<ずいぶん前に某タウン誌に連載していたモノを、少し加筆して、ご紹介していこうかな・・・と思ってます。>
SHORT SHORT COCKTAIL STORY No,1
マーメイド ~僕だけの人魚伝説~
幼い頃、親父に連れられて海に釣りに行ったとき、
僕の釣りざおに変なものが掛かったことがあった。
魚の尾に針が引っかかったのか、大きい魚のためなのか、なかなか上がらない。
その当時の僕は、小さい魚に興味があったので、その尾の針を外して、逃してやった。
それからしばらくして、まだ泳ぐには少し早い季節なのに、
女の子が海面から顔を出して、僕に手を振ったように思えた。
「女の子が手を振ってるよ」
と、親父に言うと、
「何言ってんだ。それよりこれを引っ張って・・・」
と、糸が絡まった親父は相手にしてくれなかった。
それから二十数年がたち、一人の女性と出会った。
なぜかその時、この幼い頃の出来事をふと思い出した。
ゴールデンウィークを利用して、久しぶりに田舎に帰った僕は、昼に釣りをした。
その日はおもしろいほどよく釣れ、その魚を持って、海岸通りにあるバーに立ち寄った。
マスターにお土産を渡し、なぜか吸い寄せられるように、一人の女性の隣に座った。
「ここ、いいですか?」
「はい。お久しぶりですね」
「え?あっどうも」
(誰だっけ・・・。思い出せない。会ったことあるような、無いような、まぁいいか)
僕は必死に思い出そうとしたが、思い出せなかった。
「えっと、誰だっけ?」
「小さい頃、一度だけ・・・」
「小さい頃・・・。でもよくわかったね」
「その、手の傷でね」
「あっ、なるほど・・・」
あの出来事の半年ほど前、木から落ちたときに引っかいた手の甲の傷だった。
「あの時はありがとう。一度言っておきたかったの」
「えっ、オレなんかしたっけ?」
「あっ、別に思い出さなくていいよ」
彼女は少し慌てて、マリンブルーのカクテルを飲んだ。
「また青い色のカクテル下さい」
ブルーが好きな様子の彼女だった。
「今、どこにいるの?」
僕は何かを思い出そうと、彼女にいろいろと聞いてみた。
「海の向こう・・・かな」
と、ポツリと呟くように言った。
「海の向こうかぁ」
僕は何の疑いもなくそう思った。
「これ、もらってくれますか?」
彼女が差し出したのは、まぶしいくらいに輝く、一粒の真珠だった。
「えっ・・・、どうして・・・」
「お礼です」
その真珠を見つめて、ふと、となりに目をやると・・・彼女の姿はもうなかった。
残された真珠を見て、僕は幼い頃のことを思い出した。
人魚伝説。誰に言っても信じてくれそうもない、そう、僕だけの想い出・・・。
今月のカクテル
MERMAID -マーメイド-
ホワイト・ラム ・・・・・・・・・・・・・・・・ 20ml
キューゼニア・
パッションフルーツ・リキュール ・・30ml
レモンジュース ・・・・・・・・・・・・・・・・15ml
トニックウォーター ・・・・・・・・・・・・・適 量
ブルーキュラソー・・・・・・・・・・・・・・ 1tsp
ブルーキュラソー、トニックウォーター以外の材料を
氷と共にシェーク。
フルート型のシャンパングラスに注ぐ。
トニックウォーターを注ぎ、ブルーキュラソーを静かに
注ぎ沈める。
う~さぶw
なんか、今のピグのカラーとちゃいまっせ・・・なんてツッコミはナシね(●´艸`)
カクテル、お酒に関する問い合わせ、大歓迎です!
By BAR FOX きつね(o^-')b