「だいじょばない」に「だいじょうぶだぁ」 | Perfumeとグルメの日記

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Perfumeと食べ歩き(主にラーメン)が好きです。
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異色な組み合わせに我々も驚いた、「NHK SWITCH インタビュー『志村けん×Perfume』 」。
無事に再放送も終わりまして、色々とこぼれ話も出てきております。
まずは、今号のTV.Brosの、Perfume連載コラムに、この対談のきっかけとなったエピソードが。


そもそも、この対談は志村けんさんが、「Perfumeで」というご指名だったのに、Perfumeがビビっていたのを、どうやら、志村けんさんのマネージャーと知り合いだった中田ヤスタカが後押ししたおかげで実現したのだと。
中田ヤスタカ・・・結構顔広いじゃん(笑)。
例のイザワオフィスの方のツイートに2人の2ショットが。




約1年前に撮ったもののようですが、志村さんの無精ヒゲから見て、完全プライベートな時のようです。
どういう経緯で顔を合わせる事になったんでしょうねぇ?
「SWITCH」のオンエアにあるように、志村けんさんがPerfumeを見初めたのが、2011年の映画『モテキ』で、番組ブログによると、この対談のPerfumeへのオファーが、やはり1年前だったようですから、まずは、「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」とばかりに、中田ヤスタカから攻めてみたのでしょうか。
まあ、ヤスタカさんを馬に例えるのは失礼ですがね。



そして、オンエアですが、この放送の中の志村けんさんの話が深いので、最初のオンエアを見ただけでは感想を書くことが出来ずに、結局再放送のオンエアを含めて4回見ました。
まだ、話の心底の部分に触れることが少し出来ないでいるのですが、一応の感想を書いてみたいと思います。



その前に、今回の番組の進め方ですが、前後半で「聞き手」と「話し手」が入れ替わっていて、お互いがインタビューをし合うようになっていましたが、Perfumeの連載コラムでも、「SWITCH」番組コラムでも書いてあったように、事前に番組スタッフが両者に「聞いて欲しい事」を予めレクチャーしておいたみたいでした。
ボクが番組を見ていて、「どうも質問の仕方が台本っぽいなあ」と思ったそのままでしたね。
まあ、番組を見る限り、両者とも初対面ではなかなか相手の懐に飛ば込まない方々なので、仕方ないのでしょう。



では、オンエアに移りましょう。
まずは、志村けんさんが語るPerfume像について。
「綺麗だし、可愛いし、足綺麗だし、邪心が出て来る・・。」



なんて言ってましたが、今回の「3:5:6:9」の武道館ライブに来られていたらしく、Perfumeのライブに相当感銘を受けていたようで、我々Perfumeファンにとって、最大の有り難いお言葉、「(Perfumeは)CDよりライブの方が迫力がある」と言ってくださいました。



ここで注目して欲しいのが、志村けんさんの表情ね。
「邪心・・・」って言ってる件の時は聞き手を見てないけど、Perfumeのライブを褒める時はちゃんと見てるの。
さらに、この後、実際にPerfumeと会って話す時は、最後まで敬語で話しているのですよ。
これによって、志村けんさんがPerfumeに抱いていた気持ちが解るというものです。



今回の対談の肝は、やはり後半部分。
Perfumeから志村けんさんへの質問が続くところですよね。



両者ともに、舞台での観客からの直接の反応を重んじるところ、苦労やプライベートを人に見せないところ、など共通点がたくさん合って、だからこそ我々が見ていても、お互いに共鳴する所が多くあるように思えて、実際に、志村さんからPerfumeに、「初めて会ったような気がしなかった(TV.Brosより)」という言葉もいただいたくらい、両者に共通点がたくさんあったのですよ。
今回はそれが一番の驚きでしたね。
今回はほぼ初対面だったということで、志村さんが終始敬語だったように、まだお互いの心の距離があったようですが、これから何回か会って、腹を割って色んな話をしていくと、共通点の多い両者はもっと距離が縮まると思います。
1対3で会えば、志村の邪心にも打ち勝てるでしょうしね(笑)。



この対談で、ボクが個人的に気に入ったのは、志村けんさんが言った、「究極の笑い」について。
「舞台にただ出てきて、ただお辞儀をして、ただただ立ち去る」だけで、笑いが起こるのが究極の笑い。
これに似たもので、「5代目古今亭志ん生が酔っ払ったまま高座に上がってしまい、あろうことか、そのまま居眠りを始めたのですが、それを見た客は怒るどころか、寝たままの志ん生を楽しそうに眺めていたという」エピソードがあるのですが、結局、「究極の芸」とは、芸人そのものの存在なのでしょうか。



最後は、やはりあ~ちゃんが泣いた所です。



の:「ドームクラスの大きい会場でライブをやってしまって、これ以上大きな目標が無くなってしまった時の不安感があるのですが・・・」


志:「Perfumeはこれまで、急速にステップアップして登り詰めてきたんだから、ここからは一気には上がらない。
ただ、今までやってきたことが自信になって身についているはずなんだから、ここからは、例え、『1ミリだけでも上がっていけたら』っていう気持ちで楽に行けたら、そういうのが今後深みになって味わいがもっと出て来て、もっといいものが出来る。」



うん、これ言われたら泣くわな。
Perfumeといえば、10代前半から目標設定をしてひとつひとつそれを叶えて、遂に東京ドーム公演まで突き進んでしまえば、もはややる事はないと考えるのは致し方ないところでしょう。


真面目な人ほど、日々成長していかなければいけないと考えがちで、しかし、それを果たすべくモチベーションが保てなければ、今度は自分の良心の刃の矛先が自分に向いてきますから、悩むのも当然でしょうに。


そこに、自分たちの遥か先を進む、偉大な大先輩から、「無理しなくてよい」と言ってくれたのですから、肩の荷が降りた思いだったでしょうね。


「だいじょばない」と嘆くPerfumeに、「だいじょうぶだぁ」と答えた志村けん。
よく出来た話や(笑)


ただ、惜しむらくは、この部分、どうやら志村さんの発言の真ん中のところが編集されているのですよ。
あ~ちゃんの表情に注目すると解ります。
Perfumeの渾身の質問に、志村けんさんのお応えの全文が知りたいと思うのです。



でも、本当に良い対談でした。
だって、心根が同じな人の話は聞いている方も、スッキリといたしますもんね。
ご本人たちが一番感じている事でしょう。