ライフスキルを高める行動は、「感情を記録する」という日課から始まる。
 

 

子どものころ、途中でやめた日記帳は何冊あっただろうか?

もうどこに仕舞い込んだかも分からない。

 

それでも「感情の記録」だけは、100円ノートで細々と続いている。

まあ、元々日記はその日の出来事とそのときの感情で出来ているから、これが日記のようなものだ。

 

 

日記の効用は、書いてそのときの感情を吐き出すこと。

嫌な感情はその日の夜に全部吐き出したい。

 

それでも書きたくないときもある。「ああ、めんどうくさい」と。

 

でも、「めんどくさい、めんどくさい」といって何もしないと、どんどんつまらなくなる。

大切なことはだいたい面倒くさい。それが分かっているから何とか続けてきた。

 

 

「感情の記録」ノートを読み返してみると、1週間前にこんな記録があった。

 

「他人の素振りや行動が気になって仕方ない」

 

ページを捲れば、同じような感情を何回も書いていた。

同じ感情が繰り返すということは、なにかクセのようなものがあるかもしれない。

 

どうやら私にはこんな「心のくせ」があるようだ。

 

・無意識に他人の嫌な部分を探している

・否定的な思いに焦点を合わしている

・物事に囚われている

 

こんな「心のくせ」が何度も同じ感情を生んでいた。

 

嫌でも、カッコ悪くても自分の心のくせを書き出してみる。
どうせ、誰にも見せることのない日記だから。

 

私はこれを「心の見える化」と呼んでいる。

 

「心のくせ」に気づいても、それを直そうとは思わない。

「直す」とは過去の自分を否定することだ。

この歳になって自分を否定し始めたら、辛くてもうこの先に進めない。

 

だから、「変える」「修正する」という否定の言葉を使わず、新しい行動を加えると自分を奮い立たせる。「新しい自分、新しい行動を始める」と言い聞かせている。

だから、新しい行動は、「〇〇しない」とは書かない。

 

「その人の良いところを探す」

 

これが私が起こした新しい行動だ。

 

さらに一歩進めて、「その人の成功を願う」ことにした。

 

「他人の良いところを認めて、さらに一歩進めて他人の成功を願う」

 

これが明日からの行動目標になった。

 

 

それでもまた、「他人の素振りや行動が気になって仕方ない」を繰り返す。

そんなときは、「ああ、またやってしまった」と気楽に流す。自分を責めない。

 

そして徐々に変わっていく。

気づいたら、他人の行動を気にしていない。

それも無意識に、朝歯を磨くように習慣化されていた。

 

 

これを続けて分かったことがある。

 

「楽しくなったのは自分だ」

 

正しく生きるとか崇高な目的はない。ただ自分が楽しく暮らしたいためだった。

でもそれでいいと思っている。

だって人生は楽しんだモノ勝ちだ。

 

 

 

「新しい自分」を始めてください。そのために生きる技術(スキル)として、「自分の心に対処するライフスキル」を高めてください。 この冊子は、そんなライフスキルについて考えるものです。