フィフスディメンション「ビートでジャンプ」

「UP UP and AWAY」(原題)

 

この曲は1967年のヒット曲でフィフス・ディメンションのデビュー曲としてヒットしている。

日本での曲名は「ビートでジャンプ」だが、歌詞の中には

ビートもジャンプも出てこない。

 

しかし、当時の感覚では「ビートでジャンプ」という言葉を

聞いたらこの曲はぜったいイケてる・・と思ったものだ。

ぼくはもう少しダンスの踊れるR&Bだと思っていた。

 

作曲はシンガーソングライターでもあるジム(ジミー)ウェッブで、

気になる作曲家の一人だ。

「恋はフェニックス」「マッカーサーパーク」他、

グラミー賞も何度か取ったジムウェッブの出世作が

「UP UP and Away」(ビートでジャンプ)だった。


曲は「ぼくといっしょにバルーンに乗りませんか?」という

気球を愛に見立てたラブソングでオーケストラも美しい名曲だ。

 

1970年万博のイメージと重なり、空高く舞い上がる

当時のハイな気分を象徴するようなさわやかな曲だ。

 

フィフスディメンションの’70大阪万博来日公演は

今でも語られる最高の名演だったと言われている。

 

その頃は

「世界はひとつ」の夢を見た時代。

東西冷戦時代と言われていたが、

空気は明るかった。

 

当時に比べより精神性の高い人が増え

多くの祈りを集め、時代は穏やかに進化した・・・

はずなのに。

 

結局、この世は少数の良い心人たちの「思い」で

変わるのではなく、

皆がどう行動したかの結果なのだろう。

 

ネット時代になって、少数の過激な意見がクローズアップされ

影響を受ける、繊細な世界になってしまった。

 

自分は主張するが、人の話を聞かない。

相手を認めない。話し合いができない

エゴ丸出しの21世紀になっていると思うのだが・・

 

若者たちが求めた自由・平等、民主主義、

ヒューマニズムという言葉は、

すっかり聞かなくなってしまった。

 

それが真実だったかはともかく

今、ほど短絡的ではなかったし。

前向きな言葉も使われていた。。

 

フィフスディメンションの大ヒット曲は

「輝く星座」(アクエリアス)

フィフスディメンションは全員が黒人さんでシャウトもするが・・、

R&Bではない。ディオンヌワーウィックもR&Bではない。

彼らが商売したのは白人マーケットで、音楽もブラックではなく

カフェラテということだ。

 

マリリンマックー(右側の女性)とビリーデイビス(その後方)は結婚して

幸せいっぱいだったし・・

ブラック好きにはフィフスディメンションは平和でおしゃれすぎた。

 

今だからこそ、聞いてみるとちょうど良い。

その音楽の先進性やメッセージがなつかしくも

心地よく聴ける音楽だ。