ふたり目のマエストロは、Fabio Scarpitti(ファビオ・スカルピッティ)に続き、やはりイタリアNo.1ソムリエ。1998年の優勝者、Federico Graziani(フェデリコ・グラツィアーニ)です。

当時のワインリスト! 2005年とは・・・、とても感慨深いです。

ある日、ファビオに「キヨミ、今晩『アイモ・エ・ナディア』でソムリエが足りないようなのだけれど、行ってみる?」と聞かれました。「ええっ・・・!?」ソムリエの資格を取って、まだ間もないころです。私はずっと日本で女性誌の編集者をしていたので、当然、レストラン経験はゼロ。人前でワインを開けたこともなければ、お皿を運んだこともありません。星つきレストランでソムリエを探しているということは、すぐに動ける慣れた人が必要なのでは・・・? あれこれいろいろと考えましたが、「これも経験だし、1回行ってみてダメだったら、もう呼ばれないだろう」と、なかば開き直り、思い切って行ってみることにしました。

 

そこにいたのが、ミラノ大学で醸造学を学びながらプリモ・ソムリエをしているフェデリコでした。まったくレストラン経験のなかった私ですが、グラスの拭き方から、お盆にワイングラスを乗せて運ぶときのポイント、ワインクーラーの洗い方など、即、実践!のノウハウを基本から叩き込まれました。しかし、なにをおいても、いままで見たなかでフェデリコが秀逸だったと思うことがひとつあります。それはDecantazione(デカンタツィオーネ)。彼のデカンテーションはひと言で言うならば、とにかく「優美」見ていてうっとりします。残念なのは、彼がデカンテーションをするとき、当然私も仕事中。なので、初めから最後までずっとぼーっと見ているわけにはいきません。幸い、なん度かその場に遭遇し、ささっと横目で見る機会には恵まれましたが、このパフォーマンスの一連の流れるような動き、とくにデカンターさばきは、なんと美しいことか! しっかり、そのデカンター・テクニックは盗ませていただきました。 私がここで働く最後の日、レストランでサービス用に使っていたクロスを1枚頂き、アイモとナディアにサインしてもらいました。私の大事な宝物のひとつです。私がいたときは、まだナディアはキッチンで黙々と働いていて、アイモはお客様のテーブルを回りながら、最終チェックの味見をしていました。ふたりには、とても親切にしてもらったな~。

今日もワインでSalute(サルーテ)!(乾杯!)シャンパンキラキラ

 

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