今年の秩父夜祭は
ユネスコ無形文化遺産への登録、そして土曜日開催ということも重なり、
過去最多の38万6千人もの方々が訪れてくださったとのことです。
一人でも多くの方に、秩父の祭に触れ、風土に触れ、人に触れ、
秩父を感じていただければ本当にうれしいです。
盛大な祭となり、秩父に住む人間として大変感慨深いです。
夜祭の本祭を終え、今、想っていることを記しておこうとおもいます。
①秩父夜祭絹市について
いままで夜祭に関わる機会があまりなかった方々が、あらたな切り口で祭にかかわることができる可能性が広がったように感じます。織物商品やクラフトなど、秩父の手づくりの良さを感じてもらい、お客さんと作り手や売り手の方々、地元の方々とのコミュニケーションが出来る場をつくることで、人と人とのあたたかい結びつきが生まれてくると考えます。ぜひ、これからも絹市を継続していただきたいです。
特産の“秩父銘仙”絹市が復活(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20161203/4837671.html
②「住んでよし」「訪れてよし」のまちづくり
今後は「文化の多様性や人類の創造性を証明する」
このような素晴らしい祭を伝承しているまちとして、地域として
より高い意識をもちながら、
通年観光のいっそうの充実のためのまちづくりが必要と考えます。
そのためには観光客を呼び込むことに注力するだけではなく、
あるきやすいまちづくりや公衆トイレなどのさらなる改善が必要でしょう。
住み心地のよいまちは、訪れる人にとっても魅力的なまちのはずです。
③祭の伝承の為にも「住みつづけられるまち」に
祭の伝承のために、多くの方が努力をされています。そのような方々の力があってこそ祭が伝えられています。
公の仕事に携わる者として、この地域の未来のためにやらなくてはならないことは、
秩父に住みつづけたいと願う方々が住みつづけられる環境をつくることと考えます。
その最たるものは雇用です。
多くの方から、本当は秩父に住みつづけたいけれども、住みつづけられない現実をうかがってきました。
自分の息子に秩父に戻ってきてほしいけども、戻って来れないもどかしさに出会ってきました。私は、なんとかそこを変えたいのです。
今年も祭を通じていろいろなことを感じさせていただきました。
この地域に素晴らしい祭があることにあらためて感謝しつつ、
私たちはこの時代をどのように生きていこうか、と想いを巡らせています。
今年も、秩父夜祭、真にありがとうございました。