物語文を論理的な読解力で読み解くとは?年末に実家から持ち帰ってきた高校一年生時代(16歳)の、自分の国語現代文 定期試験対策用ノートから抜粋。



題材は、教科書に載っていた
芥川龍之介の『羅生門』

今見返してみても、主人公「下人」の心情変化をつぶさに、チャート化しながら追っていて、テクストと比べたときの対応関係(言いかえ)が分かるように工夫されています。校内定期考査にすぎないのに、ここまでの力の入れよう…。たぶんKizaxが学年中でいちばん「現代文」の校内定期テスト対策(当然、題材文は教科書で勉強したものと同一)に時間と労力を投下していたはず。

よく、「国語の勉強の仕方がわからない」とか、
「そもそも勉強して伸びる科目なのか」という声を聞きますが、わたくし断言できます。

小学生であれ、中高生であれ、良質なテクスト(※注 教科書という意味ではない。解析対象の題材文) に基づいて、丁寧に、詳細に、心情変化を捉えようと努力を積み重ねていけば、必ず読解力は上がります。

「それがどこから読み取れるのか?」という対応関係を把握する努力(ふくしま式でいうところの「たどる力」) がすべての前提。すでに何度も読んで親しんだ教科書のテクストですから、「テストの点をあげる」ためには、きっと「こう読み取れる理由を説明せよ(因果関係)」、「この部分で示されている心情を分かりやすく説明せよ(言いかえ)」、「このときの心情について、— と比べてその変化を説明せよ(対比)」が問われそうだな、とだいたいの見当がつきます。その自分なりの「予想問題」に対して、あらかじめ「解答文(キーフレーズだけでOk)」をつくっておく。それをノートにまとめておく。こうして臨むから、校内定期テスト対策といえば、「自分なりの解答に磨きをかける」ことと、「語彙を使いこなせるようにする」ことが中心になります。

こうした合目的的な解析の訓練を積んでいくと、たとえ初見の文章であっても、「テスト時間内に終えられる」よう解析作業がだんだんと精緻化・高速化していくのです。

技法・テクニックとして意識すべき大切なことは、テクストにでてくる語彙や表現、言い回しのひとつひとつを仔細にみていく「虫の目」と、テクスト全体を見渡して、変化のながれや変節点を見極める俯瞰的な「鳥の目」の往復作業。

説明文であれ、物語文であれ、筆者作家が選びに選んで使っている語彙がわからなければ、虫の目で行き詰まり、鳥の目に切り替えようとする意欲を挫かれてしまう子が多いのではないかと推察します。だからまずは、語彙力がいちばん大切。本文中にはでてこない、別の語彙を駆使して考えをまとめる作文力(論述問題の答案作成力)にも通じていきます。

小説・物語文の読み解き方を小3のわが子にレクチャーするのはさすがに早すぎですが、いまからもう一度「現役のとき」の感覚を呼び覚まして来たるべき時を待ちます。

【まとめ】

1 国語の問題でよく問われるのは、①「理由を説明せよ」②「分かりやすく説明せよ」③「対比させて述べよ」。(②の言いかえには、語彙力が不可欠)

2 これらの問いに答えるためのテクスト解析には、「虫の目」と「鳥の目」の往復作業が大切。

3 視点の切り替えをつまずかせるのは、往々にして語彙力の欠如。似た意味の言葉、関連する語句までまとめて習得して、自分で使いこなせるようにしよう。(自分の言葉で表現できるように)

4 中高生は、校内定期テスト対策で自分なりの予想問題と解答に使いたいキーフレーズ集をつくり、それに磨きをかけるトレーニングを積もう。

以上3分間レッスンでした。お粗末さまです。でも、ちょっと小中高「公立ひとすじ」っぽさが出せましたニヤリ