おはようございます。

今週の担当は、不動産鑑定士の塚田です。



東日本大震災で被災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。

一日も早い復旧と復興を心からお祈りいたします。



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3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震では、東京近郊では大きな人的被害は無かったのですが(それでも亡くなられた方、怪我をされた方はいらっしゃいました)、東京湾岸の埋立地を中心に液状化現象が見られ、建物が傾いたり、水道管や下水道管が破損するなど大きな被害がありました。



これからは、不動産を選ぶときの基準が、従来の、利便性・快適性・収益性重視から、より安全性が重視されるようになるものと思われます。

今後、自分が所有している土地、これから買おうとしている土地の地盤の良し悪しが資産価値に影響するようになると思われます。



どんなに頑丈な建物を建てても、地盤が弱ければ、地震があったときに建物が傾いて危険なばかりか、せっかく買ったマイホームの資産価値が大きく下がってしまいます。修繕するためにも大きな費用がかかってしまいます。




さて、地盤の強弱は、地盤調査の会社に依頼して調べてもらうことが出来ます。

戸建住宅程度の大きさの場合、地盤調査は5万円程度で出来るようです(土地の規模や地域によって異なりますが)。

もし、地盤が硬い、頑丈と診断された場合には一安心です。


もし、地盤が弱いと診断された場合には、地盤改良(土にコンクリートのようなものを混ぜて硬くする)や、地下深いところの硬い地盤まで杭を打つ方法によって、安心して建物を建てることが出来ます。

どの方法を取るかは、軟弱地盤がどの深さまで続いているかにより異なります。費用は、一戸建ての土地の広さでも数十万円~数百万円かかります。




なお、マンションの場合は地盤調査がされ、地盤が弱い場所のマンションには地中深くまで杭が打たれていますので一戸建てと比べると安心できます。


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地盤の強弱は地盤調査をしてもらうのが正確ですが、買いたいと思った土地を全て地盤調査をしたのでは費用がかかってしまいます。

費用をかけずに、大体どうなのか、を調べる方法はあります。

「ここの地域は昔大名屋敷があったから地盤が硬い」とか、「ここの地域は昔畑だったから地盤が弱い」などと言われる事があるように、地盤の強弱には地域性がありますよね。

官公庁のHPを使えば、ある程度こうした地域性が推測できます。



内閣府HP 「表層地盤のゆれやすさ全国マップ」

http://www.bousai.go.jp/oshirase/h17/yureyasusa/


これを見ると、平野部は揺れやすく、山地は揺れにくいことがわかります。また、東日本のほうが揺れやすい場所が多いなど、地域性があることがわかります。



国土交通省 「KuniJiban(クニジバン)」

http://www.kunijiban.pwri.go.jp/jp/agree.html


国土交通省で過去に行われた地質・地盤調査をデータベース化したもの

HPが重いのと、見て理解するには専門的な知識が必要です



東京都土木技術支援・人材育成センター 「東京の地盤(Web版)」

http://doboku.metro.tokyo.jp/start/03-jyouhou/geo-web/00-index.html


実際に行われた地質・地盤調査のデータベース

こちらも、見て理解するには専門的な知識が必要です



株式会社ジオテック 「都道府県別 地形・地盤解説」

http://www.jiban.co.jp/jibankaisetu/todohuken/kenbetsu_jiban.htm


地盤調査・地質調査の会社のHP

地形・地盤についてわかりやすく解説されています。首都圏は市町村別に解説があります。



このほか、それぞれの地元の図書館などで、地盤の解説書などもあります。

なお、こうした地盤のデータによって、地盤が硬いと思われる地域でも、場所によっては地盤の弱い場所もありますので、やはり、専門家に調べてもらうのが正確です。



地震災害のほか、洪水や、土砂災害も気になると思います。

これらの危険のある地域については、国土交通省のハザードマップが便利です。

http://disapotal.gsi.go.jp/