さて、今年の電車旅も残すところ、あと僅か。
4日目、8月29日は台風10号の進路が東に逸れたため、日本海側は終日快晴。
新潟ラーメンの他に、この旅のもう1つの大きな楽しみであった、羽越本線からの車窓の景色を楽しむに絶好の日和となりました。
羽越本線は、新潟と秋田の日本海の海岸線を走る路線で、晴れた日にはとても美しい景色が見られます。
しかも、冬の日本海は荒れていますから、この景色が見られるのは短い夏の間だけ。
しかも晴天の中、電車に乗れるのは本当に貴重な1日でした。
ホテルを8時半に出まして、秋田駅にて朝食の駅弁を買いまして、8時59分の列車に乗りました。
ちなみに駅弁は、「秋田比内鶏いいとこどり弁当」。
電車の中でいただきました。
2種類の味付けが楽しめる秋田比内鶏をはじめ、どれも美味しかったですが、特にご飯の上に乗っている、秋田名物の「いぶりがっこ」の、パリパリとした歯ごたえが気に入りました。
ご飯のおかずはもちろん、お茶うけにも良い感じですね。
さて、羽越本線の眺めの第一のスポットは、女鹿駅から吹浦駅までの間です。
抜けるような青空に青い海。
まるで太平洋側かと思わせるような開放感がありました。
お昼前に着いた、酒田駅で乗り継ぎの時間が1時間くらいあるので、ここでお昼を食べましょう。
検索すると、駅から少し歩いたところに、ワンタン麺の美味しい「満月」さんというラーメン屋さんが見つかったので、ここに行きました。
この日の山形は、台風からの南風を受けて、30℃超えの暑い1日。
思えば、旅の2日目に山形に着いた時は曇りでやや涼しくて、冷やしラーメンの気分になれなかったのですよね。
こんな暑い日こそ、冷やしを食べる絶好のチャンスですが、普通のラーメンを食べるのでした。
11時30分くらいに着いたのですが、月曜日にも関わらず、もうお店はほぼ満員。
やはり人気店は恐ろしい集客力です。
注文したワンタン麺はこちら。
麺は太めのちぢれ麺で、煮干の風味がしっかりと効いたスープに負けないようにしています。
とにかくスープが美味かった。
あっさり醤油に、強めの煮干成分。
エグみを全く感じさせないのに、飲み込んだ後に旨みだけが喉の奥に余韻としてずっと残っている。
メインのワンタンは、極限まで薄く伸ばされた皮が、チュルンと口に入ると勢いで飲み込みそうになるのですが、そこは中身のたっぷりの肉餡が、「いいやあ、飲み込むにはまだ早い。もっと噛んで味わえ!」と自己主張してくるのでそれに従います。
満月さんのラーメンは、触れたときは女性のような細やかな肌触りを感じるのに、味わいは我が強いくらいの主張の効いた男っぽい味でした。
あと、前日の鶏中華もそうだったのですが、山形のラーメンは丼がデカいですね!
並盛りでも十分にお腹いっぱいになりましたよ。
欲かいて、大盛りにしないで良かったです。
お腹もいっぱいになりまして、酒田駅から再び羽越本線の旅のスタートです。
この線の最大の景観のエリアは、新潟県に入って、桑川駅~越後寒川駅です。
新潟県村上市にある11kmも続く海岸線は、澄み切った碧い海と白砂のコントラストが実に美しい。
また、日本海の荒波の浸食によりできた奇岩、怪石などの岩礁や洞窟など、変化に飛んだ風景が広がっています。
ボクも、車内からたくさん写真を撮りました。
さて、夕方前に新潟駅に着きまして、これも一度食べてみたかった、新潟名物のへぎそばをいただきました。
へぎそばは、そば粉にふのり(海苔)を混ぜて蕎麦に仕立てたもの。
果たしてどのようなお味なのでしょうか。
ちなみに、同じく新潟名物のタレカツ丼とのセットもあったのですが、お昼の山形ラーメンのボリュームに負けて、お腹が空かなかったのでこちらはパスしました。
一目、まあ綺麗な色合いだこと!
海苔の青みが掛かった蕎麦は、まるで翡翠のごとくでした。
そして、食べてみると、ふのりのせいなのか、これまで食べた蕎麦とは全く違う、
敢えて例えるなら、パスタのアルデンテの状態のような、非常に硬質でプチプチとした弾力のある歯ごたえでした。
とにかく非常に美味かった。
お腹が空いていたら、この5倍は食べたかった。
さて、この旅の最後のメニューです。
あと1つ、新潟ラーメンの中で食べていないのがあります。
「三条カレーラーメン」です。
わざわざ新潟で留まったのはこれが目的。
というか、台風の接近の中、何を食べるために、どうスケジュールを組むか、どこで泊まるか、毎日夜のホテルで思案投げ首でした。
なんとか、新潟ラーメンのコンプリートは果たせました。
では、その「三条カレーラーメン」のお店に参りましょう。
三条駅から歩いて20分くらいにある、大黒亭さんです。
カレーがどのように使われているのか興味深かったのですが、このお店のカレーは、京都にある、「カレー黄そば」に極めて近い。
「カレー黄そば」は、カレーうどんのうどんを中華麺に変えたものですが、お出汁は和風なんです。
こちらのお店の「カレーラーメン」は、出汁(スープ)は豚骨や鶏がらから摂っているのでしょう
が、動物系の味わいとしては、豚骨の円やかさが根底にあった上で、それ以上は自己主張せずに、カレーもそこまでスパイスを効かせていない。
カレーにしては、極めて素朴な一杯でした。
カレーだけに、他のお店に行けば、もっと個性的なものに巡り会えるかも。
でも、ボクはこの一杯に満足しましたよ。
こんな感じで4日目は終わり。
ちなみに最終の5日目ですが京都に帰るために、乗り継ぎ時間の短い中、ひたすら列車に乗っておりました。
朝、7時に出発して、乗り換えが5回くらいで、京都到着が夜の8時。
これにて、4泊5日の旅の終了!
山形で冷やしラーメンが食べられなかったのは残念でしたが、それなりに各都市で観光も楽しめましたし、実に満足できる夏休みでした。