婦人靴のトレンド考 | *(aster)-sphere Laboratory

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*-sphere Lab.は、理系女子の生活に面白さを掛け算(*)したくて設立しました。
所長猫の朔さんと書斎室長のお隈ちゃん、研究員の清霜によって、
読書、鉱物、ハンクラ、世渡りにおける成功と失敗ネタを中心にお届けしています。


  もう2月ですね。冬季オリンピックも始まっちゃって。

  冬季五輪ですが、開催国が開催国だけに、モヤる判定・展開が多かったソルトレークみたいな感じになるんじゃないか、と開会式でチラと思いましたが、ややその通りになりつつありますね。

  それでもアルペンとかエアリアルとか、日本人選手の少ない競技を「わー、すごーい。」と眺めるのは好きです。(知っている選手がいると感情移入して疲れてしまうので見ない。)


  さて、今回は道行く人の観察結果の話。


■ 愛用オックスフォード
  過去に記事に書くぐらいだから、なんだかんだ私は靴(パンプス)が好きなのでしょう。とはいえ一般人かつ喪女だから、芸能人みたいに大きな下駄箱に沢山コレクションすることはなく、気に入った数足をがっつり履きつぶすのが常です。

  そんな私もこの2年は新しく靴を買うことはありませんでした。かつては1日1万歩歩く日も珍しくなかったから年2~3足は買い替えねばなりませんでしたが、新型コロナのおかげでめっきり外出が減って、靴が痛まなくなってきたので。靴屋さんも新型コロナの影響は大きかったと思います。
  
  さて、もう10年にはなるでしょうか、私は秋冬にはオックスフォードシューズを切らさず履いています。


  あのね女性のみんな、オックスフォードは良いよ。ちゃんとして見えるのはもちろん、足の甲まわりのサイズは紐で調整できるし、足全体がしっかりホールドされるからヒールが高くても安定して歩けます。唯一不便なところといえば、履くときに靴ベラが必須、というぐらいでしょうか。

 

  ちなみに、紳士靴と同型のため、思わぬサイズ比較ができて面白いです。昔、会社帰りに座敷のある居酒屋に飲みに行ったとき、帰り際に身長190cmの同僚男性の靴とたまたま横並びに置かれたことがあるのですが、女性としては標準サイズの私の靴が纏足(てんそく)に見えて、大盛り上がりしたことがありました。

  最も気に入っているオックスフォードは、コロナ禍が始まる3年ぐらい前に買ったものです(写真)。これは感動するほど私の足にシンデレラフィットだったのと、5cmヒールとちょうど良い高さ、かつ真っ黒じゃないことで着回しもしやすかったので。

 

 

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  とはいえガンガン履いて歩いて4~5年。手入れはしているものの爪先や甲の皺などすっかり痛んでしまって、内生地もボロボロ(臭くはないよ!)。先週の出勤で履いたら、ついに片方の踵のソールが脱落し、さすがに諦めがつきました。今も大好きな一足だけど、捨てます。

  ありがとう、さようなら。


■ 電車で見る婦人靴のトレンド
  最初の緊急事態宣言の頃、週一ペースで会社に出勤していて気づいたことがありました。
  
  電車でハイヒールの女性を見かけない。

 


  だいたいスニーカー。パンプスっぽい人でもバレエシューズとか、とにかくフラットシューズばかりだった記憶があります。というか服装だって、平日朝の出勤時間帯だというのに、カジュアルな服装の女性ばかりになりました。たまにスーツ+パンプスがいるとしたら就活生ぐらい。
  この傾向はデルタ株の時期まで続きました。
  
  様子が変わり始めたのは感染者数がぐっと減って電車の乗車率が上がった昨年の秋ごろ。相変わらずハイヒールは稀だけど、女性の10人に1人ぐらいはヒールのあるパンプスを見かけるようになってきました。そしてそういう人はジャケットにボックススカートという、the オフィススタイル。一方スニーカー率は下がり、代わりにバレエやモカシンといったフラットシューズが増えたようでした。

 冬になるにつれ、ショート・ミドルブーツも増えてきました。ブーツはホールド力が高くて安定するからか、5cm以上の高めヒールが多いですね。


  で、ここから考察したこと。


  まず、ある程度の高さのヒールのパンプスを履いてジャケットやボックススカートを着る女性は、おそらく在宅勤務が可能な職種だということ。逆に緊急事態宣言中もスニーカー+カジュアルスタイルで通勤していたのは、店員さんや医療従事者など、在宅勤務ができない、かつ職場で制服などに着替えられる職種の人々、ということではないでしょうか。


  また、オフィスワーカーの女性が出勤していたとしても、社外の人に直接会うことがまずないので、きちんとした恰好をする必要がなかったと考えられます。

  そしてデルタ株が終息し、出勤する人が増えていくにつれ、オフィスワーカーの人も社外の人と会議する機会が出てきて、ジャケット+パンプス姿の人が現れだした、と。スニーカー率が下がったのは、おそらく通勤客自体が増えて、在宅勤務できない職種の人の割合が相対的に下がっただけなのかもしれません。


  私が通勤女性の足元を観察し始めたのは最初の緊急事態宣言以降で、それ以前のことはうろ覚えなのですけど、7cm以上のハイヒールを履く人はコロナ直前でも少なくなっていたように思います。2019年の「#KuToo」運動のおかげで、無理して履かなくていいという風潮ができたためでしょう。


  その結果なのか、いま百貨店の靴売り場に行くと、馴染み深い5cm以上のヒールパンプスは2割3割ほどに減っていて、代わりにフラットパンプスが多くを占めるようになりました。
  
  昔から景気と女性のヒール高には関係があるとか、不景気になると街ゆく女性の靴が黒ばっかりになる(by たしかIKKOさん)とか言われていましたが、新しいトレンドが今まさに出現しているのですね。5年前ほどまでは、職場や通勤電車でフラットシューズを履いた女性は妊婦さんぐらいだったもの。
  
  痛い靴を無理して履く女性が減ったのは嬉しいけど、背が低いために5cmヒールを気に入って履いている私としては、選択肢がめっきり減ってしまって複雑な心境です。