最近グリーフの話題からちょっと離れていたので、今回はグリーフのことを。
“今の視点”から、死別からの2年間を少しふり返りたいと思います。
苦しみの真っ只中にいると、「いつになったら抜け出せるのか」と、不安や焦りを感じます。
人によって状況は様々なので一概には言えませんが、「いつまでも苦しいままじゃない」ということだけでも知っていただければ
死別からしばらくすると、家族や周囲の人達との“温度差”を感じるようになりますが、それが一番の苦しみの原因のように思います。
温度差を感じるから、悲しみや苦しさを吐き出しづらくなるし、無理矢理、周囲の温度に合わせて“大丈夫なフリ”をしようとしてしまう。
「誰とも分かり合えない」という孤独感。
幸い私には、傾聴トレーニングや教育分析など、“話せる場所”がありました。
一緒に学んだ友人や講師といった、“何を話しても、否定せずに話を聞いてくれる人達”の存在は、本当に有難かったし、心強かったです。
そして、「周りの人に受け入れてもらえなかったら…」という不安はありましたが、“亡くなった人とつながるセッション”を受けてみたり、遺骨ジュエリーを作ったり、思い切って父とのインスタを始めたのは正解でした。
今思うと、姿は見えなくても「いつでも側にいてくれる」という安心感だけでなく、“自分のため”に行動したことで自己信頼感が高まり、自分自身に対しても安心を感じられるようになったのだと思います。
しかし2年経っても、やはり命日が近づいてくると、当時の記憶がフラッシュバックしたり、会いたい気持ちが溢れてしんどくなりました。
そんな時、以前なら1人で抱え込んでいたと思うのですが、今回は友人に助けを求め、話を聞いてもらうことができました。
これは、インナーチャイルドと向き合い、「人に頼ってはいけない」という思い込みが外れたからできるようになったこと。
セッションで、父から「助けてあげるから、もっと頼りなさい」と言われても、姿の見えなくなった父にさえ、なかなか「助けて!」とは言えませんでしたから。
そして、父がいることでバランスが保たれていた家族との関係。
死別直後は、母や兄に対してずいぶん憤りを感じましたが、これもその度にインナーチャイルドと向き合うことで、徐々に私の中で捉え方が変化し、今はかなり安定しています。
否定的になったり、攻撃的になっていたのは、“トラウマ反応”のせいでもありました。
カウンセラーになる為に、心理を学んだり、自分自身と向き合い続けてきましたが、結果として自身のグリーフケアにもつながっていたんですね。
それでもやはり、まだまだ感情的になることもあります(笑)
でも、感情的になることも、ネガティブになることも、決して“ダメなこと”ではありません。
そこに“向き合うべき課題”があると、教えてくれているだけなんです。
“自分の内面で何が起きているのか”を理解することで、何かに頼らなくても、“自分の力”で自分自身をネガティブな感情から救いだせるようになっていきます。
グリーフを経験すると、後悔、絶望、葛藤、思慕など、様々な感情が溢れてきます。
「早く前向きにならなくては」という焦りも感じます。
どの感情も強烈で、感情に振り回されて疲弊してしまいますよね…
とても苦しいですが、そのひとつひとつと向き合って感情を整理することで折り合いがつきやすくなり、回復も早まるのではないかと感じています。
次回に続きます
