富山 於保多神社 | 木うそGALLERY

木うそGALLERY

九州・大宰府天満宮が発祥と言われる木うそ。
その素朴で愛らしい姿形は見るものを虜にし、
飽くなき収集欲を掻き立てる。
このブログでは筆者が集めた日本各地の木うそを画像とともに紹介する。ここ数年で鷽コレクターも増えてSNSで発信される事が多いようです。


富山の天神様として知られる於保多(おおた)神社(通称:柳町天満宮)では、昔から土人形の鷽が授与されてきました。もともと富山では各神社で色、形の決まった土人形を参拝者同士で交換し合う「替え物」という神事が盛んな地域。於保多神社では5月25日の春季祭に鷽替え神事が行われ、底に「い・ろ・は・に」と1~73の番号が記入された鷽をあらかじめ購入して、三方に置かれた紙の番号札を宮司が御幣によって吊り上げ、吊り上げられた番号札と同じ番号の鷽を持っている人には、神社から金鷽が授与されました。その後、参加者の減少等により、平成17年を最後に一度鷽替えは廃絶しています。当時は何色かあったみたいで、中央上部にあるのが目に眩しい黄色のネオカラータイプ。これは神社に残っていた廃絶前の最後の鷽ということでした。以降、鷽替えは長らく行われてきませんでしたが、平成30年に13年ぶりに鷽替えが復活しました。土雛窯の製作による鷽は試作品で5色用意されました(色は後述)。1年目が桃色(一番左)で、一体500円で300体が頒布されました。2年目は若苗色の鷽(左から2番目)が授与されましたが、3年目の令和2年の鷽替えは新型コロナウイルスの影響により中止となっています。令和3年には鷽替えは行われませんでしたが、鷽の授与自体は行われ薄黄はだ色の鷽(中央)でした。そして、令和4年には通常通りの鷽替えが行われ、藤紫色の鷽(右から2番目)が200体製作され、15体の金鷽が出されました。中央にあるのがその金鷽で、プラスチックのケースに金色の座布団が敷かれ、その上に金鷽が配されています。令和5年には最後の白色が出されました。一回りして、令和6年は再び桃色が頒布されています。

梅1於保多神社梅1

富山県富山市於保多町1-32

富山地方鉄道「稲荷町駅」から徒歩約10分

 

※三方(さんぼう)…お供え物を載せるための台

※御幣(ごへい)…二本の紙垂を細長い木に挟んだもので祓いのときに用いる