【ネタバレ注意】星新一ショートショート集「マイ国家」感想 | 狸穴の雑多ブログ

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今回はSF作家・星新一氏のショートショート集「マイ国家」の感想です。

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タイトルにもなっている「マイ国家」を始め、全31個の短編ストーリーが収録されています!

星新一のショートショート集。

ストーリーの特徴は
さながら「笑うせぇるすまん」道具でズルしようとして最後に痛い目見る「ドラえもん」ののび太くんを彷彿とさせる

 

不思議な展開の中で、最後にデカイどんでん返しが起こる
 

というもが挙げられます。

 

たとえば、

 

「突然、底も見えないくらい大きくて深い穴が出現した。ゴミ捨て場として使っていて、核廃棄物までそこに捨てていたが、ある日穴に捨てていたものが空から降ってきた」

 

というようなモノガーン

 

ブラックな展開が溜まらないですね~

星新一、好きな作家の一人です。


そんな星新一ショートショート作品群の特徴に比して、今回収録されたお話は、少し毛色が異なっているように感じました。

 

今回のお話の多くが、「オチが秀逸」というよりはむしろ、ストーリーが進む過程の中で笑いの要素をちりばめている感じでしたね。

たとえば、タイトルにもなっている「マイ国家」では、独り暮らししている自分の家を「独立国」と主張する男が登場します。

融資の営業に自宅へやってきた銀行マンを「領土侵犯」としてとらえるのですが、(これだけでも突飛な発想ですよねw)

営業マンへ向けた包丁を「国防のための軍事力」と称したり、
その場の思い付きを「国民と政府と裁判所(※全部自分一人だけ)による議決」と言い張ったり

突拍子もない発想が面白いです!

 

あともう一つ挙げるとするなら、ウサギとカメの童話をパロディにした「ねむりウサギ」も同じような感じです。

 

何度競走してもカメに勝てないウサギが、負けてしまう理由を探ろうとするのですが、、、

 

精神的な要因があるのかもしれないと考え、精神分析してみる

何かの呪いかもしれないと思い込み、お札やお祓いに頼る

 

迷走していくウサギの様子が、面白おかしく描かれています!

 


いつもとは一味違う、星新一の新たな魅力に気づきました!