下灘を模型化するにあたって、なくてはならないのがネットフェンスです。こちらは駅舎の左側(松山側)にあるもの。

 

こちらは駅舎の右側(長浜側)にあるもの。

 

こちらは夕焼け団地にあるもの。いずれも支柱と支柱の間は2メートル(Nゲージで13.3㎜)、高さはネット部分の横支柱の上から下までで実測で115センチ(同7.7㎜)です。

 

こちらは「モダンな家」のフェンスです。高さは若干低いのですが、同じ規格品と思われます。

 

このネットフェンスをどうやって模型化するかは、今回のプロジェクトの中でも一番悩んだ部分です。お金に糸目をかけないならば、こばる、というメーカーが細密なエッチングパーツを発売しています。同社は残念ながら今は鉄道模型ビジネスから撤退してしまいましたが、サカツウさんが同じものを引き続き販売しています。

 

こちらが小生が実際に購入したこばる製のパーツで、実によくできているのですが、1,100円もして、「エコノミーモデラー」を自負する小生が、こんなに高いパーツを使ってよいものでしょうか…。しかも高さが6㎜、10㎜、12㎜で、下灘の7.7㎜にどんぴしゃのものがありません。

 

そこで購入したのがキャスコ社が発売するこちらです。塩ビに細かな印刷がしてあるものが300円ちょっとで、お財布にはぐっと優しいのですが、ネットで探しても銀色は品切れ状態で、緑色しかありません。あと、これも高さが9.5㎜で、スケールに合いません。

 

かくなる上は、透明プラ板にカッターで溝を掘って白の塗料を刷り込んで、と思ったのですが、スケール通りだと溝のピッチは0.38㎜で、正確に掘るのは至難の業です。実際に試そうとして10倍サイズで設計したものを10%に縮小印刷してみたら、拙宅のプリンターでは線と線の間がつぶれて見えなくなってしまいました。

そんな中で見つけたのが今売り出し中のオーストラリアのモデラー、ルーク・トーワン氏のYouTubeで、HOスケールですが、細密なフェンスの作例がアップされています。氏はネットの素材として、ウエディングベール、すなわち花嫁さんが頭からかぶるレース生地を使う、とさらっと言っていて、たしかに「ナイロンチュール」でネット検索すると、いろんな素材が出てくるのですが、ハテ、どこでどう買えばよいのやら。しかも小生が作ろうとしているのはNスケールで、氏の作例よりさらに細かいものが必要です。

 

ここから素材探しの苦闘が始まりました。網の細かさを表す単位を「メッシュ」と呼び、1インチ(2.54センチ)あたりの穴の数で表現しますが、下灘のネットフェンスをNゲージにすると約70メッシュで、こんな細かい穴の素材はなかなかみつかりません。しかも穴が細かすぎると布みたいになってしまって、ネットの感じが出ないのです。一方、ウエブ上には目の細かい金網を使った作例もありますが、これだと線が太すぎてごっつい感じになってしまいます。

 

で、ホームセンターに行くと張り替え用の網戸があります。通常は20メッシュ、細かいものが24メッシュなのですが、さらに防虫機能を強化した30メッシュのものがあります。店頭でみるといい感じなので、これを買ってきました。91センチ×2メートルのものが600円で、一生で使い切れないサイズです。

 

ところが最後の最後、ダイソーで「メッシュケース」というのをみつけて、グレーのものを買いました。100円です。(すみません、写真は切断しようとして裏返しているものです)。

 

網の目を数えると約35メッシュで、網戸よりも細密です。これを使うことにいたしましょう。

 

素材選びだけでダラダラと長くなってしまったので、工作は次回からご紹介します。それにしても、ホームセンターで買った30メッシュの網戸、どうするんでしょうね…。ああ、もったいない。