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少しずつ書き進めています。ノロノロ・・・
4曲目の「オフィーリア」については、これまでも書いてきた。
実は、私のブログのアイコンはシャガールの絵の一部を使用しているのだが、これまで何度となくこの「オフィーリア」に変えたいと思いながら、躊躇してきた。
さすがに・・・亡き骸をアイコンにするのはどうかと。
正確には、死ぬ間際の姿なのだが。
今回もやはり背景のスクリーンにはこの絵の一部があらわれた。
今回の歌は聴きながら、いっそう「慈愛の情」のようなものが感じられた。
やさしさ・・・そんな言葉じゃくくりが大きすぎる。
「雪でお化粧しましょう」
そう語りかける相手に込めた情は、慈しみ(いつくしみ)を思わせ、その一方でやっぱり哀しみも感じられた。
死に涙するだけにとどまらず、死した後に残る存在にも思いを馳せ、自分も共に在るという意識にまで向かっているのだろうか。
するとやはり、私はラストの「ソラリス」の歌詞との符合が腑に落ちてくる。
セット全体を見ながら聴けたので気がついたのだが、曲の終わりに絵の中のオフィーリアも沈んでいくように見えた。絵が下へ移動していく。そして、それを見ながら、また「ハムレット」の一節がよみがえるのだ。
折れてしまう意地の悪い枝。
川に落ちてしまう彼女と花々。
裾が広がり、しばし水面に浮かぶあの子。
古い歌をくちずさむ口元。
やがて服にしみ込む重い水。
泥にまみれた死の予感・・・
確か、初めてこのツアーを見た時には、この演出をあまり気に入っていなかったし、どこかでそう書いた気もする。でも、3回目にしてやっと全貌がきちんと見られたことで、良いものであったと思えた。
続く