歌詞に実は物語性があった!? 「COSMIC EXPLORER」の前半について | Perfumeとグルメの日記

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すPerfumeのニューアルバム 「COSMIC EXPLORER」が発売されて早1週間。
もう皆さん何周か聞きましたよね。
そこで今日は、このアルバムのボクの個人的な感想を書いていきたいと思います。
まず、このアルバムを聞いた皆さんの最初の感想としては、「ずいぶん歌詞が少ないな」 「ううー、おうおうーとかハミングが多いな」って思ったはずです。
ボクも同じです。
なぜこうなったかといえば、これはもちろんこの「COSMIC EXPLORER」が世界同時発売されるアルバムだからに違いないことでしょう。



洋楽をよく聞く方なら、海外のアーティストの曲の歌詞は、今回のPerfumeのアルバムの歌詞と同様に短いか、或いはサビのフレーズの繰り返しだという事はお分かりでしょう。
これはどういう事かと言いますと、欧米人は音楽を聞く時には右脳を主に使うので、歌詞にどのような言葉が用いられているかは、あまり重きを置いていないのです。
つまり、バックサウンドを中心に聞いているということ。
その逆に、アジア人は音楽を聞くときには左脳を主に使うので、主旋律と、それに合わせて流れる歌詞を中心に聞いているというわけです。



つまり、アーティストが自身のメーセージを歌詞に乗せてユーザーに語りかけるように伝えるJ-POPの特性は少なくとも欧米人には伝わりにくい(日本語と英語のギャップはもちろん)ですから、世界発売のこのアルバムの歌詞は、今回の形を取ったとボクは思っております。
だから、今回のアルバムの歌詞カードは、正方形の変形B5サイズにピタリと収まるくらいに言葉数が少なくなったわけですよ。




ただ、それだけでは逆に日本のPerfumeファンには無愛想過ぎるのではないでしょうか?




なんて、ひねくれ者のボクは思ったりしまして、今回のアルバムの歌詞を丁寧に読み返してみましたならば、冒頭の新曲群の、「Cosmic Explorer」「Miracle Worker」「Next Stage With YOU」 「STORY」の4曲が、それぞれは短い歌詞にも関わらず、見事に物語になっているのですよ。
いや、少なくともボクにはそう読み取れたので(ちょっと控えめに言ってみた)、今日はこれを主張することにいたします。




デビュー15周年、メジャーデビュー10周年の記念イヤーに、大掛かりなファンに対する還元ライブを終わったPerfumeが、これから世界に向けてもう一段高いステージに登る決意を表したこのアルバム(だから世界向けに歌詞を短く単純なものにした)の最初の新曲群のまず最初の曲、「Cosmic Explorer」にはコーラス部分にこんな歌詞があります。



Break new ground  (新しい土地を切り拓く)
Space Explorer
Break new ground
Seek new field    (新しい大地を掘り当てる)


サウンドは壮大ですが、宇宙に飛び出したPerfumeが、どこかの未開の星に降り立って、孤独に耐えながら何かを行おうという様が歌詞に表されています。
これが、この曲を聴いて少し物悲しくなる感覚に襲われる理由かもしれません。



続いてが、「Miracle Worker」。
この曲は、のっちの『起こせ!ミラコゥ!』のコーラスも相まって、とても楽しい曲のように思えるのですが、実はキーとなる歌詞がこんなに意味深なんですよ。




What should I do?(何をすればいいの?)
キミのことを気にしてるの
Where should I go?(どこに行けばいいの?)  
チラリ Look sideways (横を見る) 



曲の全体を聞けば、わりとJ-POP的な楽しい歌詞に聞こえますが、「Cosmic Explorer」からの流れで、この英語のフレーズを読めば、未開の星に降り立ったPerfumeが、思わず呟いたセリフのようにもとれますよね?
気にしている隣にいる『キミ』とは、当然「STAR TRAIN」に一緒に乗り込んでここに降り立った、チームPerfumeと我々Perfumeファンだということが容易に想像出来ます。




さて、この疑問形のPerfumeが、答えを見つけたのが次の曲、「Next Stage With YOU」です。
この曲の冒頭のギターのカッティングで気分爽快になった方も多いのではないかと思うのですが(ボクはここの数秒だけでアルバムの値打ちがあったなあと思いましたよ)、この曲の歌詞は、先ほどの2曲と比べて実に爽快な内容です。



チャンスをいつもつかみたいの Next Stage with YOU
タイミング次第 でもきっと Next Stage with YOU
違う風景を見るとき Next Stage with YOU
キミの隣にいたいわ Next Stage with YOU




「宇宙の果てに降り立ち、ここでワタシは何をしたらいいの?」と迷ったPerfumeが、この曲で出した結論が、「(日本で見たのと)違う風景を見るとき」、つまり外国に降り立った時、つまり、外国でツアーをやろうが、日本での活動が減ろう、いつも我々Perfumeファンと見る景色は同じだと、中田ヤスタカは歌わせているのですよ。




そして最後が「STORY」
この曲が、前半のまとめになります。



遥か遠いキミへ 届けたい
きっと祈りに近い 物語
星空を眺めて 手を広げ
願うように歌おう 物語



さきほどまでの曲にあったような、歌詞のセンテンスに疑問形が全く無くなって、「ワタシからアナタ(恐らくPerfumeファン)へ」向けられたメーセージのように感じます。
「キミに物語を届けたい」とありますよね。
この「物語」とは、やはり『マジソン・スクエア・ガーデンへと向かう道』なのでしょうか。



このように、今日はアルバムのM2からM5までの歌詞を取り上げました。
いかがだったでしょうか。
もし、この解釈が正しいなら、M2からM5は一つの物語になっているのでしょうから、次のツアーのセットリストでは、この4曲はワンセットで並ぶのではないでしょうか。



このアルバムの解釈についてはまだまだ色んな形で出来そうですね。