こんにちは、弁護士の白木です。

【分割の方法】

「遺産を相続人で分ける」


書けば非常にシンプルですが、実は結構困ることもあります。
亡くなったお父さんは、土地は持ってたけど、お金は100万円の貯金だけ。
相続人はお母さんと子供3人。


土地もお金もお母さん1人に相続させるってことでいいよね、とか、土地はお母さんに、貯金は子供3人で分けると協議がまとまればメデタシメデタシ。
あとは遺産分割の協議書を作成して、土地は登記しましょ。相続税はどうかしら?という次のステージに進めます。


しかし、協議がまとまらないこともあります。特に相続人は子供3人だけ、なんて時は兄弟同士ですが、それぞれに家庭を持っていたりして事情があったりするわけですね。


割にとられる方法は現物分割。この場合、例えば土地は長男に貯金100万円は長女に、とその項目ごとに分けることになります。
が…


【換価分割】

次男「まった、俺にも父さんの財産を引き継ぐ権利があるはずだ!!!」

ふうむ、なるほど。


不動産が仮に分筆しても資産価値を有する大きさ、形状であれば、お父さんの土地を分筆して分けるということもなくはない…でも、そんな例はあまりなさそうですね。
こんな時はどうしたらいいのでしょう?


換価分割。お金に変えてしまってこれを分割するというわけです。
お父さんの土地をそのまま2つに切ってしまったら資産価値を失ってしまうような場合でも、全体を売却した代金を分割すればいいというわけです。


【代償分割】

長男「いや、駄目だ、この土地は先祖代々のもの。そう簡単に売る訳にはいかないよ」

ふうむ、なるほど。それは困りましたね…

こんな時にはもう一つの方法、代償分割。
特定の相続人が多く取得した分に見合った金銭を他の相続人に支払う遺産分割の方法です。

この場合、長男は相続財産を多く取得することになるわけですから、元々の自分の相続分よりも多い分について代償金を支払うということにして、次男(それに、貯金ではたりないということであれば長女も)がこれを受け取る事で解決するということになるわけです。


代償分割については税金どう考えるの?等の問題もありますので、専門家に相談をすることをおすすめします。


納得の行く相続の方法がみつかるといいですね。