みなさんは、避難者カードをご存知ですか?

 

避難者カードとは、災害が発生して避難指示などが出された時に、

避難所の受付に提出していただくことで、

どのような方が実際に避難所に避難しているかを把握し、

避難所の円滑な運営に役立てようとする記入式のカードで、

内閣府の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」では、作成することが望ましいとされています。

 

今回の一般質問では、市の避難者カードの作成状況の確認と、

要配慮者の把握をより円滑にするために、チェック欄の導入についてなどを提案をさせていただきました。

 

質問を通じて、

秩父市は、避難者カードについて、本年1月の秩父市防災会議へ報告をした後、4月開催のコミュニティ懇話会にて町会長のみなさまに配布するとともに、市のホームページにも掲載し、周知したい。

という考えが明らかになりました。

 

今回の一般質問にあたり、

避難者カードを策定していない自治体や、策定していても項目が不足しているような自治体に対して策定や見直しを進めるとともに、標準化として内閣府があるべき避難者カードを例示するように働きかけている、超党派議員連盟の『避難者カード標準化プロジェクト』の活動や提言などを参考にさせていただきました。真にありがとうございました。

 

超党派議員連盟『避難者カード標準化プロジェクト』

http://www.hinansha.com/

 

 

以下、一般質問の詳細です。

 

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質問 清野

 

(3)避難者カードについて

内閣府が平成25年8月に策定した「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」では、

「避難者の数や状況の把握は、食料の配給等において重要となることから、避難者一人一人に氏名、生年月日、性別、住所、支援の必要性の有無等を記帳してもらい、避難者名簿を作成することが望ましいこと。」 

「そのため、こうした個別の情報を記載でき、情報の開示先、開示する情報の範囲についての被災者の同意の有無についてもチェックできる避難所名簿の様式をあらかじめ作成し、印刷して避難所の備蓄倉庫に保管しておくことが望ましいこと。また、避難所運営訓練をとおして自治体担当者と住民がこれら様式を普段から活用できるようにしておくこと。」

と「避難者カード(または避難者名簿)」の作成が望ましいと示されています。

 

具体的には、災害が発生し避難指示等が発令された場合に、避難所の受付に記入した避難者カードを提出していただくことで避難誘導や避難者の把握に活用するとともに、避難所での混乱、混雑の防止に役立てようとするものです。

 

この避難者カードについては、策定状況や策定されたカードに要配慮者に関する項目などが設けられていないなど、自治体ごとに対応がまちまちとなっている現状です。

この避難者カードについて秩父市の策定状況はどのようになっているでしょうか。

 

 

答弁 総務部長

避難者カードは、避難所開設・運営マニュアルにおいて規定いたしました

市では、避難所を開設し、避難者を受け入れる際に、受付にて、避難者カードに家族情報をご記入いただくことになります。

 

再質問 清野

秩父市ではすでに避難者カードが策定されている、ということで先日いただくことができました。

一枚一枚のものを束ねて名簿にしていく、というようなものになっているわけなんですけども。この避難者カードなのですが、秩父市にちゃんとあることを初めて知った次第です。

秩父市の市民の方々もなかなかこういうものがあることは、知らないんじゃないかぁと思っております。

 

先ほど避難所の開設訓練などを実施するというような考えもあるということでしたけども、そういうことを通じて非常時にはそういう避難者カードっていうものがあるんですよ、という事を周知していくことも大事だと思います。

自治他によっては市のホームページに「いざというときに備えて、事前に必要事項を記入しておき、すぐに持ち出せるよう分かりやすい場所に保管しておいてください。」というかたちでですねダウンロードができるようになっている自治体もあるんですね。

秩父市でも、平時から避難者カードの存在について周知することが重要と考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁 総務部長

避難者カードを含む「避難所設置運営マニュアル」、これは本年3月に策定いたしまして、本年実施しました職員対象防災訓練、ならびに秩父市総合防災訓練を経て見直しを実施いたしました。

今後、1月になりますけれども、秩父市防災会議への報告をした後、4月開催のコミュニティ懇話会にて各町会長様に配布するとともに秩父市ホームページにおきましても掲載し、周知したいと考えております。

 

再質問 清野

広く周知する、という考えがあるということで了解いたしました。

こちらの秩父市の避難所カード、さきほど最初に申し上げましたけども、全国各地でですね、かなり内容がまちまちになっております。

かなりよくできた避難者カードなのかな、とも思っているんですけども、私が一点気になったことはですね、要配慮者の把握についてなんですけども、特記事項になっているんですね。

もし、そこに「特に配慮をすることがあれば記載してください。」となっています。ただ全国をみますと、どういうことが要配慮者の項目に入るのか、っていうことを知らなかったりする場合に何を書いていいのかわからなかったりすることもありますので、全国をみますとチェック項目になっているところもあるんです。

例えば「要介護高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、アレルギー等の慢性疾患を有する者、外国人」といったチェック欄が設けられていて、避難所生活で重要となる要配慮者に関する情報を素早く入手できるようになっているものもあります。

そういうことを含めてチェック欄を設けてみてはどうかと思うんでけども、その点についてはいかがでしょうか。

 

答弁 総務部長

避難者カードを含む「避難所設置運営マニュアル」につきましては、様々な市民の方々のご意見をうかがいながら順次見直しをしていくことで、よりよいものへと進めていきたいと考えております。

 

清野

順次見直すという事で、それが大変大事かと思います。

この避難者カードについては、自治体によっては外国人の方向けの外国語表記のものがあったりとか、先ほどもありましたペット同伴の有無についての項目や、車中泊をされるような方々がどこに避難しているのか、避難所じゃないところにいる場合どこにいるのかっていうのがわかるような項目をつくることも検討できるのかな、と思いますので、ぜひ改善をしていっていただきければと思います。

 

この避難者カードについては、超党派地方議員連盟の『避難者カード標準化プロジェクト』というものがありまして、標準化として内閣府が本来あるべき避難者カードを示すことが大事だという風に働きかけています。

災害には自治体の境がありませんので、もちろん地域性は大事ですが、秩父市としてはまず近隣の四町の策定状況や内容の確認などが必要ではないかなと私は考えています。