階段を曲がり曲がり
のぼって
その先のアトリエは
今日は カリンの香りでいっぱいで
とたんに
宮沢賢治の童話の世界
絵 希夙
「お昼間の空に浮かぶ白いお月様が お吐きになったのです」
とポウセ童子
このカリンのお色は お月様の光のお色なのですね
どうりで
息を吸うと肺から
きらきらと
甘い香りが巡ります
日が傾く頃には
いよいよカリンの金色は静かに燃え上がり
影にアメシスト エメラルド サファイアが輝き
白布は薄くトパーズ ガーネットのさざ波をくり出します
「ポウセさん そろそろお宮へ参りましょう」
「チュンセさん もうそんな時間ですか」
電灯のついた後も
アトリエには 甘い香りが
きらきらと
もうひとつの世界へ連れて行く準備をしているようでした
※ポウセ童子とチュンセ童子は 宮沢賢治 『双子の星』の
双子のお星様です
※「カリン」の絵をクリックすると大きく見れます
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