最近観た映画で印象に残った作品を一つ紹介。
『TERROR OF HOUSE』という2015年のホラー映画(邦画)。
「夢追い人(バンドマン志望、芸人志望、漫画家志望etc...)6人をシェアハウスで共同生活させるリアリティショー」の撮影のために集められた若者達が軸となって進んでいく映画。
共同生活をしていく中で、メンバー達は生活に違和感を覚え始め...
・毎日楽曲作りに打ち込むバンドマンの卓哉。それなのに作曲用ノートはいつまで経っても真っ白のまま
・漫画家志望・由佳里の原稿は一切先に進まないまま
等々、自分たちは「同じ一日をループしてるのでは?」と勘づきはじめ...
で、ここからはネタバレになってしまうのですが、
なんとこの無限ループは、"彼らがすでに死者であるため"ということが判明。
その後、自分達がなぜ死ぬことになったのかの真相に迫っていく様が描かれるのですが...
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この映画を観て感じたのは、
「"登場人物達が実は死んでました!"という文字通りの"死"
という表のストーリーの他、
「"夢に破れた"という比喩的な意味での"死"」という裏テーマがあるのでは
ということですね。
メンバーの一人が一番最初に最初に「もしかしたら自分達は死んでいるのでは?」と気づいて口にした時、卓哉は
「俺の音楽は死んでると言いたいのか!?」
と、痛い所を突かれたように激昂するシーンがあり、、、
直接的な描写や言及は無いけれども、卓哉(だけでなく他のメンバーも)はこの時点ですでにそれぞれの目指す分野に対する能力的な限界を自覚してたのかな、と感じます。
そもそも「同じ毎日をループして、作曲も原稿も進まない」というのも、力の限界・行き詰まりを暗示してるのかもしれない。
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シンプルに観れば、純粋に「ホラー作品」として楽しめる側面
と
敢えて深読みして考察してみれば裏テーマやメタ的な要素が隠れている側面
という"二重構造"になっているのがスゴイ作品だった!
"「表テーマ」と「裏テーマ」の二重構造"というのも、人を惹きつける作品の必須要素なのかもね。