皆様、こんにちは。
秩父市議会議員の清野和彦です。
清野が会長を務める秩父市議会会派 新政ちちぶでは、令和5年度の秩父市の予算編成に向けて、政策提言書を提出しました。
<参考:新政ちちぶ 令和5年度 政策提言書
https://drive.google.com/file/d/1aSRAmVfI8iXCbNqBgee9EPuWWf37qayR/view?fbclid=IwAR2-s-ZkPRw8d0LhB6i9jqXlA1fXUrqN5hk5gly6x2xch806L7HoLU9379U >
市議会の12月定例会では、政策提言の内容を一般質問で取り上げました。

政策提言からの一つ目のテーマは、学校施設長寿命化計画に基づく老朽化した小中学校の大規模改造工事の継続的な実施についてです。
本来、秩父市では令和4年度から6年度にかけて、学校施設長寿命化計画に基づいて久那小学校管理普通特別教室棟、大田中学校教室棟、大田中学校特別教室棟の大規模改修が行われる予定でしたが、現在までに行われていません。
大田中学校については外壁工事のみを令和5年度に実施する予定となっています。
市としては、
■久那小学校と大田中学校の改修については、両校とも小規模校ということで、一度に多額のコストをかけて全面的な大規模改造を行うのではなく、屋根や外壁といった健全度の低い場所について部分的な改修を適宜行っていくほうが、財政状況等のバランスを考慮した上で効果的であり、必要な改修につきましては、財政状況を見ながら検討していきたい。
■トイレの洋式化についても、現在、久那小学校は38.9%、大田中学校は36.4%と低い状況ですが、必要な部分的な改修の中で、財政状況を見ながら検討していきたい。
とのことですが、
秩父市に生まれ育っていく児童生徒の教育環境の改善のための学校施設の長寿命化に向けた事業は、市内の公立学校全てが一定の事業を完了するまでは切れ目なく実施されることが望ましく、必要な措置がなされることを強く要望しました。
子どもたちをめぐる環境の改善については、最優先で取り組んでいただくことを願います。
以下、一般質問の詳細です。
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質問 清野
大きな2番、令和5年度新政ちちぶ政策提言書より。
私たち秩父市議会会派新政ちちぶは、11月21日に北堀篤市長に令和5年度政策提言書を提出させていただきました。
提言書を提出するに当たっては、会派の運営方針である、「前例にとらわれず未来に向けたアクションプランを考える」「市の総合振興計画を重視し、職員の皆様と目線を合わせて活動する」にのっとり、令和3年度の決算審査も踏まえ、会派に所属する議員の考えを取りまとめました。
政策提言では、その基本方針として、「従来の事業にとらわれず新たな挑戦をする秩父市」「隅々まで行き届く予算措置と情報発信に取り組む秩父市」を2つの柱として、21項目の提言をさせていただきました。本日は、その中から2つの項目について取り上げさせていただきます。
(1)、学校施設長寿命化計画に基づく老朽化した小中学校の大規模改造工事の継続的な実施について。
秩父市に生まれ育っていく子どもたちの教育環境をよりよいものとするためにどのような取組を行う必要があるでしょうか。
秩父市では、児童生徒の安心安全な教育環境を確保するとともに、防災・減災、国土強靱化の観点から、避難所としての機能を向上させるため、秩父市学校施設長寿命化計画に基づき市内小中学校の校舎、体育館の老朽化対策を行っております。
秩父市公共施設等総合管理計画の推進を図るためにそれぞれの施設の更新や取組を体系的に定め、適正なマネジメントを行うことを目的として策定されている秩父市個別施設計画では、市内の小学校13校、中学校8校から成る学校教育系施設の校舎や体育館の更新等の方針は、秩父市学校施設長寿命化計画に従うものとされています。同じくこの個別施設計画では、2022年度から2024年度、つまり令和4年度から令和6年度に実施する事業として、久那小学校管理普通特別教室棟、大田中学校教室棟、大田中学校特別教室棟のそれぞれの学校大規模改修が示されています。しかし、今年度、令和4年度については、高篠中学校管理教室棟及び特別教室棟の大規模改造事業が実施されていますが、それに続く事業の実施に向けた設計業務委託などは、現在のところ予算措置がされていないと認識しています。
児童生徒の皆様の教育環境の改善のために学校施設の長寿命化に向けた事業は、市内の公立学校全てが一定の事業を完了するまでは切れ目なく実施されることが望ましいと考えます。
質問ですが、改めて秩父市学校施設長寿命化計画の内容について教えてください。
また、令和5年度以降の本計画に基づく大規模改造事業等はどのように行われていく予定なのか、教えてください。
あわせて、学校長寿命化に向けた事業は、どのように実施されていくことが望ましいと考えるか、お考えを伺います。
答弁 教育長
ご質問の2、令和5年度新政ちちぶ政策提言書よりの(1)、学校施設長寿命化計画に基づく老朽化した学校の大規模改造工事の継続的な実施についてお答えいたします。
初めに、秩父市学校施設長寿命化計画の内容についてでございます。学校施設は、普通会計における公共施設の面積のうち約35%と大きな割合を占めており、その建物の多くで老朽化が進んでいる状況であり、整備に係るコストを可能な限り抑制する必要がございます。そのため、ファシリティマネジメントの秩父市公共施設等総合管理計画で示した質の改革に取り組み、快適性、機能性の向上を図るとともに、施設長寿命化の考え方を取り入れることで、学校施設に求められる機能、性能を維持しつつ、管理コストの縮減と予算の平準化を実現することを目的として、令和2年3月に秩父市学校施設長寿命化計画を策定しました。
この計画の期間は、令和2年度から30年間とし、原則5年をめどに計画を見直すものとしております。長寿命化の手法としましては、目標耐用年数を80年に設定し、建築からおおむね20年ごとを目安に改修することとし、建築後20年に大規模改造工事、40年に長寿命化するために必要な改修工事、60年に大規模改造工事をすることで長寿命化をすることとしております。
次に、本計画に基づく令和5年度以降の大規模改造工事の予定でございます。予算や国庫補助金の可否等の状況にもよりますが、基本的には築20年を超えて大規模改造工事を実施していない学校を優先とし、その中で施設の健全度が低い学校から改修工事を行っていく予定でございます。
現在の予定としましては、建設費に係る原材料費や人件費が高騰している社会状況の中、市の財政状況を見ながら、令和5年度は、南小学校の校舎と尾田蒔中学校の体育館の改修工事に係る実施設計業務委託を行う予定となっております。令和6年度は、南小学校の校舎及び尾田蒔中学校の体育館の改修工事並びに原谷小学校の校舎の実施設計業務委託を行う予定となっております。
最後に、長寿命化計画の将来的な望ましい方向性についてでございますが、本計画の目的である、現在ある施設を長く大切に使用し、学校施設として良好な学習環境を維持していくため、計画的に改修工事を行っていくことを基本とし、将来における教育上の効果や児童生徒数、地域の実情等を勘案しつつ、国庫補助金を有効に活用するなど財政状況等とのバランスを考慮しながら進めていくことが望ましいと考えております。
再質問 清野
大きな2番です。(1)の学校施設長寿命化計画に基づく老朽化した小中学校の大規模改造工事の継続的な実施について、こちら教育長、どうもありがとうございました。
こちらなんですけれども、先ほどのお話ですと、令和5年度以降の、いわゆる大規模改造事業については、南小学校の校舎と尾田蒔中学校の体育館、こちらが先に出てくるというところなんですけれども、先ほどちょっと冒頭で申し上げましたとおり、個別施設計画の中では、この学校長寿命化計画というのが学校施設に関する、いわゆる個別施設計画に該当するものだと思うんですけれども、その中ですと計画上は、先ほど申し上げましたとおり、久那小学校関連施設と大田中学校の関連施設の改修が、計画上、挙がっていたわけです。この2校の対応や改修については今後どのようになる考えなのか、現在分かる範囲で結構ですので、伺います。
教育長 ただいまの質問についてお答えさせていただきます。
久那小学校と大田中学校の改修についてでございますが、両校とも小規模校ということでもあり、一度に多額のコストをかけて全面的な大規模改造を行うのではなく、例えば屋根や外壁といった健全度の低い場所について部分的な改修を適宜行っていくほうが、財政状況等のバランスを考慮した上で効果的であるというふうに考えております。
そういった意味では、大規模改造工事というくくりの中からは外れてしまいますが、必要な改修につきましては、財政状況を見ながら検討していきたいと思います。
トイレの洋式化についても、大規模改造工事を行った学校は100%になりますが、現在、久那小学校は38.9%、大田中学校は36.4%と低い状況ですが、必要な部分的な改修の中で、財政状況を見ながら検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。以上でございます。
再質問 清野
ありがとうございます。
今の教育長のご答弁ですと、大規模改修ではなくて、屋根や外壁といった個別の改修を行うというような形かと思います。
先ほどトイレの洋式化について触れていただきましたが、やはりこちらに関して多くの方が関心を持っていると思います。
1点確認なんですけれども、そうなると、先ほど学校長寿命化計画というのはどういう計画ですかという質問したときに、見直し等もあり得るということを聞いたわけですが、確認なんですけれども、今までこの久那小学校と大田中学校関連施設というのが順番的には入ったわけですけれども、今後、こういった計画の見直しみたいなことというのはあり得るのでしょうか。つまり全体的に学校長寿命化計画、今、出されているものから変更があるんでしょうか。
答弁 教育長
先ほども申し上げましたけれども、財政状況等の絡みの中で、今後どういった形がより理想的かということで検討していきたいと思っております。以上です。
再質問 清野
ありがとうございました。
今後の状況を見てということですけれども、先ほど教育長からありましたが、学校施設について、屋根や外壁といった個別の改修ということがありましたが、教育長が自ら挙げていただきましたけれども、トイレの洋式化ということが今まで進められてきておりまして、子どもたち、社会全体の生活様式から、これは早急に進めるべきではないかというところが多くの共通理解だと思います。
文部科学省も、小学校施設整備指針、また中学校施設整備指針というところで、このトイレについてですけれども、洋式便器かつ乾式。乾式というのは、乾いた式と書くんですけれども、床上が乾いた状態で使用する方式を採用するなど、生活様式や生徒のニーズ等を踏まえた計画をすることが重要であると。そこで、また障がいのある生徒の方々や教職員及び学校開放時、または避難所開設時の高齢者、障がい者等の要配慮者の利用を踏まえて計画することが重要などと示されております。先ほどそれぞれの学校の今の洋式化率もお話しいただきましたけれども、そういったことも文部科学省が示している指針に沿った形で実施をしていただきたいということをこれは要望としてお伝えさせていただきます。
また、もう一点ですけれども、あわせてこの文部科学省の指針ですと、現在、GIGAスクール構想がありまして、ICT環境の充実についても、各室・空間の面積、形状及び家具等を計画することが、ICT環境の充実という視点でも重要じゃないかというふうにされていますけれども、先ほどトイレのことは触れていただきましたけれども、現在のところ、この久那小学校、大田中学校は大規模改造事業を行う予定になるというふうな答弁かと思いますが、このようなICT環境の充実について必要な改修がなされるというようなことでも確認させていただければと思います。
答弁 教育長
ICT環境ですけれども、現在、教室におきましては全ての教室でネット環境が整備されております。体育館も同様に整備されております。特別教室等でまだ全て入っていないところもありますので、今後、予算が許すようであれば、そういった校舎全体に関わっての整備は進めていきたいとは思いますが、それにも多額の予算がかかりますので、今後検討させていただきたいと思います。
以上です。
再質問 清野ありがとうございます。
私たち秩父市に生まれ育っていく子どもたちがやはりしっかりした教育環境で、よい環境で育っていくということは重要と思いますので、ぜひこの2校についても大事な事業ですので、しっかりと予算措置もしていただいて、必要な措置がされることを心から要望しておきます。こちらについても質問を閉じさせていただきます。