先日、NPO法人多摩住民自治研究所による「合併自治体検証・特別講座」を受講させていただきました。

 

平成の大合併によって、全国で市町村の合併が進みました。

秩父市も平成17年に合併し、11年が経過しています。

 

すでに合併した秩父市に住んでいる私たちですが、

そもそもなんのために合併をすることになったのか、

合併に向けての住民の皆さんの期待はどのようなものだったのか、

どのような約束が交わされての合併だったのかを、あらためて見直し、

現状と照らし合わせて、検証をすることは大変重要なことと考えます。

 

また、合併から10年を経過することで、国からの地方交付税の合併算定替期間が終了し、段階的に地方交付税が減額されるとされており、秩父市はすでにその段階的な減額の期間に入っています・

 

さらに秩父市では、平成29年3月に竣工した秩父市役所本庁舎・秩父宮記念市民会館の建設費について、合併特例債が充てられたこともあり、

あらためて、合併特例債とはどのようなもので、

どのように使われることが望ましいのか、

後年度の負担の実態はどのようなものなのか、

といった検証の必要性もあります。

 

市町村の合併について、財政状況の変化などの観点から分析した今回の講座を通じて、以下のようなことが気づきや学びとしてありました。

 

1、旧秩父市、旧吉田町、旧大滝村、旧荒川村に住んでいらっしゃる方々が合併に期待することとして大きかったことに、「行政組織が統合されることにより、効率化が図られ、ムダがなくなり経費が節減できる。」「生活の利便性の向上」「一体的な整備による魅力あるまちづくり」などがある。

このような住民の皆さんの期待に、合併以降の市政は応えられているか、という観点が検証のためには重要である。

 

2、合併前の旧市町村の財政状況について、旧荒川村の合併直前の財政状況はかなり健全性が高いのではと感じた。(経年変化などさらに分析が必要。)当然のことながら、旧市町村のそれぞれの財政状況は違うので、合併へと向かうそれぞれの意図があったのだろうと想像できる。

 

3、合併特例債について、秩父市においては、合併特例債の現在高がだんだんと増えていることがわかる。

特例債を起債した事業の一覧をみると、中心市の旧秩父市内での事業の割合が多いことがわかる。合併した地域全体の均衡ある発展を促す、という観点からすると、合併特例債はその本来の役割を果せてきたのだろうか。

 

講師の大和田一紘先生からいただいたアドバイスには以下のようなことがありました。

 

〇合併特例債はできるだけハコモノではなく、維持管理費として公共施設などの修復のために使うべきではないか。

 

〇市の姿を考えるときには、市の最上位の計画である「長期総合計画」に立ち戻ること。

 

合併特例債を、公共施設の修復に使う、という考えは、合併によって面積が広くなった秩父市の各所に住んでいる皆さんへの公共サービスを維持するために、総合支所を維持修繕するというように、とてもよい特例債の使い方だと考えます。

 

今回の講義から学んだことを皮切りに、より視点を広げて秩父市の過去の中長期的な財政状況た社会経済的な環境の変化も分析し、これから先の秩父市政を考える礎としたいとおもいます。

 

NPO法人多摩住民自治研究所の皆さま、大変お世話になりました。真にありがとうございました。