私たちいわゆる「就職超氷河期世代」は、ロストジェネレーションとか言われて、社会の問題児扱いされることが多い。この世代を何とかしなければ日本の経済が破綻するとかいって、内閣府が就職氷河期世代支援プログラムとかなんとかいうものを作ったりしている。
こういう政策は、根本的に何の解決にもならないだけではなくて、日本の経済の低迷に対する問題のすり替えだ。
就職氷河期世代の多くは、40代半ばになるまで何もしてこなかったわけではない。正社員になっていなくても、いろんなところで経験や知識を積んできている。ほぼ日本でしか通用しない終身雇用型に当てはめようとするから問題なのだ。その考え方を変えて、個人の知識や経験を買う、というほかのどこの国でも当たり前な契約方式にすれば、どれだけでも仕事のできる人間はいる。
考え方を変えるためにすぐにでもできることの一つが履歴書への生年月日の記載を止めること。今は日本でも、人材を募集する時に年齢制限を設けることは雇用対策法により禁止されている。にもかかわらず履歴書に生年月日を書かせるということは、実質選考過程に年齢が含まれることを許している。
同世代の友人が、これまで15年以上にわたり、経験も知識も培ってきたにもかかわらず、同じ分野での転職活動に書類審査ではじかれている。別の友人は、その分野での20年以上の経験や知識を考えれば、まず彼女に匹敵する人はいないという分野で、書類選考ではじかれた。彼女の場合、そこの職場のトップから直接声がかかっていたにも関わらず、人事部が年齢ではじいたということらしい。
どちらのケースも、採用するからにはそこで長く働いて職場の色に染まってほしい、その職場でキャリアの構築をしていってほしい、だから中途採用といってもできるだけ若い人が欲しい、という典型的な日本の終身雇用型の考え方が根強くはびこっていることが見てとれる。その職場の外での豊富な経験や知識を、自社に入れて新しい力にしよう、という考えなど全くない。
経験や知識を積んだ人を中途採用するというのは、採用される側への救済措置が目的ではない。企業や組織にとって、多様な経験や知識を持った人を集めて、新しい勢いにしていくという、企業や組織のさらなる成長への動力とすることが目的なのだから。
私たち就職氷河期世代が問題なのではない。私たちの世代をロストジェネレーションと名付けて問題視するのは、日本経済の低迷の問題の所在をすり替えているにすぎない。終身雇用の考え方を変えない限り、日本経済は停滞していく一方だ。
