みなさまこんにちは。弁護士の白木麗弥です。
夏休みのご予定はもうお決まりになりましたか?私の事務所は夏休みを設けるかどうか今頃考えています。
まだまだ未熟者です。
さて、渉外相続シリーズ第2弾を今回はお送りします。
前回は渉外相続ってなんだろう?というところからお伝えしました。
今回はその続きということになります。
亡くなった相手が外国人の場合
前回のおさらいにもなりますが、
(相続)
第三十六条
相続は、被相続人の本国法による。
ということで、亡くなった方が外国籍の方の場合、その国籍の法律が適用されます。
そこで、その国では外国でその国籍の人が亡くなったとき、その相続にはどこの国の法律が適用されるかなということをチェックします。仮にその場合、最後にいた場所の国の法律ということであれば、前回お話した反致になってしまいますので、日本の法律が適用されます。
さて、そこで日本と同じように亡くなった方の国の法律にしたがうとなった場合、その国での法定相続人は誰か、法定相続分はどのような配分かということを確認することになります。
ただ、この法定相続人を決定するにあたり、子供として認められる要件、配偶者の前提となっている婚姻の要件がきちんと整っているか等は一応確認しなくてはなりません(そう、時折、思わぬ落とし穴があったりします。。。。。)この時には親子に関する規定がどうなっているかとか夫婦に関する規定がどうなっているかをまた逐一それぞれの法律を調べます。ちなみに、
(嫡出である子の親子関係の成立)
第二十八条 夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする。
2 夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす。
(嫡出でない子の親子関係の成立)
第二十九条 嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係については子の出生の当時における父の本国法により、母との間の親子関係についてはその当時における母の本国法による。この場合において、子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によればその子又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
2 子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者又は子の本国法による。この場合において、認知する者の本国法によるときは、同項後段の規定を準用する。
3 父が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における父の本国法を第一項の父の本国法とみなす。前項に規定する者が認知前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者の本国法とみなす。
以上の通り、お父さんが亡くなるタイミングはかなり影響しますねえ。
さて、仮にこの被相続人の方が日本に不動産を持っていたら、その不動産の登記等の手続きは日本の法律に従うことになります。これは前回と同じ、13条1項に基づくものです。
ええ、本当にややこしいですね。一つ一つ細かくそれぞれの国ではどうなっているかを確認しなければならないのが渉外相続がややこしくなる所以であります。
こぼれ話
今でこそ、ウェブサイトで外国の法律を調べることもできるようになりましたが、ついこの間まで外国の法律を調べることはとても難しかったのです。
未だに、タイ語やネパール語の文字がずらっと並ぶ法文を眺めるとしばしどうして良いか途方にくれもしますね。一方、中国、韓国など比較的日本に住んでいる方が多い国の法律は日本語でも文献が出ていますので、そのような事案が出てきたときには参考にしています。
次回は遺言の話をしようと思います!
夏休みのご予定はもうお決まりになりましたか?私の事務所は夏休みを設けるかどうか今頃考えています。
まだまだ未熟者です。
さて、渉外相続シリーズ第2弾を今回はお送りします。
前回は渉外相続ってなんだろう?というところからお伝えしました。
今回はその続きということになります。
亡くなった相手が外国人の場合
前回のおさらいにもなりますが、
(相続)
第三十六条
相続は、被相続人の本国法による。
ということで、亡くなった方が外国籍の方の場合、その国籍の法律が適用されます。
そこで、その国では外国でその国籍の人が亡くなったとき、その相続にはどこの国の法律が適用されるかなということをチェックします。仮にその場合、最後にいた場所の国の法律ということであれば、前回お話した反致になってしまいますので、日本の法律が適用されます。
さて、そこで日本と同じように亡くなった方の国の法律にしたがうとなった場合、その国での法定相続人は誰か、法定相続分はどのような配分かということを確認することになります。
ただ、この法定相続人を決定するにあたり、子供として認められる要件、配偶者の前提となっている婚姻の要件がきちんと整っているか等は一応確認しなくてはなりません(そう、時折、思わぬ落とし穴があったりします。。。。。)この時には親子に関する規定がどうなっているかとか夫婦に関する規定がどうなっているかをまた逐一それぞれの法律を調べます。ちなみに、
(嫡出である子の親子関係の成立)
第二十八条 夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする。
2 夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす。
(嫡出でない子の親子関係の成立)
第二十九条 嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係については子の出生の当時における父の本国法により、母との間の親子関係についてはその当時における母の本国法による。この場合において、子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によればその子又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
2 子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者又は子の本国法による。この場合において、認知する者の本国法によるときは、同項後段の規定を準用する。
3 父が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における父の本国法を第一項の父の本国法とみなす。前項に規定する者が認知前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者の本国法とみなす。
以上の通り、お父さんが亡くなるタイミングはかなり影響しますねえ。
さて、仮にこの被相続人の方が日本に不動産を持っていたら、その不動産の登記等の手続きは日本の法律に従うことになります。これは前回と同じ、13条1項に基づくものです。
ええ、本当にややこしいですね。一つ一つ細かくそれぞれの国ではどうなっているかを確認しなければならないのが渉外相続がややこしくなる所以であります。
こぼれ話
今でこそ、ウェブサイトで外国の法律を調べることもできるようになりましたが、ついこの間まで外国の法律を調べることはとても難しかったのです。
未だに、タイ語やネパール語の文字がずらっと並ぶ法文を眺めるとしばしどうして良いか途方にくれもしますね。一方、中国、韓国など比較的日本に住んでいる方が多い国の法律は日本語でも文献が出ていますので、そのような事案が出てきたときには参考にしています。
次回は遺言の話をしようと思います!