毎年ヴェローナで開催されるワインの見本市「ヴィーニタリー」。私は日曜日に電車で行ってくることにしました。ミラノ中央駅からヴェローナ・ポルタヌォーヴァ駅まで、Freccia Rossa(フレッチャ・ロッサ)で約1時間半。そこから送迎バスが無料で出ているので、それに乗って会場へ。見本市はかなり広いので、事前に行く生産者さんとエリアをチェック。さっそくVite(ヴィーテ)エリアから開始! 「Marabino(マラビーノ)」は、シチリアのノートでつくられるNero d'Avola(ネロ・ダヴォラ)種を畑違いでボトリングしています。

続いて「L'Archetipo(ラルケティポ)」のスタンドへ! 私のお店では、Fiano Minutolo(フィアノ・ミヌートロ)種のみを置いていますが、土着の品種Susumaniello(スースーマニエッロ)種を使ったスプマンテのロゼが面白かったのでご紹介。「Susumante(スースーマンテ)I.G.P.Salento Rosato Vino Spumente(サレント・ロザート・ヴィーノ・スプマンテ) 2023 Brut(ブリュット)」。このロゼはいろいろなお料理に合いそうです。ちなみに、写真のおふたりは兄弟。

続いて、Fivi(フィーヴィ)エリアへ! さっそく「Cesconi(チェスコー二)」を訪問! 試飲したスパークリング・ワインはすべて文句なしですね。さすがです! ①「Trento DOC Blauwal Cuvée Extra Brut」②「Trento DOC Blauwal Extra Brut Rosè 2019」③「Trento DOC Riserva Der Blauwal Extra Brut 2015 Ch.」④「Trento DOC Riserva Der Blauwal A.P. Extra Brut 2011 Ch.」4本ともすべて「Torento DOC(トレント・ドック)」。「Manzoni Bianco(マンゾーニ・ビアンコ) 2022」もしっかりミネラルが感じられ、余韻も長く、また入荷したいワイン。

クオリティと価格のバランスがとてもいいワイナリー「Napolini(ナポリー二)」へ。Matteo(マッテオ)がワインの説明をしてくれました。白を試飲して欲しいとのことで、まず「DOC Colli Martani(コッリ・マルターニ) Grechetto Vigna di Clara(グレケット・ヴィーニャ・ディ・クラーラ) 2023」を試飲。これはおいしい! しっかりしたボディで、独特の生臭い海のニュアンスがいい感じで残ります。お店で扱っている「DOCG Montefalco(モンテファルコ) Sagrantino''secco''(サグランティーノ・セッコ)。2017年はとてもいい年だったとマッテオ。熟成させてタンニンをもう少しこなれた状態にしてから、ゆっくり飲みたいです。

Treiso(トレイゾ)の「Baldissero(バルディッセロ)」のスタンドでは、オーナーでエノロゴのMarco(マルコ)とかなり長話をしてしまいました。彼のおじいさんが、有名なワイナリーにブドウを売っていたのですが、マルコはさまざまなワイナリーで働いた経験を活かし、自分のワインをつくることにしました。「Babaresco(バルバレスコ)」の地質はブルーマールで、Serralunga(セッラルンガ)と同じキャラクターだそう。厳選されたブドウでつくられる「Barbaresco Ancò(バルバレスコ・アンコ)」のクローンは「71」、つまり「Michet(ミケ)」を使用。クローンによってけっこうキャラが違うので、ひとくちに「ネッビオーロ種」と言っても、じつはさまざま。花梗もいっしょに入れて醸造しているのに、いやな苦みがまったく出ていません、逆にふんわりとした優しさに満ちています。1本のブドウの樹に5房くらいしか残さないので、まさにセレクトされたトップの1本と言えるでしょう。試飲した2021年はフレッシュなヴィンテージだった、とマルコ。

すぐ近くに「Cerutti(チェルッティ)」のGianmario(ジャンマリオ)がいました! ここでも長話・・・。Alta Langa(アルタ・ランガ)、スティルのシャルドネ、Nizza(ニッツァ)などを生産していますが、彼らのワイナリーはCanelli(カネッリ)にあるだけに、「Moscato d’Asti(モスカート・ダスティ)」も欠かせません。素晴らしい条件を備えた土地でつくられる原産地呼称「DOCGニッツァ」。「ニッツァ」と書くだけでバルベラ種とわかるように、「DOCGカネッリ」とラベルに表記できるようになったので、「ほかと違う素晴らしいテロワールでつくられたモスカートだとわかって、差別化できるようになった」と語るジャンマリオ。

面白かったのは、モスカートの生産者さんが集まって、毎年いろいろな食べ合わせを試す催しがあるとのこと。「意外な料理だったけれど、マリアージュが素晴らしかった料理はなにか教えてください」と聞いたところ、出てくる出てくる・・・「Maialino in crosta(マイヤリーノ・イン・クロスタ)」つまり、ポークのウエリントン。「Seppia(セッピア)」コウイカ。「Animelli(アニメッレ)」、「anguilla(アングイッラ)」ウナギを使った料理。「Pizza Scarola e Cime di Rapa(ピッツァ・スカローラ・エ・チーメ・ディ・ラーパ)」エンダイブとブロッコレットのピッツァ、「Acciughe fritte(アチューゲ・フリッテ)」は、カタクチイワシのフリット。「オイリーなセコンドや、苦いものに合わせると、とてもよく合うんだよ」とジャンマルコ。しかし、あのモスカート・ダスティがセコンドに合うとは・・・!? かなり驚きました。機会があったら、参加して全部食べ合わせてみたいです。食べ合わせは、自由な発想で実際にいろいろ試してみるのが大事ですよね。

 続いて、「Maccario Dringenberg(マッカリオ・ドリンゲンベルグ)」のジョヴァンナのところへ! 干ばつで、Rossese(ロッセーゼ)種の Posaù(ポザウ)などをつくらなかったと悲しげなGiovanna(ジョヴァンナ)。私の大好きなワインのひとつなのに・・・、残念! しかしながら、数年前からリリースした「Sette Cammini(セッテ・カンミー二)」はあったので、さっそく試飲しました。ロッセーゼ種はやはりエレガント。赤いフルーツと薔薇の花がいっしょのカゴに入っているよう💕色も美しく、繊細。ウサギの料理が食べたくなりました!

隣が「Musto Carmelitano(ムスト・カルメリターノ)」のスタンドでした。「DOCAglianico del vulture(アリアニコ・デル・ヴルトゥレ) Pian del Moro(ピアン・デル・モーロ)」は2018年がお店にあるので、これも試飲。2021年の酸化防止剤をまったく加えていない「DOCアリアニコ・デル・ヴルトゥレ」も試飲。鉄のようなニュアンス。超熟しますね。

最後に、トスカーナのパビリオンにある、Brunello di Montalcino(ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ)エリアにあるスタンド「Pietroso(ピエトローゾ)」へ!  写真左がCecilia(チェチリア)。毎年、彼らのワインをヴィニタリーで試飲しますが、今年の「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」2019年は秀逸! 全体のバランスが素晴らしいうえに、複雑味があり、迫力満点。圧巻です! 最後に飲んだのに、美味しくて吐く事が出来ず、堪能しました。

偉大なSangiovese(サンジョヴェーゼ)種! 素晴らしいワインで締めくくることができて大満足。生産者さんたちの生の声を聞くのは、いつものことながら大変勉強になりました。感謝!

Salute!(サルーテ)乾杯!赤ワインシャンパン白ワイン

              

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