なぜ怒らせる


なぜ不快にさせる


この憤りをどうしてくれる



君たちは何もわかってない


僕も何もわかってない


だから歩み寄ろうとするんじゃないか



それを拒まれた


僕に


なにが出来るだろう


なにを考えられるだろう



己が道を行く


それが人だ



けれど僕は


歩み寄る人が



人間だと思ってる

坂道を駆け上がる


汗が吹き出て額から落ちる


乾いたアスファルトを点々と


まるで天気雨のように



僕らが生まれた街は


飽食で人工的で


あらゆる玩具で埋め尽くされ


不夜城のように明るく


昼も夜も一緒くた



暇を持て余す


人々は


街に快楽と狂気を誘う


そこに純粋な原色はなく


混ぜ合わせた不自然な




でも僕たちは


この不自然な色で育った


だからこそ原色を見ると


群がり汚染したくなる



楽しいエンディングなんて


くそくらえ


僕たちはただ



楽しいストーリーだけを


描いていくんだ



天から舞い降りる


ひとすじの光


君はまだ気付いていないだろう



その光は


未来への希望



後姿に悔恨を背負い


眼は虚ろに下を向く


何を見ているんだろう



目の前に


降りてきた光さえも


振り払うように



でもいつか気付くだろう


その光は君のものだと



世界は君の幸福を



祝福していると

見えない明日


消えない過去



痛み


憎悪


そんな嫌な毎日でも



楽しいことがある


思い出


喚起


高揚



いつか気付くのかもしれない


明日は見えないんじゃなく



明日は創るものだと



明日は昨日であるということを



昨日は明日であったということを

氷の融ける音


耳を澄ませば


心地よく



十二分に酒の


肴となる



奇声と下品な笑い声


肴は


養殖場で育った





君たちの酒や肴は


可哀相でしかたない


浴びるように流し込まれる




経済大国として


数々の食料を搾取し


破棄するこの国で



唯一弔うとすれば


味わって食すことだけ



肴は



氷で十分だ

祈る


君の魂が宿る聖地で



きっと志半ばにして


潰えたのだろう



毎年添えられる


美しき






君の周りには


君の志を受け継いだ


者達がいるよ



そうそれは


君とは縁深き血潮




安らかに眠れ


それはきっと


幸福な終着点には辿り着かない


けれど歩みは止まらない



なぜだろう


人は皆同じ道標を頼りに


歩んでいるはずだろう



僕が歩んで来た道は


そこにある道標を頼りに


道はないけれど


きっと辿り着くと信じて



振り返れば


僕の歩んだ道には


草木ひとつ芽吹かず


無数の屍


そんな道を歩んできたかったわけじゃないのに



ごめんよ



だから僕は立ち止まらない


立ち止まれない


引き返せないんだ



あらゆる生命と屍の上を


歩いて来たから



道標が続く限り


僕は進むよ



辿り着いた


その地で



僕は



生命の道標を築くから

遠く遠く


微かに見える


大木



尊厳で包括


他の木々が霞む



大木までの道はない


見えるのは


その威風堂々とした姿色だけ



穏やかに眺める人々


周りには誰も居ない大木



そうそれは



僕の大木


星空が広がる夜


皆が眠りに付く頃


僕は心を切り取る



それはまるで


林檎の皮を剥くように


繊細に慎重に



限りなく薄く


限りなく永久に



終わり無き


一日の終焉



その日の罪を償う儀式


月明かりの下で


行なわれる儀式



そうそれは


この世との唯一の繋がり



そうそれは


この世界の一部であることの認識と執着



それでも僕は



笑えないんだ

注がれる


香ばしき


気高き生き物



回る回る


けして交わることなく


回る回る



気高き霊長類が作った


皮肉な玩具



自らの生物としての


未熟さを露に



それとは知らずに


哀しき玩具で


育つ人の子



哀しき世界に


順応するため



哀しき玩具の舵を取る