ICEの音楽をもう一度 | Perfumeとグルメの日記

Perfumeとグルメの日記

Perfumeと食べ歩き(主にラーメン)が好きです。
この2つのテーマについてのエントリーが中心です。

このブログを何回もご覧になっている方には、カテゴリーの中に、ポツンと『ICE』の項目が有ることに気づいている方もおられるでしょう。


『ICE』とは、宮内和之(プロデュース&ギター)・国岡真由美(ボーカル)の2人によって、主に90年代に活躍し、2007年12月18日、宮内和之さんが耳下腺癌のために亡くなった事によって活動を止めたユニットです。



当時として、現在にも通用する極めてハイセンスでお洒落なサウンドと、「宮兄」と後輩のミュージシャンに慕われていた、宮内氏の人望によって、彼の死後の後でも未だにそのユニットの名を音楽ファンの胸の中に残している「ICE」。



ボクは、類まれな高い音楽性を持った、このユニットをどうしても後世に残したかったので、このブログに数年前に書きました。
そして今回も、宮兄の命日にちなんで、最近になってから、このブログに遊びに来てくださる皆様に、日本の音楽シーンに敢然と足跡を残していった、「ICE」そして、宮兄の音楽をご紹介したいと思います。



今回は、宮兄が亡くなる一ヶ月前に収録したインタビューに紹介されている、ベスト盤の曲目から、インタビューの中身といっしょに音源をご紹介していきます。
ICEインタビュー
全文のリンクはこちらから


■「kozmic blue」は会社的にはダメだったんですか?

宮:怒られたよね。なんで怒られるんだかわからなかった。「こういうんじゃないんだ。君みたいなのはすぐこういうのにいってしまうんだ。いかーん!」って。
ちょうどオリジナル・ラヴが「接吻」でいい感じになって、「メローでアーバンな大人のやつもありになってきたじゃん。いくぞウチも!」ってときに・・・でも、何度聴いても「kozmic blue」はいい曲だと思えるんだけどね。
「国岡ももっと考えて」って、国岡も「いや、私が歌うべき曲だと思うんですけど」ってね。そればっかりはもうしょうがないよね。



(この曲はブレイクしてから、CMタイアップシングルなどを経て、さらにこのユニットを売り出そうとしていた頃に発売された曲。
洗練されたアダルトコンテンポラリーな曲だとは思いますが、ボクの意見もレコード会社と同じかも・・・笑)


■ベストには入っていませんが、そのころだと私は「No-No-Boy」が好きなんですが......。

宮:そう!「No-No-Boy」だったのシングルが。「No-No-Boy」みたいなロックっぽいのは、もう2、3作待ったほうがいいんじゃないか」みたいな話で、ギリギリまで決りかけていたのをナシにして、「kozmic blue」にしたの。いずれにせよ文句言われていたんだけどね。

国:とにかくロック色が出ると「ちょっと......」みたいな感じだったんですよ。



(こっちの方がボクは好き。レコード会社は一体どうしたかったのだろうか?)


■次に区切りになったアルバムといえば、どれになりますか?

「MIDNIGHT SKYWAY」と「TRUTH」かな。自分たちでファンの人たちの年齢層を上げたよね。

■それは意図的に?

宮:意図的......、そうだね。
もうね、そのころ31、2歳になっていてね。もう自分たちの世代の音楽を作っていこうと。結局僕らは購買層でいえばドンズバなものを作っていたの。22?25歳くらいの人たちが買うものをね。でも自分たちも年齢があがってきて、32、33(歳)くらいの耳も肥えている人たちがCDを買わなくなってきて、業界も不況になってきていると。
「そこはオレらの役割なんじゃないの」と斉藤(和義)くんたちとそんな話をしていたのね。無理しないで、先輩たちにほめられなくてもいいし、若い子たちに「わかんない」って言われてもいいから、自分たちの年齢に合っている層の人たちが「おお!」って言ってくれるものを作ろうよ、って言ってたんだよね。

■それを宣言したら楽になりました?

宮:曲を作るのは楽になったけど、「そういうこと言い出したら売れなくなるよ」ってはっきり言われたのはショックだったですけどね。


(未だに、日本の音楽は20代前半がターゲットなんですよね。
「売れなくなるよ」は当時も今も同じというのは何ともやりきれませんが)



2002年以降の作品より。







この頃になると、ヒットシーンからは退いて「知る人ぞ知る」という存在になって、逆に面白い曲が増えるんですがね。
売れなくならないと、やりたい音楽がやれないというのは、なかなか皮肉ですなぁ。


20年以上前に作られているものの、洗練されたそのトラックは、この他にもたくさんの音源が各CDショップで売られ、動画サイトにも上がっております。
最近は90年代に流行った音楽がまた脚光を浴び始めているようですが、それならばこの「ICE」の音楽も、もう一度評価をし直してあげてくれたら幸いだと思っております。



「宮兄」に敬意を称して。