ごきげんようジャパン。
きぜんです。
久しぶりの更新となってしまいました。
というのも、今週の頭から中ごろまで、京都旅行に行っていたからです。
今回は嵯峨野・嵐山エリアをぶらついてきたのですが、本当に風情がある場所でした。
行く前には「連休でも何でもない平日に行く訳だし、きっと空いてるだろう」
と高を括っていたのですが、実際には外国人観光客や修学旅行生がわんさかわんさか。
外国人:修学旅行生:一般人が6:3:1ぐらいの比率でいるような感じでした。
私はだいたい年に1.2回程度の頻度で京都を訪れるのですが、訪れる度に外国人観光客の数が増えているような気がします。
お寺だったり和食だったり舞妓さんだったりと、日本に訪れるお目当ては人それぞれ異なるでしょうが、どんなきっかけであれ日本に興味を持ってわざわざ遠路はるばる来て下さる訳ですから、有難い話だなと個人的には思います。
国内に住む皆さんもこの先旅行の行き先に悩む機会があったら是非京都に行ってみてください。
日本全国色々なところを訪れましたが、京都には他の場所にはない独特の趣があります。
きっと満足出来るはずです。
さて、京都のダイレクトマーケティングはここらへんまでにして、ここからが本題。
今回の記事では本の紹介を行いたいと思います。
今回紹介する本はこちら!
『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』
上阪徹著
2014/6/29初版
皆さんは成城石井をご存知でしょうか。
結構色んな場所に店舗を構えているので、知っている方も多いと思います。
私自身、家の近くに成城石井があるので週に2~3回ぐらいの頻度で訪れています。
成城石井を一度訪れると分かるのですが、品揃えからして他のスーパーとは一線を画しています。
オリーブオイルだけで数十種類おいてあったり、世界各地の塩がズラッと並んだ棚があったり。そして値段も普通のスーパーと比べると高い。
そういった特徴があるので、私はこの本を読む前までは
「成城石井は珍しくて高いものをとにかく数多く並べていることで競合優位性を保っているスーパー」
と認識していたのですが、この本を読んだことによってその認識は大きく変わりました。
新聞やテレビをなんとなく見ていると、
「長らく市民に愛された老舗百貨店、○○年の歴史に幕」
だったり、
「度重なる自然災害による生鮮食料品調達の難航に喘ぐスーパー」
など、小売店の苦戦を伝えるようなニュースばかりが目につきます。
(長きに亘って不況が続いていますから、仕方ないと言えば仕方ないことなのですが)
しかし、成城石井はこの不況下で、店舗数を増やし続けています。
こちらのグラフをご覧下さい。

(成城石井公式サイト内会社情報のページより)
なんと、この10年間右肩上がり!
驚くべきことに、年間で10店舗ほどのペースで新規出店を続けています。
また、震災が発生して消費が全国的に冷え込んだと言われる2011年でさえその店舗数は上昇しています。
ただただ凄い。
まだ20代の私なんかは、生まれてから現在に至るまで、不景気・不況と耳にし続けています。
景気が良くなったというニュースなんぞ、滅多に耳にしません。
しかし、成城石井はこのしみったれた長い不景気をものともせず、お客様に支持され続けて
いるのです。
何故ここまで成城石井は成功する事が出来たのか
私は本書を読むことで、成城石井の成功の裏には
「徹底した社員教育が行える仕組みづくり」
「扱うアイテムに対する途方もないこだわり」
「時代の流れに簡単に迎合しない経営姿勢」
「経営者から現場まで、骨の髄まで染みついた顧客志向」
の四つの要因があるのではないかと推測しました。
この本の執筆された時点で成城石井は東京を中心に112もの多店舗展開を行っていたのですが、その展開の仕方は、競合になりうるスーパーやコンビニエンスストアとは一線を画したものでした。
どういう事なのかといいますと、成城石井は経営などでしばしば重要視される「効率」を全く重要視していないのです。
通常、スーパーなどの量販店は効率性を重視するので、画一な店舗設計や品ぞろえを行い、量の経済性(スケールメリット)を働かせて利益を底上げするのが一般的です。
しかし、成城石井はそうではないんです。なんと、店ごとに品ぞろえが違う。
何故そうなるのかといいますと、成城石井で購入することが出来る野菜などの生鮮品の数多くは問屋を通さないで調達されているからです。
普通のスーパーが行うように、問屋を通すことで、ある程度の品質の
「生産者の顔がよく見えない」生鮮品
を大量に確保することは簡単でしょう。
しかし、成城石井はそれをしないんですね。
生産者の元まで直接バイヤーが出向き、商品の買い付けを行う。
成城石井のバイヤーは生産者が語るこだわりを直接対面して聞き、理解し、品物に「ストーリー性」を吹き込んでいるのです。
いわば
「生産者の顔がよく見える」生鮮品
しか成城石井は取り扱わないんですね。
当然、成城石井のこういった行為はとてもじゃないが効率的とは言えないものです。
商品を調達するバイヤーに対して結構な労力がかかります。
その上、問屋を通さないので安定した供給ができないこともままあるといいます。
しかし、そういった場合は買い取れる量だけ買い取っていくつかの店舗でのみ提供するのです。
効率性を追い求めたほうが、もっと簡単にあらゆる業務を行うことが出来るのは明らか。
しかし、成城石井はそれを決してしないのです。
成城石井の社長である原昭彦氏曰く、効率性を重視することは
「店側の勝手な都合」
であるといいます。
店側の勝手な都合よりも、
「とにかくお客様に良いものをお届けする」
という創業当時からの想いが重視されているのです。
「とにかくお客様のために。」
これを口にしない小売店はおそらく存在しないでしょう。
しかし、実際にそれを実行レベルまで移すことが出来ている多店舗展開型の小売店というのは、成城石井をおいてほかにはあまり類を見ないと私は考えます。
お客様に満足して買い物をして貰うための徹底した社員教育やこだわりぬいた商品群。
全ての矢印が結局のところ「お客様」に向かっているのです。
口だけではない、骨の髄までしみこんだ顧客志向が成城石井にはあり、それこそがこの不況下でも成城石井が支持され続ける最大の要因なのだと私は本書を読んで気付かされました。
もし、このこだわりを捨てて時代の流れに迎合した低価格、低品質を旨とする経営方針を採っていたとしたら、今の成城石井は存在しえないと私は考えています。
どうです?
なんとなく成城石井が成功した理由が分かったんじゃありませんか?
キーワードは「顧客志向」です。
正直な話、いつだってそうなんです。
景気が悪かろうが、景気が良かろうが、それに左右されずとにかく来て下さるお客様のことを考えなくてはいけない。それが小売店の基本です。
しかし、それは基本的なことではあるものの、簡単なことではありません。
こっちも商売なのですから、気を抜けば「自分たちの楽な方」に傾いてしまいかねません。
抱き合わせでものを売ったり、とにかく利益を出すために原産地をちょろまかしたりとか。
でも成城石井はそんなことを絶対にしなかった。
とにかくお客様の事を真摯に考え、行動し続けた。
もしかすると、成城石井が成功した理由はそこまで複雑な話ではないのかもしれません。
ただただ、「小売店の基本」を徹底したから。
それだけなのかもしれません。
ただ、もう分かっていると思いますが
複雑ではない=簡単である
ではありませんから気を付けて下さいね。
基本の徹底って実は難しいもんですから。
それでは。

