飛行機墜落から半年
インタビューをした後、その時に聞いたことを、ずーっと、ずーっと、考えてしまう話があるもので。
ずーっと、自分にも置き換えて、考えてしまう。
先日インタビューした、ジャーナリストのハファエウ・ヘンゼウの話がそうでした。
彼は、昨年11月29日に飛行機が墜落して、選手、スタッフ、クラブ首脳陣、市やスポンサー、クラブ関係者、報道陣など、合わせて71人が亡くなった、シャペコエンセの悲劇の中、その飛行機に乗っていながら、生還することができた6人のうちの1人です。
彼が本を出版したので、取材に行ってきました。
それがこちら、
Planeta Kiyomi
Lançamento do Livro de Rafael Henzel
シャペコエンセ飛行機墜落から生還したジャーナリストの本
YouTubeはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=1eopgRbbJSY
Facebookは
https://www.facebook.com/planetakiyomi
出版記念のサイン会が、本屋さんで行われたんです。
そこで、インタビューをする前に、カメラマンのヴェントゥーラは、お客さん達の様子を撮っていて、私は他のお客さんと同じように、本を買って、サインをしてもらう列に並んで。
順番待ちの間、少しだけど、パラッパラッと拾い読みしていたら、もう、ポロポロ泣けてきて。
墜落の前、その瞬間がどうだったか、救出された時の状況は、気持ちは。
その緊張感はもちろん、生還し、その衝撃を乗り越えて、今、彼がみんなに伝えたいメッセージが込められていて。
私の順番が来て
ギューって抱きしめてもらうと、もうね。
直接会うのは初めてだったのに、ハファエウは私のことを、よく知ってるよ、と。
出版社の人に、私のことを、もう実質ブラジル人のようなもので、ブラジル代表を取材していてって、説明したりして、ポロポロ泣く私が落ち着くよう、笑顔で話してくれる、その優しさ。
そして、インタビュー。
こういう手記って、書くのにすごく勇気がいると思うんですよね。
恐怖の瞬間や、とてつもなかっただろう痛みや、救出された後の治療中の不安や、亡くなってしまった人達のことや、本当に、苦しくて辛くて悲しいことも、1つ1つ、思い出さなくちゃいけない。
考えたくなくても、考えずにはいられないことを、あえて自分からきちんと、考えて整理しなきゃいけない。
どんな思いで書き進めたか、彼は話してくれました。
そして、その経験から、その書く作業の中から、自分の中で、この悲劇がどう昇華されていきつつあるのか。
まだ半年しか経っていない。あの墜落から。
それでも、生きてさえいれば、人はまた立ち上がり、これほど強くなれるんだと。
強くなれない時にも、それならどうやって生きていくんだと、前向きに進んでいけるんだと。
教えてもらったような気がします。
出版記念のサイン会には、メディアやサッカー界の知り合いも来ていて、みんな、一般の人と同じように本を買って、やっぱり並んでいる間に拾い読みして、順番が来たら、彼と短くても言葉を交わしていたので、それぞれに一言ずつインタビューしました。
この人、覚えてますか?
ヴェルディでもプレーした、ラモン。
今は監督として頑張っています。
ともかく、この日の気持ちを忘れずに、1日1日を、今しかない1日だと分かって、大事に生きていかなきゃ、自分の大切な人を、大切だと実感しながら生きていかなきゃ。
そうすれば、人生ってもっとすごくイイものになるのかな。
人生を、この瞬間を、大切なものだと教えてくれたハファエウ。
是非、ご覧下さいませ ♪