雨のリオデジャネイロ
こないだの週末は、雨降りでした。
リオデジャネイロは、海と山の自然と、都市の風景が調和して、どこもかしこも綺麗な景色ばかり。
晴れの日はもちろん、雨が降っても、曇り空でも、綺麗なんですね。
もちろん、雨も大事。
それに、リオの住人としては、多少の雨なら、濡れながら、ウォーキングも平気。
でも、カッパさんや、ポンチョさんになるほどの気合いはないので、この2日間は、大人しくしていました。
それで、思い出した話を。
雨のリオも良いとは言いながら、国内外を問わず、ヨソから友達や仕事の関係の人が来ている時は、やっぱり晴れて欲しいんですね。
で、思い出したのは、2016年リオ五輪の時のこと。
テレビのコメンテーターとして、柔道60キロ級で、五輪金メダル3連覇の野村忠宏さんが、リオに来られていました。
大会が始まったら、もう本当に忙しくなる。
でも、その前に、取材の隙間を数時間でも作って、少しでも、五輪会場の外に出て、リオを感じてもらうのが良いんじゃないか、という話になりました。
リオは、行って欲しい、見て欲しい場所がたくさん。
とは言え、限られた時間の中、やっぱりリオを肌で感じてもらうには、王道の観光名所を見てもらうのが、一番良いかな。
例えば、有名なコパカバーナビーチだって、聞くのと、実際にその場に立つのでは、何か感じることが違うかもしれない。
…等々、私も張り切ったわけです。
が、当日は、あいにくの雨。
車に乗って、おでかけしたんですが、車窓を眺めながら
私「ここは、ポン・ジ・アスーカルと言って、2つの山が並んでて、ロープウェーで登れるんですよ。
前にリオに来た日本の人で、あの頂上から眺めた景色が、一番感動したって言ってた人がいたんですよねぇ。
本当に綺麗なんです。
…晴れてれば、特に。」
野村さん「へぇ、そうなんですかー。」
晴れてれば、こんな感じの、ポン・ジ・アスーカル。
その後も、なんせ、雨なので、ドライブ状態で、車窓から、あれこれ説明して。
私「これは水道橋って言って、今は、橋の上を市電が走るんです。
観光用だけじゃなくて、市民の足としても。
この白い水道橋が、空に映えて、すごく綺麗なんですよ。
…晴れてれば、特に。」
野村さん「へぇ、そうなんですかー」
この「晴れてれば、特に」
あんまり続くと、野村さんはイイ人だから
「いや、そんなにアレだから、大丈夫ですよ、気を遣わなくて」
運の良いことに、少し雨が止んだタイミングがあって、今のうちに、キリストさんを見に行こう!と。
有名な、コルコバードの丘へ。
トロッコ列車に乗り込んで、急な坂を、ワイワイ言いながら登って。
そして、頂上。
…霧雨と雲で、白く煙った頂上。
私「ここは2つ、すごいことがあるんです。
まず、ここから見下ろすと、その眺めは、もう、これ以上ない絵葉書カット。
…晴れてれば、特に。」
(真っ白で、見えないやーん。)
私「で、見上げると、キリストさんが下から見ていた時の想像よりも、もっとずっと大きくて、雄々しくて、圧倒されるんです。
…晴れてれば、特に。」
(白く霞んだ空に、キリストさんが、うすーく、見えるか見えないか…)
晴れてると、こんな感じ(笑)
それでも、みんなでキリストさんバックに、写真を撮って、遊びました。
最後は、雨が降ってもおいしい、ブラジルのお肉を食べて、ブラジル版チューハイみたいなお酒、カイピリーニャを飲んで、おしゃべり。
五輪の思い出などを聞いて、それが本当に楽しくて。
私「晴れた日に、またちょっとでも、外に出られる日があると良いんですけど。」
野村さん「いやいや、楽しかったですよ。ありがとうございました!」
野村さんが、すごくイイ人なことに支えられながら、つかの間のリオ体験を締めくくった次第です。
今も、語り草にしてしまう、雨のリオのお話でした ♪