葬儀が終わって、父が遺骨になって1年1ヶ月ぶりに自宅に戻った夜。

母は喪服のままキッチンに立っていました。


仏壇が入るまでの仮祭壇。

その前のテーブルに母は炊きたてのご飯と作りたての豚汁、母が漬けた大根の漬物を並べていました。


「おかえり」

「今日はこんなのしか無いの」

「明日はもうちょっとちゃんとした物にするね」

「もう塩分も気にしなくて良いからね」


と涙声で言葉をかけながら。



その日から仏壇が入るまで

祭壇の前の黒いテーブルに父の好物が日替わりで並んでいました。


仏壇を購入した時に説明を受けたのは

毎朝とかの決まりはなく、ご飯は炊いた時だけで良い。

炊きたての煙りを召し上がるから数十分で下げる。

お水もお茶も供えなくても良い。

あちらの世界には溢れる泉があるからと。


ちょっと笑ってしまいました。

我が家の祭壇前は宗教的には✖️だったようです。



でも、思うんです


何をどう供えるかって、あちらの状況ではなく

こちらの気持ちなんだろうと。


母が納得するのなら、穏やかな気持ちで居られるのなら

豚汁だろうが、ちらし寿司だろうが、トンカツだろうが並べたら良いと。

きっと父も笑っていると思うから。



昨日は密いっぱいの林檎に奈良漬の細巻きとだし巻き卵でした。

やっぱり父の大好物です。