最後の日、前日の様子から朝から母も私もかかりつけ医に薬をもらいに行き、いつ電話があっても良いようにしていました。
お昼に私の携帯がなりました。
あーダメなんだと。
着信音を聞ききながら。
「慌てないで、気をつけてください」と言う看護師さんの言葉に
何度も何度も深呼吸をして、母に持ち物を確認しました。
病院には30分後に到着。
父は荒い息遣いで、もう体中の管は外されていました。
最後は綺麗な状態でと言う配慮でした。
もう意思表示が出来る様子ではなかったのですが
「声は聞こえますよ」と言われ
父に声をかけました。
手を握りながら。
声をかけると反応するように強く握り返してくれる手に涙が出ました。
手を握りながら
「ありがとう」
「大好き」
「疲れたね」
「もう大丈夫だよ」
「また会おうね」
「すぐに会えるよ」
「迎えにきてね」
と声をかけ続けました。
何度も握り返してくれる手。
2時間半、頑張って
亡くなる30分ぐらい前に反応がなくなり、
最後に大きく息を吐き、息をひきとりました。
85年の人生
最後の時でした。