スリ撃退?
こないだ、南米予選ペルー戦が開催された、ブラジル南端の街、ポルトアレーグリに行ってたんですね。
ポルトアレーグリとは、直訳すると、「喜びの港」。
海はないけど、グァイーバ川という、大きな川が有名です。
取材もいろいろやれて、思いがけない楽しい出会いがあったりして、良い旅だったのですが、ある1日、たった1日で3度、心臓がバクバクすることがありました。
1度目は、街の雑観を撮りに行った時。
ヴェントゥーラは映像の方のカメラを回しつつ歩き、私は、写真の方のカメラで、パチパチ撮りながら歩いていました。
で、この写真を撮っていた時。
陸橋から、緩やかな坂道が両側に続いているのが、おもしろいなーと思って。
で、ヴェントゥーラは先に、坂を下り始めていたので、私1人が陸橋の上。
だから、私が1人で、カメラを構えていると思ったのでしょう。
通りかかったおっちゃんが、すすすすーっと私の横に寄ってきたのです!
そして、私の耳元で、ささやくように
「カメラ、気をつけないと、危ないよ!」
うあああああん!
おっちゃん、ありがとう、本当にありがとう。
でも、おっちゃんの近寄り方にこそ、めちゃくちゃビビったわー!!!
私、その後はなんか、心臓バクバクして、まったく落ち着いて撮れなくなっちゃいました。
で、その日の夕方。
まだ明るいうちだったんですが、お昼を食べてない私とヴェントゥーラは、早い夕食のために、街を歩いていました。
こういうかんじの場所。
繁華街を抜け、オフィス街の真っただ中。
さらに行くと、市場があるので、そっちに向かってました。
私、意識せずに歩くと、自然とキティちゃんのように、両手を前後に元気よく振って、歩いてしまうんです。
(あ、キティちゃんが歩いてるところを、見たわけじゃないですが)
で、その振った手が、前後を歩いている人に、バシっと当たって、「あっすいません!」ってことも、たびたび。
その時も、そうやって歩いていたのでしょう。
左手が、後ろの人に、バシっと当たってしまいました。
思わず、「あっすいません!」と言って振り向くと…。
そこには、一瞬のうちに、意図的に出した手を、あわてて引っ込めた、って感じの若い男の人。
その距離感、ひっこめ方、そして、私の「すいません!」へのリアクション、その後の、妙な感じの遠ざかり方と、何やらメモを見るフリして、顔を隠すしぐさ…。
ピンッと来ました。
ヤツは、すろうとしてた!
普段は私、カバンはたすき掛けして、さらに自分の前に来るようにしてるんだけど、その時はなんか、左にズレてたんですよね。
その場は心臓バクバクで、あとでその場を離れてから、ヴェントゥーラに言いました。
小さいバッグだけど、たすき掛けにしてたのに!
カバンはチャックがついてて、ぴったり閉まってるのに!
しかも、カバンが下がってた左側には、ヴェントゥーラが歩いてたのに!
でも、奴は絶対、すろうとしてた!
ヴェントゥーラ
「ああいうスリは、本当にテクニックを持ってるから、そういう状況でも、スレる時は、スルんだよ!」
元気よく手を振って歩いてなかったら、どうなってたか。
私はもう、すっかり神経質に。
で、その夕食の後、すでに暗くなった街を、ホテルに向けて、てくてく歩いてたんです。
賑わってる場所と、賑わってる場所の間に、10mもない、暗い道があって。
その暗がりの両側の道端に、数人の若者が、しゃがみ込んでいました。
その手前で、ヴェントゥーラ、一言。
「におう」
確かに、ただ座ってるだけだったんだけど、良からぬ感じが、におうんです。
またしても、心臓バクバク。
でも、無事若者の間を通り抜け、遠ざかる私とヴェントゥーラ。
その時、ヴェントゥーラが、何気ないフリを装って、後ろの様子を見ました。
私はバクバクしてるもんだから、自分も後ろを見たくて、振り向きかけました。
ヴェントゥーラ、すかさず
「見るな!!!」
と、おさえた強い口調でビシッ。
そして、賑やかなところにたどりついたんだけど、こわかったー。
リオでも、私の住むバハは、かなり治安が良いんですね。
もちろん、1人で夜に外へ出たりしないし、日々、日本にいる時とは違う意識で、気をつけて暮らしてはいるけど、それでも、ちょっと気が緩んでるところがあったかな。
何事もなかったから言えるんだけど、久々に、そういう意味での緊張感を思い出して、気を引き締めなおした日でした。
でも、ポルトアレーグリも、本当にいいとこなんですよ!
今度は、いいとこ、書きますねー。
後、食べますー。
ブラジルでは、でっかいのが多いので、子供達は、何日もかけて食べるのが楽しみなんです。
ってところもあるんですよね。