1978年の香港映画。狄龍さん、傅聲さんが出演しております。ラスボスは谷峰氏。
狄龍さんは彷徨っているところを傅聲さんに助けられます。せっかくの恩を仇で返す狄龍さん。水、食料、元気な馬を奪って逃走します。が、傅聲さんはしぶとい男なのでくっついて離れません。そんなこんなでお互いを知るようになり、狄龍さんは自分の過去を話し始めます。
谷峰さんは孤児を集め、ほぼ虐待状態で13人の悪党を育てます。狄龍さんはその1人でした。13人はそれぞれ色の違う衣装を着ていて、鷹の飾りだけがおそろです。
金品を盗む際、唐佳さんにけがを負わされた狄龍さんは施思さん一家に助けられます。とても温かい一家で、施思さんは優しい。家族を、愛を知らずに育った狄龍さんには夢のようなひとときでした。
彼は谷峰さんの元へ戻ります。谷峰さんはとても喜びますが、13人が付けているはずの鷹の飾りを付けていなかったことで怒り出します。谷峰さんの愛は条件付きの愛。心から狄龍さんを思ってはいないのです。
そして、施思さんの兄は谷峰さんをかつて刑務所に送った憎き相手でした。谷峰さんは一家全員の暗殺を命じます。
狄龍さんは必死で仲間を止めますが、それは無理な話・・・。王龍威さんは谷峰さんに忠実な悪を演じていました。恐怖の表情を浮かべたまま亡くなった施思さん。狄龍さんの価値観、崩壊です![]()
他の12人は冷血だけど、彼だけは冷血になれなかったのです。根城に戻って、仲間にボコられます。で、彼は逃げ出して、今に至るというわけです。
当然、追われます。でも、やっつけます。緑鷹を殺すときに鷹の飾りを引きちぎる姿に狄龍さんの強い意志を感じました。
狄龍さんはもう1つ心に決めていたことがありました。ある立派な人と家族を殺してしまった過去があり、その人の義理の息子に償いたいと思っていました。
この場面のときから狄龍さんはツラそうでした。谷峰さんに命令され、彼は身重の女性 甄妮さんを殺したのです。婿さんは脚の裏に隠している刀を袖に装着して、戦うという情報のみ。あれ?さっき傅聲さん、それで戦っていたね・・・。
彼の告白を傅聲さんは恐ろしい表情で聴いています。なかなかすごいシーンです。狄龍さんは知らぬまま、チーム谷峰の暗殺計画に対する傅聲さんの手助けを受け入れます。観ている側はドキドキです![]()
客棧を1ヶ月借り、仲間が来るのを待ちます。そして、3人を殺します。次第に2人の間に友情が生まれてくるっぽい。しかし、本音をなかなか明かさない傅聲さんなのでそこはどうなのか、まだわからない。
根城に戻って来て戦う狄龍さん。遂に傅聲さんも自分の武器を見せて戦います。傅聲さんは直接手を下した狄龍さんではなく、そういう組織を作り出した谷峰さんに復讐をすると言い、2人で協力して戦います。
鉄のグローブをはめた谷峰さんとラストバトルです。アクションもいいのですが、最後の谷峰さんの揺さぶりがいいのです。谷峰 VS. 狄龍・傅聲を谷峰・狄龍 VS. 傅聲にもっていこうとします。悩む狄龍さん。
谷峰氏を倒した後、傅聲さんの刃を自分の腹に刺し、狄龍さんは償いを果たして、亡くなります。
家族のお墓の前で佇む傅聲さんの姿で終わります。傅聲さんは狄龍さんも谷峰さんの被害者だと感じ、許していたのでしょう。けれど、狄龍さんはやってしまったことの大きさに常に押し潰されそうになっていたのかもしれません。
アクションよし、キャラよし、ストーリーよし。名作と言われる理由がよくわかりました。友情で全てを終わらせないところがよかったです。
傅聲さんの武器は初めて見るものでした。使いにくそうだけど、かっこよかったです。三節棍を使う狄龍さんはきっとレアかな。
時々、登場人物に感情移入し過ぎて、観終った後も引きずることがありますが、この映画は主人公2人の葛藤がすっきりと描かれていて、客観的に見ることができました。
