皆さん、おはようございます!
不動産鑑定士の塚田です。
今週はお盆休みで、ご実家に帰られる方が多いと思います。
私もそうですが、実家に帰ると、親が相続の話をするようになりました。
財産をどう分けるのか、特に実家は誰が継ぐのか、2人で共有するのか(うちは私と弟の2人兄弟なので)、などです。
親からみると、実家やアパート、空き地などの自分の財産をどう相続させるのか。
子供から見ると、このような親の財産をどのように分けるべきか、どのように分けるのが公平か。
相続税はかかりそうなのか。対策しておいたほうがいいのか。
これが、相続の準備を始めようとしたときに一番最初に問題になることだと思います。
このときに問題となるのが不動産の「時価」です。
不動産鑑定士の仕事は、不動産の価格を求めることです。価格の中にはさまざまな価格が有りますが、いわゆる「時価」を求める仕事がほとんどです。
不動産鑑定士が求める「時価」とは、「通常の取引価格」、つまり、実際に売りに出した場合には、通常いくらぐらいで売れるのか、という価格であり、実際に買う場合には、通常いくらぐらいで帰るのか、という価格でもあります。
固定資産税の評価や、相続税の申告で使う、相続税評価額(通称、路線価方式とも言われます)は、土地がいくら、建物がいくら、というように評価がされます。
しかし、実際に売買される場合には、土地建物一体で価格をつけて売り出されますし、買うほうも、土地建物総額を見て、買うかどうかを判断しますよね。売るほうは高く売りたい、買うほうは安く買いたいので、双方が納得する価格で売買されるのが通常です。
このようにして決まる売買価格が、時価のイメージです。
具体的に見てみましょう。
①一戸建の価格
一戸建を手に入れようとする時、土地を買って建物を建てる場合と、建物が建っている状態で購入する場合があります。どちらの場合も土地価格プラス建物価格になります。
ただし、相続する場合には、中古住宅になりますから、建物価格については築年数分価値が下がります。築20年も経つと建物の価値はゼロになるといわれています。
また、店舗付き住宅など、買う人が限られる場合には、更に価値が下がることがあります(これを市場性減価と言います)。
②マンションの価格
自分で住むマンションを手に入れようとする人は、同じような条件のマンションや一戸建てとの比較でマンションを選びます。また、賃貸の家賃と月々のローン返済額を比較してマンションを買うかどうかを決めます。したがって、マンションの価格は、周辺のマンション相場や一戸建て住宅の相場の影響を受けます。土地の価格、建物の価格は、直接には影響しません。
③賃貸アパートや、賃貸マンションの価格
不動産を賃貸して収入を得ようとするときには、利回り(年間の収益÷不動産の取得価格)が何%か、ということが最大の関心事になります。もちろん利回りの高い(家賃が高い、価格が安い)ほうが良いのですが、良い物件は価格が高いので、利回りは低くなります。利回りが低いということは、価格が高くなるということです。
これを、実際にどのようにして求めるのか?
今はインターネットで、売りに出ている物件の価格がわかりますので、それを参考にしてみてもいいでしょう。
また、不動産屋さんや、不動産鑑定士に聞いてみるのも一つの方法です。