ムーミンの後期の作品は大人に向けた作品だとか。
これも後期の作品です。
虚しさ、不安、叶わぬ想い、恐れなど、人生で体験するであろう出来事をムーミン谷で起きる何かに置き換えて、巧みに表現しています。
私は考え方がフィリフヨンカに似ているので、彼女が出てくる作品が特に印象に残りました。
しきたりや物に縛られ、自分らしさを見失っている彼女。自分でもちょっとおかしいと思っているけど、どうしたらいいかわからず戸惑う様子がリアルに感じられました。
きちっとしていて家事が得意なのですが、将来に不安を抱き、ちょっとしたことに動揺してばかりで自分のよさに気づく暇がありません。本当にもったいない・・・。
最後の出来事以降、すっきりとした生活を送ってくれるといいなと思いました。
時々、出てくるミイがいいスパイスになっています。
自由と孤独ばかりでは寂しいし、いつも誰かと一緒にいると息苦しくなったり、自分がわからなくなることもある。バランスが大切だよというのが作者のメッセージなのかなと思いました。
TOVE JANSSONのムーミン以外の作品も読みたいなと思うようになりました。
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