ヘルシンキからハメーンリンナへ。 | きよっさんのAC/DC海外遠征記Z

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世界最強のロックバンド我らがAC/DCのライブを主に海外各地へ観に行った際の旅行記その他です。

早いもので明日の深夜にカナダに向けて出発せねばなりません。それまでにこの北欧遠征の記事を全部書き終わるのやら。。。。頑張ります。



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7月22日

つづき


ハメーンリンナへの移動手段が確定せず不安を感じてはいましたが、よく考えれば別に移動手段が全くないわけではないのです。すでに出発したスイス人のレンタカーという手段は当然選択肢からは外れますが、残りのバスと鉄道という手段は不可能が確定したわけではありません。翌朝4:30発の始発列車までハメーンリンナ市内で待つ気力さえあれば鉄道でもいいわけですし、バスだってまだ単に乗車券の購入方法がわからないだけであって別に売り切れ等で乗車券そのものの購入が不可能というわけではありません。

ではバスと鉄道どちらが良いか、これは値段的にも時間的にもバスに軍配があがります。(正確な値段は忘れてしまいましたが)鉄道はバスの倍以上値段がかかりますし、帰りの時間は何度も書いているように鉄道だと翌朝4:30まで待たねばならないのに対して臨時バスは定員になり次第随時発車し続けるようですからね。

よってまずはバスで行くことを最優先に考えることにしました。それでダメならその時は鉄道を考えるしかありませんがまずはバスに挑戦するのです。ということでハメーンリンナ行き臨時バスの詳細情報を掴もうと再度バスターミナルへ向かいました。

バスターミナルの中に入りさっき同様あれやこれやと練り歩きましたが特に新たな発見はありません。またしても何の進展もないのかと思っていたところ、しばらくすると目の前に身長190cmほどはあろうかという長身のセキュリティ・スタッフらしき人が立っていたので彼に聞いてみることに。


「すみません。今夜のハメーンリンナのAC/DCのライブ会場までの臨時バスの乗車券はどこで買えるかわかりますか?」

「ええ、乗車券ならあっち行ってこっち行ってこれこれのところで買えますよ。」

「本当ですか。行ってみます。ありがとうございます。」


おお、なんと彼はスラスラと即答してくれたではないですか。しかも笑顔いっぱいに対応してくれてとても感じの良い好青年です。早速彼の言う通りの乗車券売り場を目指しました。

がしかし、彼が教えてくれたのはさっき一度来て「臨時バスの乗車券はここでは売っていない。」と言われたあの乗車券売り場でした。ここじゃないんだなあ。。。がっくりと肩を落として来た道を戻るとまだそこに彼はいました。


「どうでしたか?? 乗車券は買えましたか??」

「いえ、そこはさっき一度行って、そこでは臨時バスの乗車券は売ってないって言われた場所なんですよ。バス会社の乗車券販売サイトも全く作動しなくてネットからも購入できなくて困っているんです。」

「え??臨時バス?」

「そうですよ。AC/DCのライブ会場までの。ハメーンリンナのね。」

「おお、それは失礼。臨時バスでしたか。わかりました。もう一度その売り場に行ってみましょう。今度は僕が代わりに聞いてみます。」

「本当ですか。おねがいします。」


こちらの説明がダメだったのか、なんと彼は「臨時バス」ではなくただの路線バスの乗車券だと思っていたようです。で一緒にさっきの売り場に行って聞いてくれるとのこと。なんて親切なんでしょうか。そして売り場に着くと彼はわざわざ列に並んで順番待ちまでしてくれそして売り場スタッフとあれこれ会話し始めました。数分後彼は僕のところに来てこう言いました。


「臨時バス乗車券のインターネットでの販売はもう締め切られているそうです。だけど乗り場まで行けば運転手から直接購入できるようですよ。もちろんすでに満席の場合は無理ですけど定員に余裕があれば多分大丈夫でしょう。臨時バスは◯番乗り場から出発するそうですからそこに行ってみてください。」

「おお、そうですか。ありがとう、本当にありがとうございます。」

「いえいえ。もう大丈夫ですか? では僕はこれで。」

「大丈夫です。本当にありがとう!!」(君は神だ。。。)


それから一度ホテルに戻ってライブに向けた持ち物を準備して再びバスターミナルへ。あの親切なお兄ちゃんの言う通りの場所へ行くと間違いなくそこにはAC/DC野郎どもが何人も列をなしてバスを待っていました。そばで待機していたスタッフに聞くとやはり乗車券は運転手から直接購入できるとのこと。そしてとりあえず乗車券購入済みの乗客を先に通すから少し横で待っていてくれとの指示が。

やがてバスが到着し皆が乗車してから一番最後に僕も乗車し無事に運転手から乗車券を購入。一時はどうなるかと思いましたがなんとかこれでハメーンリンナまで向かうことができそうです。いやあ、よかったよかった。全てあのノッポのお兄ちゃんのおかげです。キートス!!


 


バスの車窓からバスターミナルを。



やがてハメーンリンナ行きバスは無事に発車しました。およそ1時間ちょっとで到着予定とのこと。ヘルシンキ市内の幾つかのバス停に停まった後は高速道路に入るとバスはほぼ一直線に北へ向かいます。しかしここで一つ疑問が。。。通路を挟んで僕の横に座ったのはその市内の途中のバス停から乗ってきたお婆ちゃん、誰がどう見てもAC/DCのライブに向かうようには見えません。何なんだろうか??謎だ。

そんなことより天気が非常に不安定で、晴れ→曇り→雨→曇り→晴れ・・・と目まぐるしく空模様が変化します。ライブ会場到着後の天気がどうなるのか心配でしたが、困ったことにハメーンリンナに近づくにつれて次第に雨が本降りになってきました。


 


青空が見えると思っていたら。。。



 

 

 


徐々に空が暗くなっていき。。。



 

 

 


雨が降ってきました。



そういえばハメーンリンナ到着前に一度別のバス停に停まった時に隣のお婆ちゃんは降りて行かれました。やはりAC/DCのライブに行くわけではなかったようです。当たり前といえばそうなのですが、だったらこのバスってAC/DCのライブ用「臨時バス」なんだろうか?? なんかただの通常の長距離路線バスがこの日に限り増便されただけのような気が。。。そういえば乗車直後のアナウンスも「◯◯到着何時何分、ハメーンリンナ到着何時何分、××到着何時何分・・・」とハメーンリンナが終点ではなくその先も行くような感じでしたし。

それはともかく、やがてバスは高速道路を降りしばらくするとハメーンリンナ市街に入りました。ほどなくしてバスターミナルに到着。困ったことに雨が降り続いていました。それにそこからライブ会場までの道もよくわかりません。


 


ハメーンリンナのバスターミナル。


しかしながら雨宿りをしながらしばらく今後の行動について考えていたところ幸い雨が弱くなり最終的にはほぼ止んでくれました。またいつ降り始めてもおかしくない空模様とはいえこのままずっとバスターミナルに居るわけもにもいきません。とにかくさっさとライブ会場まで行ってみよう、そう思い出発することにしました。

すると何人かの現地の小学生くらいのボランティアの子供達がライブ会場へ向かう人々やバスから降りてくる乗客に何かビラのようなものを配布していて僕もそれを受け取りました。するとそれは、


 

 




なんと会場までの簡単な地図でした。さりげない心遣いですが何か嬉しくなりましたね。今までの心のモヤモヤが晴れていくかのようでした。このまま空も晴れてくれたらなあと思いつつこの地図を片手に会場へと歩き出す僕でありました。



つづく