こんにちは、今回の担当は行政書士の植松です。
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今回は相続に関連するお金の話です。
さて、相続が発生する=誰かが亡くなった⇒「お葬式」が必要、となりますね。
このお葬式ですが、かなりのお金がかかります。
2010年に日本消費者協会が調査した発表によると、
平均の葬儀費用は1,998,861円だそうです!
さて、相続が発生する=誰かが亡くなった⇒「お葬式」が必要、となりますね。
このお葬式ですが、かなりのお金がかかります。
2010年に日本消費者協会が調査した発表によると、
平均の葬儀費用は1,998,861円だそうです!
この中には、葬儀費用一式、寺院の費用、飲食接待費用などが含まれていますが、
世話役や運転手への心づけ、遺体運送費などの費用などはまた別途発生します。
もちろん、香典による収入は期待できるとしても、この平均は全国で72万円ほどだそうですので、
大部分を自己負担しなくてはなりません。
かなりの額になるので大変ですね!
この費用をどうするか。
大部分を自己負担しなくてはなりません。
かなりの額になるので大変ですね!
この費用をどうするか。
日常生活に使うお金を回すわけにはいきませんから、
被相続人の銀行口座から必要な金額を下ろして、これを充てようかと考えるのが普通だと思います。
しかし、相続が発生したことを銀行が把握すれば、
しかし、相続が発生したことを銀行が把握すれば、
銀行は被相続人名義の預金口座を封鎖して、容易に引き出せません。
この場合の手続きはまた別に機会に解説しますが、引き出せない以上はまず費用の負担が発生します。
この場合の手続きはまた別に機会に解説しますが、引き出せない以上はまず費用の負担が発生します。
では、葬式費用を負担すべきなのが誰なのでしょう?
相続人全員? 喪主? 施主? 同居の遺族?
法定相続人であれば葬式費用も負担すべき?
それとも、被相続人の遺産でまかなうのか、遺族が出し合って負担するのか。。。
これについて、民法等の法律では何も定めていません。
民法上で関連する規定を強いて探すと、
民法上で関連する規定を強いて探すと、
葬式費用は寺院や葬祭業者などは他の債権者に優先して債務者の財産から支払いを受ける先取特権が認められていることくらいであって(309条)、葬式費用を誰が負担すべきか定めた法律の規定はありません。
では、だれが葬式費用を負担するのかというと、
その地域の慣習や亡くなった人との関係で喪主を決めて、話し合いによって負担割合を決めるのが現実です。
具体的には、葬式費用はまず香典で賄い、不足分は相続財産の中から支払っていくことになります。
つまり、葬祭費用は相続債務ではありません。
具体的には、葬式費用はまず香典で賄い、不足分は相続財産の中から支払っていくことになります。
つまり、葬祭費用は相続債務ではありません。
したがって、遺産分割協議などにおいても葬式費用は他の相続人に負担を求めるものではないのです。
過去に、東京地方裁判所で、葬祭費用は実質的な葬式主宰者が負担すべきであり、相続人が当然に負担すべきものではないという判決がありました(昭61.1.28)。
過去に、東京地方裁判所で、葬祭費用は実質的な葬式主宰者が負担すべきであり、相続人が当然に負担すべきものではないという判決がありました(昭61.1.28)。
〈判旨〉
「葬式を行う者が常に相続人であるとして、他の者が相続人を排除して行った葬式についても、
「葬式を行う者が常に相続人であるとして、他の者が相続人を排除して行った葬式についても、
相続人であるという理由のみで、葬式費用は、当然に、相続人が負担すべきであると解することばできない。
こうしてみると、葬式費用は、特段の事情がない限り、葬式を実施した者が負担するのが相当である。
こうしてみると、葬式費用は、特段の事情がない限り、葬式を実施した者が負担するのが相当である。
そして、葬式を実施した者とは、葬式を主宰した者、すなわち、一般的には、喪主を指すというべきであるが、
単に、遺族等の意向を受けて、喪主の席に座っただけの形式的なそれではなく、
自己の責任と計算において、葬式を準備し、手配等して挙行した実質的な葬式主宰者を指すというのが自然であり、
一般の社会観念にも合致するというべきである。
したがって、喪主が形式的なものにすぎない場合は、実質的な葬式主宰者が自己の債務として、
葬式費用を負担するというべきである。
右の理は、相続財産の多寡及び相続財産の承継の有無によって左右されるものではない(一部略)」。
いずれにせよ、巨額な葬式費用をどうするか、
こうしたことで「争族」にならないように、日ごろから意思の疎通が重要だと思います。
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11月に入りました。
日中は気温が高くなり暖かいものの、朝晩は冬が近づいていることを実感します。
体調を崩しやすい時期ですので、十分にご自愛くださいね!
ではまたお会いしましょう。