズは、昨年まで琢磨のチームメイトだったトニー・カナーン(3位に入賞)のコメントを紹介した。カナーンは琢磨に対し「待つべきだった。ダリオがそう簡単にさせてくれるとは思わない。まるで若手ドライバーのようなミステイクだった」と語っている。



一方で、スポーツ専門サイトのブリーチャー・レポートは「タクマ・サトーの追い抜きは早すぎたのか?」と題し、読者投票を含めた記事を展開。

「サトーはターン1で待つべきだったか? 彼のいつものチャレンジを批判する者がいるのは確かだ。しかし、残りの3/4ラップで、彼に再びチャンスが来ない可能性もあった。フランキッティは、レース中バックストレートでかなりの速度を保っていたからだ」

「インディ500のウイナーズサークルに入る可能性ができたとき、それを逃す者はいないだろう。ファイナルラップなら尚更だ。サトーはそのチャンスを見つけたが、成果を上げることはできなかった」

「しかし、これこそレースの本質だ。特に、インディ500の勝利が見えた時、リスクは冒されるべきだ」

「サトーがターン1で動きを起こさず、その後フランキッティをパスする機会が見出せなかったら、今ごろ我々はそれについて議論しているだろう」

「タクマ・サトーはインディ500で勝つために早く動き過ぎたのか? おそらく否だ。彼はチャンスを見つけ、それに向かった。しかし結果的にそれが成功しなかっただけなのだ」



俺も全く同じ見解を持っている。


インディ500にポディウムは無い。

ウイナーズ・サークルだけなのだ。


つまり、インディ500における2位が持つ意味というのは、

「Fastest Loser」


すなわち「最速の敗者」ということだけなのだ。


だからこそ賛否はあれど、あのアタックは至極当然で「勇敢」かつ賞賛に値するどころか、歴史に残る本当に素晴らしいドライビングだったということを断言しておきたい。


俺はあえて「おめでとう。感動をありがとう」と言っておきたい。




















「素晴らしいレースだった」


チーム代表、ボビー・レイホールの言葉である。


第96回インディアナポリス500マイルレースで、レイホール・レターマン・ラニガンの佐藤琢磨はファイナルラップのターン1でトップを狙いクラッシュ、17位に終わることとなったが、チームオーナーのボビー・レイホールは琢磨のレースを称賛した。

kjgpのブログ

今季からインディカー・シリーズにチームとして本格復帰したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、琢磨をエースに据えシリーズを戦い、インディ500前のサンパウロ戦では琢磨が表彰台を獲得するなど、尻上がりに調子を上げていた。


今回のインディ500から2台目としてミッチェル・ジョルダインJrを加えたチームは、琢磨とともにプラクティスから順調にマシンをセットアップ。

200周の決勝でも琢磨は優勝に値するペースで周回を重ね、残り6周のリスタートで3番手にジャンプアップ。スコット・ディクソンをかわし、ファイナルラップでダリオ・フランキッティのインへ。


しかしスピンを喫し、日本人初のインディ500制覇はならなかった。



アメリカの伝説的ドライバーであるチーム代表のボビー・レイホールは、レース後琢磨のレースについてこうコメントした。

「琢磨は素晴らしいレースを展開し、チームクルーは素晴らしい仕事をしただけに残念だよ」

「私が最も喜んでいるのは、最も資金面で恵まれ、経験をもつチーム(チップ・ガナッシ)を相手に、資金面で充実している訳でもなく、まだ発展途上の我々が11で勝負を挑むことができたことなんだ。琢磨はそういう意味でもとんでもない仕事を成し遂げただけに、可哀想だったね」

さらに、1986年のインディ500ウイナーであるレイホールは続ける。
「琢磨を非難する気なんて全くない。チャンスを見つけたら、掴み取りにいくのは当然だ。特に、それがインディ500の残り1周なら当たり前だ」
「琢磨と、チームのみんなが成し遂げた仕事に誇りをもっている。彼らが素晴らしい仕事をしたから、より気の毒だよ」