皆様、こんにちは。

秩父市議会議員の清野和彦です。

 

秩父市議会の令和3年12月定例会では、議員提出議案として「北堀篤秩父市長に対する問責決議」が賛成多数で可決されました。

 

問責決議とは、国や地方自治体の議会において、首長などの責任を問う旨を意思表示した議決です。

 

<参照>令和3年12月定例会 議員提出議案(議員提出議案第42号が該当)

http://www.city.chichibu.lg.jp/secure/11303/%E8%AD%B0%E5%93%A1%E6%8F%90%E5%87%BA%E8%AD%B0%E6%A1%88%E7%AC%AC41%E5%8F%B7%E3%83%BB42%E5%8F%B7.pdf

 

このような決議はできる限り出されないことが望ましいと考えます。

しかし、決議に至るそれぞれの理由を考えると、同じようなことが繰り返されることで、市民の皆様が不利益を被る可能性があると考えるに至り、賛成をさせていただきました。

 

市政の運営について、伝えるべきことを公の形で伝えていくことは、議会の役割として重要なことと考えています。

 

 

 

以下、問責決議の全文となります。

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北堀篤秩父市長に対する問責決議 

 

 北堀市長は令和3年5月からの就任後、自身が選挙中に掲げたマニフェストについて、本来であれば「マニフェストは公約」であるのにも関わらず、就任後「自身の“思い”によっ て掲げたもの」との発言など、他にも軽率かつ地域の方々をも混乱させるような言動が繰り返された。 

 由って、以下に主な事項を挙げる。 

(1)第 75 回全国植樹祭誘致と副市長人事案に関するコミュニティ懇話会での発言について令和3年 10 月 22 日に行なわれた「コミュニティ懇話会(市内町会長出席)」にて市長より、「(第 75 回全国植樹祭誘致について)懸念があるとすれば、県が推薦した副市長人事案が議会で否決されたので県の心象が良くないことです。」との発言があったが、副市長人事案は9月定例会で市長自ら議案を取り下げており、事実と反する。 

 また本件に関して出席していた全町会長あてに「議会で否決された」という誤った発言に対し、「市長自ら議案を取り下げた」という文言の「修正文書を早急に出す」との事であったが、各議員への回答はあったものの(11 月 11 日付)各町会長への文書は 12 月 10 日付けで ようやく発送されたということ。 

 なお、私たち市議会議員は、国土緑化運動の中心的な行事である「第 75 回全国植樹祭」誘致に関し、秩父圏域全体の最優先事項の一つとして、北堀市長を始めとする4町首長、議員、 関係団体の皆さま方と歩調を合わせ、誘致活動に率先して協力体制づくりに邁進しているところである。 

 

(2)ランドセル配布に関して 

 市内小学校入学児童に市からランドセルを無料配布する件では、令和3年6月定例会での堀口議員からの一般質問において、「文教福祉委員会の皆さんと協議をさせていただき、また手順を踏んで、また上程させていただきたいというふうに思っています。」と答弁をしている にも関わらず、令和3年 12 月定例会で、令和4年度実施予定の「新入児童入学祝金」を一年限りで止め、令和5年度のランドセルの無料配布(現物配布に限る)を決める議案が上程された。6月定例会一般質問での堀口議員への答弁と異なり、その間に文教福祉委員会とは一度も協議が行なわれていないこと。 

 また、令和3年 12 月定例会・文教福祉委員会においての審議案件であった議案「令和5年度からのランドセル無料配布」の説明については市長マニフェストの内容であったため、市長から直接説明を伺えればと議長名で定例会期中の文教福祉委員会への出席を要請したが、 在庁していたにも関わらず公務とのことで出席要請に応じなかった。 

 定例会期中の委員会への出席要請は当日ではなく前日に行なわれており、議会軽視と捉えざるを得ず、また議員に対しての説明責任を果たしていないこと。 

 

(3)市長報酬 90%カットに関して 

 市長報酬 90%カットは市長が選挙戦から掲げていた政策であり、令和3年6月定例会で、「秩父市長の給料の額の特例に関する条例」として可決されたので、条例により任期満了までその効力があるはずだが、市本庁舎内のデジタルサイネージには既に実施中の事業として 「市長報酬 90%削減(コロナ禍収束まで)」との表示がなされている。 

 条例ではコロナ禍収束までというような期限は設けられていないのにも関わらず、市民の方の目につく所に議会で承認されていない誤った条例を表示する事は議案を重要視せず、二元代表制の議会軽視、議会を無視した対応と感じざるを得ないこと。 

 

(4)一般国道 140 号秩父陸橋の平面化について 

 市長マニフェストによると、一般国道 140 号秩父陸橋は歴史的建造物や観光面でのメリットがあるとし、秩父陸橋存続をマニフェストへの記載、および令和3年6月定例会でも陸橋存続実現を示しており、市当局へも北堀市長は存続についての検討を始めるとの指示をしたと発言があった。

  しかし、秩父陸橋は県の事業として既に平面化整備事業として進んできている経緯があり、合わせて地元住民や企業への同意、市道整備を含めて計画を進める経緯がある。 令和3年 11 月1日に行われた、議員クラブ連絡会で市長は「去る、10 月 21 日に新井豪県議会議員とともに、埼玉県の県土整備部長へ国道 140 号秩父陸橋の平面化について要望書を提出させていただきました。」との発言があった。要望書の提出に至った経緯としては、地元住民の平面化に対する強い要望があったとの事であった。

 当初から県や地元住民、企業などと合意のうえで平面化を進めていた中で、陸橋存続を示した後に、一転して平面化を進める方針転換は、議会のみならず県や地元住民、企業などへ一時的にも混乱を招いたことは否めない。 

 

 以上の理由により秩父市議会は秩父市長北堀篤氏に対し、議会への不誠実さや行政のトップとして責任感の欠如、また資質を疑う言動は、二元代表制の一翼を担う議会の存在意義を問われかねないため、このような事態が繰り返されないよう猛省を促すものである。 

 

以上、決議する。 

 

令和3年12月15日 

秩 父 市 議 会