今週の担当は司法書士の木藤です。

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先日、こちらを読みました。

AERA(アエラ)2012年10月8日号
「相続でもめない親族」



現在の相続でもめるケースの大半は「兄弟姉妹」かと思います。今回の特集では、男、女、兄弟の人数など、どのような組合せのケースがもめるか、または、もめないかの統計を出しております。少々紹介すると、

姉、弟の2人兄弟

こちらが最ももめない組み合わせ。また、3人兄弟の真ん中が女性の場合も話し合いが円滑になり易いそうです。

面白いのは同性同士の兄弟の場合でも、例えば、女性2人の姉妹はもめやすいが、3姉妹になると和を形成しやすくもめにくいなど、傾向に違いがあるようです。

今回の特集は大変面白いですが、こちらはあくまで統計です。ご家族・ご兄弟にはそれぞれの歴史があり、もめる/もめないは、まさにその歴史次第です。

遺産分割協議や遺言書作成支援のお仕事をさせて頂く中で、私が思う事も少々ありますのでご紹介したいと思います。

・子供の頃から仲が良い兄弟は相続が発生しても、仲は良い。元々仲が悪い兄弟は、相続をきっかけに仲が悪かった事を思い出す。

・相続財産が高額だからもめるわけでもない。逆に少額の方が解決方法がなく、困惑を極めやすい。

・配偶者(第三者)の「貰える物は貰っておけば」と言う発言は絶対禁句。軽はずみでも使ってはいけない。

・子供の頃に仲が良かった兄弟でも、それぞれが結婚をし家庭を持つと、守るべき最優先順位が自分の家庭になり、徐々に他人の間柄になる傾向もある。

・親の介護をしていた兄弟としていなかった兄弟、実家で親と同居していた兄弟としていなかった兄弟など、親と接する時間の格差、親から得る情報の格差から兄弟間のコミュニケーションにおいてボタンの掛け違えが生じることがある。



また、相続案件をさせて頂く中で、難しいと思うことがあります。

・方程式が無いこと

・「エコノミック」と「エモーション」が絡み合う事案であること


それから自分が当事者になるとどうしても冷静になれないのが、家族の問題です。ビジネスとは違うところです。万能な薬は無いのですが、やはり日頃からのコミュニケーションが鍵となります。

なお、晩婚化、非婚化、少子高齢化などで今後ますます増えるケースが「代襲相続(例、叔父と甥、叔母と姪)」と「相続人不存在」です。こちらは現代社会が抱える問題とリンクし、もはや事前のコミュニケーションなどでは対応しかねます。なかなか悩ましい事案です。

ご家族の問題は結局のところご家族自らが解決するしかありませんが、我々司法書士も交通整理などのサポート業務のお手伝いを引き続き頑張りたいと思います。