![](https://www.footballista.jp/wp-content/uploads/2020/09/200913_coritiba.jpg)
ジョルジーニョのジョギング
昨日書いた、私がいつもウォーキングしてる海岸通りは、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、犬の散歩…等々で、たくさんの人が行き交っています。
この辺りに住むカリオカ(リオっ子)は、老若男女、エクササイズ好きの人が多いんですよね。
その中には、元選手や監督など、サッカー関係の人も多くて、すれ違いながら「オーイ、元気?」と挨拶を交わすことも、しばしば。
で、あれは5月のこと。
その日も、せっせと歩いていると、後ろから走ってくる足音。
そして「コンニチハ!」と日本語。
私は、誰か日本通(ツウ)の人か、単に、アリガトー、とか、コンニチハ、とかだけ知ってる人が、日本人を見て声をかけたくなったのかな、と思って、振り向きもせず、すたすた歩き続けて(笑)。
ほら、あの頃はまだ、今以上に、人との距離が近づくことに、むっちゃ神経質になってたし。
すると、その声の主はすぐに追いついて、右側から「コンニチハ!」
私が、距離を開けようと、左に避けかかったその時。
「キヨミー!」
ん?と思って、見てみると、その人が
「僕だよ、ジョルジーニョ!」
で、一瞬だけマスクをズラして、ニコッと笑って、マスクを戻す。
私はようやく、
「ひゃー!ジョルジーニョだー!」
いやもう、これまで長年、いつもおしゃべりして、インタビューだって、100回どころじゃないぐらい、してきた人の声。
それにピンと来なかったという、私ってどうなん。
だって、マスク越しの声だし(笑)
でも、分かった時には、飛びつきたい衝動を、グッと抑えるほど、嬉しかったんですよ、実際は。
報道されていたのでご存じの方もいるかと思うけど、ジョルジーニョファミリーは、本当に大変だったんです。
ジョルジーニョの義理父さんが、新型コロナで亡くなって…。
ジョルジーニョも、奥さんも、長男くん、長女ちゃんも、みんな感染してしまいました。
彼自身は無症状だったけど、他の3人は、発熱、咳、味覚・嗅覚障害…と、いろいろな症状が出て、とてもキツかったそうです。
次女ちゃんだけが、同じ家で、同じように抱き合ったり、キスしたり、普通に暮らしていながら、感染せずにすんだそうなんですね。
3月、ちょうどリオをはじめとするブラジル各地で、外出規制が始まる1週間ほど前、ジーコサッカーセンターでのイベントで、ジョルジーニョと会ったんです。
ジーコが昨年末に開催したチャリティーマッチの収益を、貧しい子供達のための、数々の施設の責任者達に手渡す、セレモニーがあって。
会場に花を添える形でジョルジーニョが参加していて。
ジョルジーニョ自身の慈善活動についてインタビューしたり、タイミング的に、ボタフォゴに移籍した本田圭佑選手が、デビュー戦を迎える前だったので、本田選手について聞いたり。
いつもと変わらず、とてもニコニコと話してくれました。
その時は、まさかそんな大変なことになるなんて。
で、4月、まだ感染でご家族が大変だった頃、オンラインで話したんです。
その時には、笑顔は見せてくれたけど、それはもう、とても疲れている様子で、心が痛みました。
そんなだったから、5月にジョギングして、元気に「コンニチハ!」って登場したジョルジーニョを見た時は、本当に、本当に、ホッとしました。
で、しばし横並びで歩きながら、近況を話し合って、ホッコリして。
「もう家族みんな大丈夫って、それだけ伝えたかったんだ。じゃあ、ジョギングに戻るね!」
と、颯爽と走り去っていきました。
あれから、ビューンっと時が過ぎて、今、ジョルジーニョはまた監督業に戻って、戦っています。
そんな近況は、少し前になるけど、Footballistaにも書いたので、良かったら、読んでみてくださいませ。
みんな、頑張りましょう ♪