こんにちわ!今週の担当は、行政書士 濱田 英明の担当です。
今回は、またまた認知症のお話です。
認知症高齢者のご家族から『もう、お義母さんに、どの様に接したら良いのか解らない・・』
この様な、ご相談を戴きました。 認知症は、ご本人も当然、苦しんでいますが、周りの家族も大変な不安と負担を感じています。 深刻なお悩みです。
同様の、お悩みをお持ちの方が、このページにたどり着かれた際、一助になればと、若干ですが一後見人の目線を記載いたします。
※私は医師・医療従事者等ではありません。 病気に関する記載は後見職務を行う上での最低限度の当方の理解を記載したものです。 認知症に関する判断は、主治医・専門医に、ご相談ください。
認知症とは、加齢に伴う脳の認知機能が、低下した方を纏めて認知症と呼んでおります。
認知機能の低下原因として ①アルツハイマー型②脳血管性認知症③レビー小体型が知られておりますが、①②が、認知症全体の7割~9割とも言われてます。 原因が違えば、症状も違ってきますので、脳が、ダメージを受けた箇所によって、失われる機能に違いがあります。
例①・・アルツハイマー型の場合
前頭葉から脳萎縮が全体的にはじまり、時間をかけて徐々に進行した場合、古い事は覚えているが、新しい事が覚えにくく、忘れやすい、といった症状が見られる事も少なくありません。
前頭葉の萎縮が、そこで司どる嗅覚や人格に変化を起こし、臭いが解らない、人柄が変わってしまった
「冷蔵庫内が腐敗したものだらけ等」「無関心・無気力」「暴言・暴力「作話・妄想」
例②・・脳血管性認知症の場合
頭頂葉付近の血栓が原因で、(酸素・糖分の不足から)脳組織の壊死
梗塞部位によって、知覚麻痺、失語・言語障害等から日常生活動作に影響がでる事も少なくありません。
「電気のON・OFFが解らない」「お箸の使い方が解らない」「喋る事は出来るが言葉が解らない」
記載は、あくまで【例】です。
さて、前置きが長くなりましたが、認知症の症状は、千差万別。私達も成年後見人として、関わらせて頂く場合など、まさに五里霧中、暗中模索です。 医師・看護師・ケアマネージャー等の専門職の助言を頂きながら、対象者の現存能力を模索します。
「出来る事・できない事・わかる事・わからない事」をオープンクエスチョン・ クローズドクエスチョン 等の手法を用い、日常コミュニケーションに絡め、個別に仕訳・記録していきます。(その間も日々機能低下は、進行しますので仕訳は、何度も繰り返します)
例
「朝ご飯は、召し上がりましたか?」 ⇒Yes・No
「朝ご飯は、ご飯でしたか、パンでしたか?」 ⇒ご飯orパンorその他
「昨日の晩御飯は、何を召しあがったのですか?」 ⇒〇〇等
目的は、現存能力の模索です。出来る事・わかる事は、可能な限り、ご本人の意向を尊重する為です。
認知症の進行度合いの目安として
【比較的軽度と思われる症状】
・同じことを繰り返す
・趣味をやめてしまう
・物盗られ妄想
・入浴・食事・外出拒否
・無意味な契約(保証契約)を行う(断れない)
【進行していると思われる症状】
・幻覚・妄想
・徘徊
・作話
・収集癖(他者の理解できないものを収集)
・仮性作業(無意味な作業⇒トイレットペーパーを巻き取り続ける・箪笥の中身出し積み上げる等)
・死者を生きてると思い込む
【重度と思われる症状】
・異食(食べ物でないものを食べる)
・弄便(便を壁などに塗る・便を弄りまわす等)
認知症状には、中核症状と周辺症状が、あります。周辺症状であれば、原因の模索・排除に取り組みます。 また、認知症と間違われやすい、加齢による健忘・老齢期うつ・統合失調症、にも注意が必要です。
MMS検査や改訂長谷川式認知症スケールの結果や、お薬手帳・血圧手帳も、ご本人を知る為の、重要な情報資料です。
後見人にも色々な方が、いらっしゃるかと思いますが、少なくとも私は、この様な手掛かりで、活動を行っております。
もし、ご家族の認知症行動で、お悩みの方がいらしたら一呼吸置いて、情報の収集⇒仕訳(仮説思考)⇒検証(専門家への相談含む) この様な事も、お試しになってみて下さい。 どう接したら良いのかの、ヒントが見えるかもしれません。 アメリカのソーシャルワーカー、ナオミ・フェイルさんが、開発されたバリデーションセラピーについて書かれた書籍も(恐らく図書館にあります)お勧めいたします。
長くなりましたので、この続きは、機会があれば・・。
今週は、ちょっと相続からお話が離れ認知症ご家族の方を対象にした内容となり、用語等わかりにくい点も多々あったかと思いますが、最後までご覧頂き、ありがとうございます!