ただひとり…
雨の音だけが響き
ひとりで酔いしれて
何度も
ナンドも
何度も
マナーモードに着信アリ
出なかった自分
かけ直さなかった自分
長い付き合いになる
諦めようか
別れようか
もう 疲れた…
今年で8年
私を愛していると言って
4年
でも
まだ 私は貴方の背中ばかり見ている…
優しい風が体を通り抜けていく。
暖かな日差し
川のせせらぎが聞こえる歩道
一面に芝桜
彼が居る場所までゆっくりと歩いていく。
昨日の電話で
「明日 弓道の大会があるから……」
「どこで?」
彼がいつも行く弓道場だった
「観たい」
「知らない人ばかりだから 見に来れば?」
「いいの?」
「外から見るなら いいよ」
「行く」
今までなら 『来るな!』と 言っていたのに……
ふと 足を止め 彼の姿を探す
桜の木の影から彼の姿を見つけた
自然に彼と視線が合う
笑顔を向ける彼
嬉しかった ずっと悲しみ続けたアナタのこと
少しでもいい 私を見て 少しでもいい 貴方の心の隅に私を置いて欲しい………
いま この瞬間だけ 貴方は私の存在を感じている私の心の中は 彼で溢れた彼の姿を目で追いながら矢が放つ風の音 的に当たる音を聴いていた
遠くから私の所に近づいてくる彼
垣根ごしに目の前を通り過ぎながら 視線で私を招く
離れていたが 彼と並んで歩く
私に顔を向け 携帯を指で叩く
『電話?』
小さくうなずいて弓道場から離れる
「電話して大丈夫?」
「一回くらいなら大丈夫」彼の着信履歴 発信履歴は奥さんにチェックされている
「いつやるの?」
「次の次だよ」
「ちゃんと観てるから 的に当ててね」
「お前が観てると緊張してダメかもな」
「えー」
「ばーか 俺を誰だと思ってんだ?」
「ばか」
「一回だけみたら帰れ」
「えー ずっと観ていたい」
「お前が観てると 恥ずかしいだろ」
「嘘つき…………分かったがんばってね」
「まかせろ!」
ツー………電話が切れ
遠くを見つめると 笑顔の彼が少し私の方を見て弓道場に戻って行った
彼が準備をする姿を目で追う
彼が立つ
5人並んだ2番目
ゆっくりと構える
弓がしなり的を見つめる彼
放たれた矢は ポンと音をたてて的に当たる
感動と共に的の方に視線を向ける
体がシビレた
つぎの矢を放とうとしている彼から目を離さない瞬きさえ忘れるくらいに耳は的に当たる音を捉える
全ての彼の動きを見逃さずに 今 この瞬間を脳裏に焼き付ける
最後の矢を放つとき 彼の口元が緩んだ
『緊張感ないぞ!』
心の中で私はそう囁いた
一度だけと約束したので私はゆっくりと 弓道場から離れていく
何度も何度も振り返る

彼が慌てて弓道場から出てきた 私の姿を捜しているようだ
首を傾け 立ち止まり彼を見ていた 携帯電話を手にしていた
呼び出し音
「はい」
「どうだ?」
「カッコ良かったよ 全部的に当たったね」
「当然」
幸せだった
「今日終わったら飲み会になった 行きたくないけと゛行ってくる」
「うん」
またキチンと報告してる
「最後 笑ったでしょ」
「お前が見てるから恥ずかしかったんだよ」
「嘘!…」
「ハハハ」
「がんばってね」
「うん 気を付けて帰れ」
「うん」
「バイバイ」
「バイバイ」
嬉しかった 涙がこぼれた
このまま時が止まって欲しかった…………
夕方 借りたDVDを返しにいきました 駐車場からでたら彼の車が目の前を通る 交差点左に曲がる彼の車右に曲がる私の車しばしスピードを緩め彼を見る 彼も私を見ていた 偶然が彼に逢わせてくれた……………
私の子供は長男が今年22才になります 次男が高校二年になります 彼の娘は高校生と中学生 彼は7才年下です 老いらくの恋まではいきませんが 年をとって初めて本当に愛する人に巡り会えたように思います 「逢いたい……」ただそれだけです 子供が自立したら 旦那と離婚します 子供も解ってくれました 熟年離婚です もちろん 彼とはいつまで一緒に居られるか分かりませんが最近彼 人前でも平気で私に近づいてきます 誰にも見せるなと 言っていた 彼にもらった縁結びの御守り 携帯に付けていたら 彼が気がついて「御利益無いな、そうして付けてると 寅さんみたいだな」などと笑っていました 毎日彼の視線を感じます 私を見つめる眼差し これが私の真実の愛
もう 夫婦でいることはできない なぜ 私の目の前にいるのが 愛のない男なのか 彼に逢いたい 私の心はやはり彼を求める 裏切られるかもしれない でも 私には彼しかいない この先私は旦那に別れを告げる 彼ではなく 旦那に……これが私の本当の答えなのだ
彼と逢えない日が1ヶ月過ぎた 忙しいと言う彼だが 私のわがままだろうか…………分からない何かが違う 嫌なときに当たる私の感 淋しさも少しずつなれてきた 彼に逢えなくても 仕方ないと心が理解する 彼の姿を探す私の行動も諦めに変わる もともと 独りぼっちに馴れていたからまた もとの自分に戻るだけ 優しさが欲しくて 人の温もりが欲しくて 夫の心の冷たさに涙した………安らぎが彼を求めた でも 人を愛する苦しさが私を責める 傷つくことを恐れずに愛すればいいけれど 私は怖い だから 今なら独りぼっちに戻れる………愚かな自分に戻るだけ
私は伝えました 今までとは違う 別れたくないのに彼を試すためにわざと別れ話をしました ズルい方法です でも 今回は違います 別れても仕方ないと思ってました だから 彼に本当の言葉を言いました 私が悪いのごめんね 何時までも過去にこだわっているから ごめんね だから もう無理だから さよならするね……………彼は言葉を詰まらせ聞けないふりした 『なに?』『さよならだね』『俺はイヤだね』『でも 無理だから』涙がこぼれた『泣くな大丈夫だから』………
会えない日々が続いてる忙しいと言う彼 分かっている でも 信じることができない 私が何時までも過去にこだわっているから 嘘をついて私を騙し 別の女とキスしていた 今は関係ないと言っているが 信じられない 忙しい=別の女悪いのは私です 何時までも過去を引きずっている 私は多分 アメが欲しくて買ったらついでに付いてきたオマケのようなもの なめ終わってしまって また アメが欲しくて オマケはまたついてくる でも 何かの役にたつだろうと オモチャ箱にポーンとほおりなげるオモチャ………もう 疲れた 終わりにしたい 彼の心が分からない 別れる時かもしれない…………
逢いたい 貴方の側で眠りたい 貴方の温もりを感じたい でも どんなにあがいても 何時かは別れがくる それはらばいっそ 貴方を愛したままこの身が消えてしまえばいい……
私は単純な女です 彼から毎日電話があり バカな笑い話をする 『頭痛いから病院いく』『風邪?』『違う』彼は事故でむち打ちになっている いわゆるオカマ……『首?』『首はお前だ 会社首だ』『なにそれ!バカじゃない』心が弾む 『ハハハハ』『バカじゃない?』『お前に言われたくない!』『ねえ!ケンカ売ってんの?』『ハハハハ』『会社で会ったら覚えといて蹴り入れるから』『うっせえ』くだらない会話 でも 楽しい 単純だね 私………… でも それだけで幸せです 『明日は電話できない』『何で?』『飲み会』『うん、分かった』バカ!素直になに説明してんの?今までになかったうれしい!