父が一人で住む日本の実家、父が結婚したときに購入したかなり古い家。もうすぐ築50年。姉と私の成長に合わせて増築したり、ちょこちょこと改修したりしてきた。もう父ひとりだから、以前4人で住んでいた頃の大きさはいらないのでね、こういう時、増築した部分をダウンサイズできる仕組みだったら良いのに。

 

で、そんな父の家、なかなか厄介な大物がある。

 

姉のグランドピアノ。

 

姉はピアノの道に進むか、勉強の道に進むかを本気で考えるほど、幼少期から人生の大半をピアノに捧げてきた。私が覚えている限りでも、小中学生時代の姉は、平日学校がある日でも1日2,3時間、土日となれば5,6時間以上はピアノの練習をしていた。


週に2回以上ピアノのレッスンに通っていたし、有名な先生のレッスンを受けられるとなれば、遠方までレッスンを受けに行っていた。愛知県の実家から東京まで行ったことすらあったんじゃないかな。

 

でも結局、高校進学の時点で、勉学の道に進むことにして、ピアノは趣味に留まることになった。国立大学の工学部に進学して、そんな男むさそうな大学時代も、ピアノ同好会とか作ってピアノを弾いていた。

 

調律中のピアノ


そんな姉の思い入れのあるグランドピアノ。なんといっても重い。300~400キロはある。

 

当然ながら姉の住むマンションには入れられず、実家に置きっぱなし。

 

いまとなっては無用の長物えー でも、時々実家に帰ってはピアノを弾いているし、そのために調律もしているし・・・。思い入れのあるものって、そう簡単には手放せない。

 

これがもう何十年も実家の同じ一角においてあるもんだから、支える床が弱くなっていて、この度、床の補強工事をすることに。

 

ピアノを動かす業者さんに来てもらって、床の補強工事の間、暫定的に隣の和室に移動。

 

 

逐一、姉が写真を撮って状況報告してくれる。

 

この先、このピアノをどうするのか。断腸の思いはあろうかと思うけれど、遅かれ早かれ腹を括らねばね。父だっていつまでこの家にいるかわからないのだから。