皆様、こんにちは。

秩父市議会議員の清野和彦です。

 

秩父市に生まれ育っていく子どもたちが、障がいがあっても、なくても、穏やかに地域の中で暮らし続けていける環境をつくるために。

 

令和3年6月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(通称:医療的ケア児支援法)が成立しましたが、

秩父地域では、医療的ケア児の方々をめぐる環境について、重要かつ対応の期限が迫っているものに、現在、県立秩父特別支援学校の高等部に4名の医療的ケア児の生徒がいらっしゃり、この生徒の皆様が特別支援学校を卒業される令和7年3月以降の日中活動の場が確保できていないことがあります。

また、医療的ケア児の方々が利用できる放課後等デイサービスが秩父地域にはなく、その開設は長年にわたる願いとなっています。

 

市としては、秩父郡市1市4町で設置している秩父地域自立支援協議会の「そだてる部会」で「医療的ケア児が地域で安心して楽しく暮らすために」をテーマに検討を開始し、医療的ケア児者を受け入れていただける事業所を地域全体で支援していく方法などについて協議し、令和6年度末の寺尾にあるにじいろテラス内の「ふぁいん・ユー」での受入れ拡大と他事業所での受入れ開始を実現したいと考えている、とのことです。

 

医療的ケアが必要な方、そのご家族が安心して秩父地域で暮らし続けられる環境をつくるために、地域の総力を結集してご対応をいただけることを強く願います。

 

 

以下、一般質問の詳細です

 

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質問 清野  

2、医療的ケア児(者)をめぐる環境について。

 

この秩父市に生まれ育っていく子どもたちが、障がいがあっても、なくても、穏やかに地域の中で暮らし続けていける環境をつくるために、私たちがしなければならないことは何でしょうか。

 

令和3年6月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、通称医療的ケア児支援法が成立し、医療的ケア児やそのご家族をめぐる環境をよりよいものにするように、国全体が一歩一歩動き出しています。

この法律における医療的ケア児とは、日常生活及び社会生活を営むために、恒常的に医療的ケア、人工呼吸器による呼吸管理、喀たん吸引その他の医療行為を受けることが不可欠である児童、18歳以上の高校生等を含むとされています。

 

現在、秩父地域における医療的ケア児の方々をめぐるテーマの中で、重要かつ対応の期限が迫っているものに、現在、県立秩父特別支援学校の高等部に4名の医療的ケア児の生徒がいらっしゃり、この生徒の皆様が特別支援学校を卒業される令和7年3月以降の日中活動の場が確保できていないという不安があります。

 

常に介護を必要とされる障がい者の方々に対しては、障がい者支援施設等において、主に昼間に入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動や生産活動の機会を提供する生活介護サービスがあります。

 

まず、現在の秩父地域における生活介護サービスの受入れ状況と今後の見通しはどうなっているのか、北堀篤秩父市長が理事長を務められている社会福祉法人秩父市社会福祉事業団の運営する複合型施設にじいろテラス内の生活支援事業ふぁいん・ユーの運営状況と今後の見通しを踏まえて、教えてください。

 

また、医療的ケア児の方々が利用できる放課後等デイサービスが秩父地域にはなく、その開設は長年にわたる願いとなっています。

 

放課後等デイサービスとは、障がいのある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う療育機能、居場所機能を備えた福祉サービスです。

さきに挙げた医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律では、その第11条で、「国及び地方公共団体は、医療的ケア児及びその家族が、個々の医療的ケア児の年齢、必要とする医療的ケアの種類及び生活の実態に応じて、医療的ケアの実施その他の日常生活において必要な支援を受けられるようにするため必要な措置を講ずるもの」とあります。

 

質問ですが、現在、医療的ケア児の方々を受け入れることができる放課後等デイサービスの秩父地域内での実現に向けて、どのように検討がなされてきているか、教えてください。

 

また、先ほど生活介護サービス、放課後等デイサービスなど、秩父地域にお住まいの医療的ケア児(者)をめぐる環境について、市としては将来的にどのようになっていくことが望ましいと考えるか、お考えを伺います。

 

 

答弁 福祉部長 

 

2の医療的ケア児(者)をめぐる環境についてお答えいたします。

 

現在、障がい者の日中活動を支援する生活介護事業所は、秩父地域に26か所ございます。受入れ状況でございますが、4月に実施いたしました空き状況調査では、どの施設も数名程度の空きがある状況でございますが、利用者、利用日数は微増傾向にあり、今後もこの傾向は続くと予想しております。

 

なお、医療的ケア者を受け入れている施設は、寺尾にございます、にじいろテラスのふぁいん・ユーだけでございます。

 

次に、ふぁいん・ユーの運営状況でございますが、定員20人に対し、現在19人の方が登録されております。

登録者のうち、重度心身障がい者が11人、うち医療的ケアが必要な方が5人でございます。

医療的ケア者の支援には、大型の送迎車両や特殊浴槽などの設備が必要となり、また常設ベッドなどの配置スペースの確保も考えますと、現状のままでは新たな受入れの確約はできない状況でございます。

さらに多くの医療的ケア者を受け入れるためには、設備面、体制面の強化が必要であると考えております。

 

次に、障がい児の訓練や支援を行う放課後等デイサービス利用についてでございますが、令和4年度に新たに2事業所が開設し、秩父郡市内で8つの事業所がサービスを行っております。

しかしながら、医療的ケア児につきましては、受け入れている事業所はないのが現状でございます。

秩父市社会福祉事業団が経営するにじいろテラス内の放課後等デイサービスゆくるにつきましても、支援員の配置の問題や、医療的ケア児の健康面や体力面等への配慮の問題があり、受入れに至っていないのが現状でございます。

 

そこで、秩父市では、放課後等デイサービスとは別の事業でございますが、障がい児者の一時的な見守り等を目的とした日中一時支援事業におきまして、医療的ケアが必要な重症心身障がい児を受け入れた事業所に対しまして、従来の補助金に上乗せをして支給する制度を設け、昨年10月から運用しております。これまで、皆野町にございますカーサ・ミナノにおきまして1件の利用があり、ほかの日中一時支援事業所につきましても医療的ケア児の受入れをお願いしているところでございます。

 

医療的ケア児者支援の今後についてでございますが、医療的ケア児支援法の基本理念として、医療的ケア児の日常生活及び社会生活を社会全体で支えることが定められていることを鑑み、市と近隣4町で設置しております秩父地域自立支援協議会の、そだてる部会におきまして、「医療的ケア児が地域で安心して楽しく暮らすために」をテーマに検討を開始いたしました。

医療的ケア児者を受け入れていただける事業所を地域全体で支援していく方法などについて協議し、令和6年度末のふぁいん・ユーでの受入れ拡大と他事業所での受入れ開始を実現したいと考えております。

 

いずれにいたしましても、医療的ケアが必要な方、そしてそのご家族が安心して秩父地域で生活し続けられることが望ましいと考えておりますので、地域の総力を結集して協議を進めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

 

再質問 清野

大きな2番、医療的ケア児(者)をめぐる環境についてです。

 

こちら、先ほど福祉部長からお話がございました。現在、やはり複合施設にじいろテラス内にあるサービスにかなりのことを依拠しているなというところはありますし、やはり今後、この生活介護サービスについてもニーズが微増傾向にあるということもございました。そしてまた、放課後等デイサービス、これは8つ事業所がありますけれども、やはり医療的ケア児の受入れについては今はできないと。ただ、ほかの策も考えられているということで、ぜひ期待するところでございます。

 

こちらも、目下、それを必要とされている方々もいらっしゃいますが、将来的にもこういったサービスを必要とされる方がいらっしゃると。しかも、どちらかというと、これが微増傾向にあるということを考えますと、今のまま、例えば既存の施設を拡充していくというだけでは難しいところがあるのかなというふうに考えます。

 

例えば、この生活介護サービスについては、もちろん既存の施設の受入れの拡充は必要ですけれども、例えば共生型サービス、こちら、先日部長ともお話をしましたけれども、いわゆる高齢者施設で受け入れられるような措置も、今、国では用意されています。こちら共生型サービスというのは、介護保険サービス事業所が障害福祉サービスを提供しやすくする。

障害福祉サービス事業所が介護保険サービスを提供しやすくする。こういうことを目的とした手続の特例として、平成30年に設けられた制度です。

こちら秩父市議会でも以前富山県のほうに、この共生型サービスの視察に行かせていただいたことがありました。

つまり障がいのある方とご高齢の方々が同じ施設内で共に時間を過ごすというような施設になっております。こちらが国としては、人口減少社会であっても、地域の実情に応じたサービスの提供体制の整備や人材確保を行うことができる制度として推進をしているそうです。

こういった面で、秩父市もこの例に漏れず、やはり医療資源であったりとか福祉資源、限られていますので、ぜひこの共生型サービスというのも、もちろん事業者の方の理解があってこそですけれども、頭に入れていただいて、何らかの形で地域の中で、そういった障がいのある方が暮らし続けられる。なかなかご家族だけの負担にならないような社会をつくっていただければと思います。

 

もう一点、放課後等デイサービスについてですけれども、医療的ケア児の受入れについては、地域の中になくてはならない機能だと私は考えています。もちろんその絶対数というか、多くないんですけれども、やはりこういう医療的ケア児の方々が、そしてご家族の方々が健やかに暮らせるような地域づくりというのが、行く行くはこの少子高齢化の社会の中で秩父をよりよくしていくきっかけになるんじゃないかなと思っています。やはり福祉を充実させることが、本当の意味で暮らしやすい地域づくりにつながると思いますので、ぜひ何らかの形でこの医療的ケア児の放課後等デイサービスの実現に向けて頑張っていただきたいと思います。

 

1点、これは質問なんですけれども、例えばにじいろテラス内、一応今、放課後等デイサービスがあると。なかなかマンパワー的に難しかったですね。その当事者の方々の支援という面で厳しいこともあると思うんですが、例えば試験的に受入れなどを検討することというのはできないのか。ちょっとお考えを伺いたいと思います。

 

 

答弁 副支部長

今、清野議員から再質問いただきました。

試験的に受け入れるということでございますが、こちらにつきましては、やはりそのお子様の健康面、安全面、こちらにつきましては欠かせないことでございますので、そちらのほうをまずはクリアしなくてはいけないということがございます。

先ほど答弁でも申し上げさせていただきましたが、それらについても秩父地域自立支援協議会、こちらのほうで検討してまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

 

清野 先ほど自立支援協議会での検討が始まっているということでした。

地域の総力で、こういったテーマに取り組んでいくという心強いお言葉もいただきましたので、ぜひ前向きに様々な可能性を考えて進めていただければと思います。