SHORT SHORT COCKTAIL STORY No,2

どんなときも ~At any time~





「とうとう卒業だね」
「本当に帰っちゃうの?」
「親父が倒れたし、家の仕事手伝わなきゃいけないし・・・」
「じゃ、私たちはもう終わりなの?」
「たまには、こっちに出てくるから」
「・・・・・・」

大学の卒業式の夜、最後に彼女と交わした言葉だった。


それから何度も季節は巡り、ある日、ふとアノ場所に足を運んだ。

迷い探し続ける日々。
自分に正直でありたい・・・
僕が僕であるために、そう、まだ自分は理恵のことを好きなのかもしれない・・・


「マスター、久しぶり」
そう言って、アノ当時二人でよく行ってたBARのドアを開いた。
マスターは軽く会釈をし、僕はカウンターの端に腰を下した。


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「カンパリ・オレンジ」
「また、それかよ」
「いいじゃないの、私はこれが、す・き・な・の」
「じゃ、オレもカンパリ・オレンジにしようかな」
「えー、真似しないでよ」

この店に来るたび、挨拶のように彼女と言い合ったっけ。

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2杯目のカンパリオレンジをオーダーした時だった。

「また、それかよ」
聞き覚えのある声・・・
後ろを振り返ると、理恵が微笑みながら立っていた。

「理恵・・・どうしてここに?」
「久しぶり。私はここの常連だよ」
そう言いながら、僕の横に座り、
「私は、いつものね」
と、勝ち誇ったような意地悪な顔で、微笑んだ。

偶然といえばそれまで。それ以上の何かがあるのか、僕にはわからない。
ただ言えることは、理恵がもしかしたらここにいるかもしれない。
そんな微かな望みを抱いてたことは確かだ。

「仕事は忙しいの?」
「うん、相変わらずだよ。理恵の方は?」
「普通かな。OLだもん」
そう言いながら、赤く染まったカクテルに口づけた。

数時間のタイムスリップを楽しんだ後、

「そろそろ帰らなきゃ。終電に間に合わないよ」
「あっ、そうだね。もうこんな時間か」

「理恵・・・」
「うん?何?」

なぜか、それ以上は言い出せなかった。

BARを後にして、彼女を見送り、駅に向かった。


♪どんなときも どんなときも  僕が僕らしくあるために

「好きなものは好き!」と  言えるきもち 抱きしめてたい♪

どこからともなく、こんな歌が聞こえてきた。


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    At any time

きつねのブログ

デカイパー シトロンジュネヴァ・・・30ml
カンパリ・ビター     ・・・・・・・・20ml
レモンジュース      ・・・・・・・15ml
トニックウォーター    ・・・・・・・適  量

トニックウォーター以外を、氷と共にシェークして、
氷を入れたグラスに注ぐぎ、トニックウォーターを
満たす。



前回、コメント沢山いただき、ほんと感謝してます。
小説家でもないし、ただの元バーテンダーの超短編小説?に
あたたかいお言葉、涙もんですしょぼん
これからも、あたたかく見守ってあげて下さいねニコニコ

                               By BAR FOX きつね(o^-')b