「鐵馬騮」 | kiyokiyo world Ⅱ

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昔の功夫映画ばかりです。

1977年の台湾映画。陳觀泰さんが監督&主演の作品です。

 

反清を掲げていた陳觀泰さんの父親は清から目を付けられます。弟子たちは殺され、家族は皆捕らわれてしまいました。

 

父親に反発し、賭け事や女遊びと自由に過ごしていた陳觀泰さんは駆けつけますが、梁家仁さんたちにやられ、何もできません。

 

父親の友達はこのままでは危険だと判断し、清が引く勢いで陳觀泰さんをボコボコにして、「彼はおかしい奴なんです。」と許しを請うて、その場をしのぎます。

 

めちゃくちゃ仲が悪くて、息子のことを「Useless.」とまで言っていた父親ですが、何も言わずに彼が助かることを祈ります。

 

将軍の金剛さんは陳觀泰さんを発見できなかったことを気にしますが、梁家仁さんたちは放蕩息子だから脅威にはならないと判断します。

 

牢屋で息子の居場所を教えれば死なずに済むと言われ、弟(10歳くらいの子)が話そうとしますが、父親は幼い息子を殺します。父親は更に痛めつけられます。エグい演出だなと思ってしまいましたガーン

 

そして、みんな、殺されてしまいます・・・。

 

戚冠軍さん、登場。少林寺に侵入して、しょっちゅうお供え物を盗み食いする陳觀泰さんを捕まえようとしますが、素早いので捕まえることができません。陳觀泰さんはホームレス状態になっていました。

 

すばしっこさから武術のセンスを見抜き、彼をお寺に連れて帰ります。

 

名前も名乗らないし、事情も話さない。そんな陳觀泰さんを受け入れる器の大きな師匠。「きっとがんばりやさん。きっと真面目。きっとすぐに武術がうまくなる。」と恐らく父親には言われたことがないであろう優しい言葉をかけられ、「鐵馬騮」という名前をもらいます。陳觀泰さんの嬉しそうな笑顔が印象的でした。

 

人が変わったように修行に励みます。

 

しかし、事情を明かさぬまま過ごし、やたらと上達するのが早い陳觀泰さんを気に食わないと思う兄弟子たちも出てきました。煽ってくる兄弟子たち。挑発には乗らず、殴られても我慢します。今は辛抱ですよ。

 

みんなにバカにされている猴拳をマスターすべく、皺のメイクが過剰な師匠の下へ行き、修行に励みます。

 

そして、少林寺から出ます。師匠から「血の匂いがする。」と復讐する気満々の気持ちを見抜かれていました。「必ず戻ります。」と約束して彼は旅立ちます。

 

まず、清の兵隊になるところからスタートです。清から敵と見なされた人たちを殺さなくてはいけません。でないとラスボスに近づけないし、疑われます。なかなかキツい作戦ですタラーどんどん昇進していきます。

 

戚冠軍さんは陳觀泰さんの行動に怒りを覚え、仲間と共に清勢力へ殴り込みに行きます。陳觀泰さんは彼に感謝しているけれど、それを見せたら全ての計画がダメになります。

 

いい人ばかりではなかったけれど、共に修行に励んだ先輩たちと戦うこの場面はきっとツラかったと思います。死角に入った隙に死ぬふりをしてと戚冠軍さんに言い、戚冠軍さんが殺されないようにします。

 

ますます衣装が豪華になり、陳觀泰さんが出世したのがわかります。彼を誤解する妹、心配する女友達がいますが、計画を言うわけにはいきません。妹の発言を周囲に聞かれないように、口を押さえて、びたびたと叩くシーンがちょっと怖かったです滝汗

 

狂気を秘めた陳觀泰さん、遂に行動開始。まずは父の情報を流していた元スパイを殺します。次は梁家仁さん。そして、キャプテン。暴走は止まりません。

 

なかなかいいい動きを見せる2人のボディーガードを倒して、ようやくラスボスに到着。金剛さんは鷹爪拳。OPにあったように猴拳と鷹爪拳で激しい戦いです。

 

激闘の末、金剛さんを倒して、少林寺に戻ってきて、出家したところで終わりです。笑顔で戚冠軍さんは見守ってくれました。

 

戦いのない人生であれば、父親ともぶつかることはなかったのかもしれません。彼の長所を認め、考えを尊重してくれたすばらしい師匠さんの側で穏やかな日々を過ごしてほしいなと思いました。